前の記事では下記のことを解説した。
- エグジットはエントリーと同等に重要
- どんな時でも機能する万能なエグジット戦略など存在しない
- それならば、自分の信念に従って突き進むのみ
この記事では、サンチャゴのエグジット戦略に対する信念を9つ紹介しよう。
なぜ信念をリストアップしないといけないのか?
リストアップすることで、自分にとってどんなエグジット戦略が必要なのかが浮かび上がってくるからだ。
これはあくまで私の信念。あなたのそれとは違うだろう。
もしかしたら、あなたはまだ初心者で、なにも信念を持っていないかもしれない。
そんな人は、何冊かのトレード本を読んで信念をはぐくんだり、私の信念をベースにすることでスタートすることができるだろう。
目次
固定的なルールは機能しない
3ティックの利益が乗ったらブレークイーブンにストップを動かし、10ティックで利食いする。
などといった固定的なルールはうまく機能しない。
また、RSIやストキャスティックといったオシレーター、移動平均などを組み合わせてエグジットのルールを組み立てる人がいるかもしれない。
しかし、私はそのような価格から派生的に計算されるテクニカルに頼ったルールは、エントリーでもエグジットでも機能しないと考えている。
決して完璧なエグジット戦略などマスターできない
だれの言葉だったかは忘れてしまったが、過去にトレードでおおきな成功を収めた偉大なトレーダーがこんなことを言っていたのを覚えている。
「私がトレードにおいて唯一マスターできなかったのは、エグジットだ」
私は偉大なトレーダーではなくただの零細専業トレーダーだが、私も「完璧なエグジット戦略」をマスターできていない。
あとからチャートで確認して「ひどいエグジットだった」と思うことはしょっちゅうある。
本当にしょっちゅうある。というか、ほとんどすべてのエグジットが完璧ではないのだ。
だから、あなたのエグジットが完璧でなくても落ち込む必要はない。
それがデイトレードの世界。
みんな同じ。
デイトレードでうまくやるには、「完璧でないエグジット」を受け入れ、それをよしとする寛容さが必要だ。
恐れるべきは精神的ダメージ
- 損切り注文をキャンセルしてしまって大きな損失を出した
- ナンピンを繰り返した末にとてつもなく大きな損失を出してしまった
- 大きな利が乗っていたのに、「もっと稼ぎたい」と欲張って利食いしなかったため、結局フルロスカットになってしまった
そのような「やっちまった」場合に受けるダメージは金銭的なダメージだけでなく、精神的なダメージも大きい。
私の経験上、金銭的なダメージよりもむしろ、精神的なダメージの方がもっと深刻だ。
結局、金銭的なダメージは、他の収入から補充することで回復することができる。
しかし、精神的なダメージはそう単純には回復できない。
心に深い傷を負った場合、その後のトレードに深く影響を及ぼし続ける。
精神的に深刻なダメージを受けたトレーダーはまともにトレードができなくなることがある。
その結果、たくさんのトレーダーが廃人のようになり、相場からの撤退を余儀なくされている。
お金をかけて経験を積み、もう少しのところまでいっているのに、実にもったいないことだ。
自分に性格に合ったエグジット戦略を選択すべき
トレードにおける精神的ダメージがそれほどまでに深刻なのであれば、エグジット戦略を組み立てる上で最も大切なことは、利益を最大化することではなく、自分の性格に合ったエグジット戦略を作ることだ。
「大きな値動きが出る時に利益を取り損なうのを耐えられない」という性格なら、
- ストップロスの幅に余裕を持たせる
- 常にポジションの一部でトレーリングストップを採用する
という特徴を持たせる必要があるだろう。
そういう人は、大きなストップにかかっても、とてつもない利益を得るためのコストとして納得できる。
「大きなロスカットは避けたい。また、一度利益になっていたポジションがロスカットになることに耐えられない」
そんな性格なら、
- 早めにブレークイーブンにストップ注文を動かす
- ポジションの一部を早めに利食いして利益を確定する
- トレイリングストップはよっぽど良い状況でなければ使わない
このような特徴を持ったエグジット戦略を採用することになるだろう。
ちなみに私はこちらのタイプのトレーダーだ。
攻めることよりもディフェンスが大切
デイトレードにおいては、今日を生き残ることが何よりも大切だ。
トレードには5つの結果がありえる
- 大きな勝ち
- 小さな勝ち
- ブレークイーブン
- 小さな負け
- 大きな負け
トレードとは不確実なものだ。
どんなにチャートリーディングが上手くても。
どんなにうまく板や歩み値を読めてもロスカットになるときはなる。
1回1回のトレードの勝ち負けは常に50:50だ。
負けトレードを避けることはできない。
残念ながら、トレーダーは利益の大きさをコントロールすることはできない。
たしかに、利益方向にいくらでも値が動いてくれるようなレアなケースでは好きな時に利食いすればよい。
それでも、相場がどれだけ利益方向に動くかをコントロールすることはできない。
相場が与えてくれる値動きのうち、できるだけ多くをとろうとするだけだ。
利幅を自分の意思で決めることはできないと言える。
一方、損切りの金額は完全に自分がコントロールできる。
エントリーからロスカットしたポイントまでの値幅が損切りの金額だ。
もし、最終的に大きなロスカットになったとしたら、それは自分が意図的に損失を広げたからだ。
小さな損失のうちにロスカットをしなかったからだ。
トレーダーを退場に追い込むのは、常に大きな損切りだ。
大きなロスカットは絶対に発生させないと心に決めたとしたら、何が起きるだろう?
- 小さな利食い、小さな損切り、ブレークイーブンが多くなる
- 時々、大きな利食いがある
- 大きな損切りはめったなことで起きない
そして、そういうトレーダーは、生き残る確率が非常に高くなる。
小さな負けが続こうが、相場から学びながら生き残り続けたトレーダーはいつしか勝てるようになる。
つづく
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