一回一回のトレードで取れるリスクを決める
どこで止めるのかを決めることは資金管理(マネーマネジメント)において最も重要な要素だ。
「どこで止めるか」はいろんなレベルで決めるが、まずは、1回1回のロスカットで受け入れられる最大の金額(リスク)のルールを決める。
トレードのリスクを調整するには、ポジションサイズを調整するか、ロスカット幅を調整するかどちらかだ。
ロスカット幅は状況によって変わる。
それはエグジット戦略の記事で述べたとおりだ。
したがって、ロスカット幅が決まった段階で何株エントリーできるのかを計算することになる。
ただし、デイトレードやスキャルピングの場合はいちいち細かい計算をしている暇はない。
実は私の場合は、タイトなロスカットが設定できる状況でしかエントリーしないので、ほとんどの場合ロットサイズ固定でトレードしている。
ロスカット幅を広くとってエントリーしたい場合は、その分ロットサイズを少なくしてリスクを減らすようにするとよい。
2%モデルは有効か?
ポジションサイズについて、「2%モデル」という定説のようなものがある。
2%モデルとは、1回のトレードで資金の2%をリスクにさらしても良いというものだ。
2%モデルにおいては、100万円を運用している人なら、1回のトレードで2万円までのロスカットを許容することになる。
しかし、この2%モデルがだれにとってもうまくいくわけではない。
2万円という金額は人によっては大きすぎるかもしれない。
目を閉じて想像してみてほしい。
10分間に立て続けに2万円のロスカットが3回連続起きたらどう感じるだろう?
たいしたことないという人もいるし、顔が青ざめてしまう人もいるだろう。
人それぞれなのだ。
それなら、一般的に言われているX%モデルを採用するのではなく、自分にあったポジションサイズを選択するようにしよう。
このように、「短時間で連続3回ロスカットになってもある程度冷静でいられる金額」というのはある程度的を得ていると思う。
みなさんは、一回のトレードでどれくらいのリスクを取りますか?
スキャルピングのロットサイズには要注意
よく、スキャルピングならフルレバレッジでやるべきといったようなことを聞くが、それは危険だ。
フルレバレッジとは、信用枠をいっぱいに使ってトレードすることだ。
スキャルピングをやると、短時間で何度も何度も連続でロスカットになってしまうことは少なくない。
これは人間の怒りの限界に挑戦するようなものだ。
スキャルピングをやる場合こそ、連敗時にでも冷静でいられる金額にとどめておく必要がある。
どこで止めるかを決める
1回のトレードで取るリスクはどれぐらいにするか?を決めたが、それだけでは不十分だ。
一回一回はちゃんとロスカットしていても、一日の終わりにとんでもない回数まけて、損失がとんでもない金額になってしまっては困るからだ。
そこで、1日にいくら負けたらやめるかを決めることが重要になる。
私が意識しているのは、1日で負けてよい金額は、1日で勝てる平均的な金額程度まで。
たとえば、平均的な勝ちの日の利益額が5万円なら、1日に出してよい損失は5万円ぐらいまでにとどめておくという意味だ。
結局、デイトレードでは、勝てる日もあるし、負ける日もある。
たった1日の負けで、取り返すのに5日ぐらい勝ち続けないと取り戻せない金額を負けてしまったら、そこで集中力が切れてしまう。
もう今日の負けはどうでもいいや。無かったことにしよう。
そんな気分になってしまう。
そんな気分になってしまった時点で、もうまともなビジネスではなくなっている。
そうなってしまったら、粉飾決算をする経営者と同じだ。
今日は勝てなかったけど、想定内。明日からも、変わらずにやるべきことをやっていこう。
心からそう思える程度の金額に抑えておかなければならない。
そのことは、週単位でも、月単位でも同じだ。
1週間の損失として許容できるのは平均的な1週間の勝ち金額と同程度まで。
1か月の損失として許容できるのは平均的な1か月の勝ち金額と同程度まで。
ドローダウンが限度額に達したらどうする?
日単位でも週単位でも、月単位でも、ドローダウンが限度額に達してしまったら、そこで一旦トレードを中止する。
そして、詳細に自分のトレードを見直して負けた原因を探る。
- 相場環境が変わったのか?
- 自分の相場心理の問題か?
- モチベーションが落ちていないか?
- 日々の準備を怠っていないか?
- 疲れや集中力の低下などの問題か?
- PCの性能や回線速度の問題?
- 証券会社のツールが使いにくいから?
いろいろ考えられる。
自分なりに「これが原因ではないか」というのを突き止め、どうやって改善するかを決めるまではトレードを休む。
モチベーションや心理的な問題の場合、単純に1週間休むなど、期間を置くだけで回復できる場合も多々ある。
だから、とにかく休むことだ。
これは個人投資家の特権、休むべき時にいつでも休めるのだ。
利用しない手はない。
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