前の記事では、私のエグジット戦略が次のような特徴を持つべきだということをつきとめた。
- タイトなロスカット
- なるべく早くブレークイーブンにロスカット注文を動かす
- ほとんどの場合はターゲットで指値を使った利食いをする
- トレイリングストップはよっぽど良い状況でないと使わない
それを踏まえたうえで、詳細なエグジット戦略を作っていく。
次のようなことを決める。
- 最初にストップを入れる位置
- エントリー直後に意識すること
- 少し利が乗った後に意識すること
- 一括か分割どっち
目次
最初にストップを入れる位置
ストップロスはなるべくタイトでないといけない。
相場のノイズに引っかからないギリギリのところに置く。
スイングハイかスイングローを2ティックほど超えたところが私の場合の最適な場所だ。
ストップを置くポイントは、もしそこに到達したら、エントリーの根拠が崩れるポイントであるべきだ。
もちろん、ストップ狩りが日常茶飯事なのは理解している。
したがって、私のエントリーは小口がストップにかかるまで待つようにしている。
エントリー直後に意識すること
「もし自分のエントリーが正しければ、すぐに利が乗って来なければならない」
というのが私のデイトレードにおける鉄則だ。
もし利益がすぐに乗ってい来ないなら、ストップにかかる前にエグジットすることも多々ある。
最初に入れていたストップにかかる前に同値撤退/1,2ティック負けで損切りするときの根拠は次のうちのいずれかだ。
エントリーとは逆方向に大口注文が出始める
「大口がアイスバーグ注文で売るか、大きなサイズの成り行き注文で売り始めるのを見た」
というのが空売りした根拠だったなら、大口の買いが出始め、根拠となった大口の売りを打ち消すほどの勢いで出始めた時点でエントリーの根拠が崩れたと分かる。
そうなれば、最初に入れていたストップにかかっていなくても、即ロスカットすることになる。
そうすることにより、ロスカットの負け金額は小さく抑えることができている。
それ以外、何の理由であれ、少しでもエントリーの有効性に疑問を感じたらそこでエグジットする。
タイムリミットオーバー
ある程度の時間がたっても利がのってこないならエグジットする。
1分~3分程度を目安としているが、状況によってはもう少し長めに様子を見ることもある。
どんな時に長めに時間を与えるか?の判断には経験と相場観が必要だ。
簡単に言うと、背景の相場状況だ。
活発な時間帯なら、すぐに利が乗ってくるのが前提だ。
一方、一段落ついた11時頃や、後場からの時間帯などは、大口がゆっくりとポジションを作っているように見える時がある。
そういう状況では、なるべく良い値段でエントリーし、少しの間ホールドすることになる。
完璧なタイミングを掴むのは難しい。
少し利が乗った後に意識すること
値動きに勢いが無い場合は積極的にストップをブレークイーブンに近づける。
そうすることで、最終的に利益になるポジションを同値撤退してしまうこともあるが、それでも良い。
再度エントリーする機会があればエントリーする。
もしその機会がなく、自分を置いて行ってしまう場合は見送る。
利益を逃してしまったことは確かだが、根拠のある行動だったなら仕方がない。
ブレークイーブンで逃げることでフルロスカットになるのを防げることもたくさんある。
一回一回の結果がどうであれ、リスクを最小限に抑えるという自分の仕事をうまくやったことになる。
分割エグジットで柔軟に対応する
安定した収入が目的なので、ターゲットで利食いすることが圧倒的に多くなる。
しかし、複数のユニットで分割してエグジットすることで相場状況に柔軟に対応することができる。
私はポジションの一部をどんな時でもターゲットで利食いをする。トレンド相場でも、レンジ相場でも変わりない。
ターゲットとは、プライスアクション的にレジスタンスやサポートになり得る最初のポイントだ。
残りのポジションは状況に応じて、2通りの方法で利食いする。
トレンドが発生している状況
自分のポジションの方向に明確なトレンドが発生し始めたのであれば、トレイリングストップで利益を伸ばす努力をする。
空売りをしているなら、1分足チャートや40ティックチャートなどでスイングハイが形成されるたびに、そこにストップを下げてついていく。
一気に大きな出来高を伴って利益の方向に動いたなら、20ティック足など、さらに短期足に切り替えてタイトなトレイリングストップに切り替える。
レンジ相場の状況
レンジ相場なら、残りのポジションもターゲットで利食いする。
たいていの場合は最初のポジションを利食った次のレベルのサポート/レジスタンスライン付近に指値を入れて利食いする。
小幅なレンジで出来高が少ない日は、分割せずに全てのポジションを最初のレベルで利食いする。
ターゲットに到達しないままに勢いが目に見えて落ちてきたらどうするか?
最初のターゲットに到達しないまま、明らかに勢いが無くなってまったら、
半分のポジションはいつでも利食いする。
残りの半分は若干長めにチャンスを与える。
先程と同じだが、エグジットした瞬間に利益方向に動き始めても、悔しがってはいけない。
リスクを最小限に抑えることがトレーダーとしての私の仕事だからだ。
以上、私のエグジット戦略を詳細に解説した。
再度繰り返すが、このエグジット戦略は私にとって機能している戦略であり、あなたにとっても機能することを保証するものではない。
自分の性格にあったエグジット戦略を選ぶことがいちばん大切だからだ。
また、このエグジット戦略によって、最も大きな利益を期待できるというわけでもない。
実は、私が過去にMultichartsというトレードソフトで徹底的にバックテストをした時の結果からすると、分割してエグジットするよりも、一括でエグジットするほうがトータルの利益は大きくなる。
考えてみれば、それは当たり前のこと。
最適なポイントで全のポジションを利食いするのが一番利益が多くなって当然だからだ。
しかし、それは、私が感情のないロボットだったらの話。
私は生身の人間で、感情があるので、少しずつ利食いをしてリスクを減らしていかないとプレッシャーに耐えられない。
プレッシャーに押しつぶされ、うまく利食いできないのだ。
裁量トレードをするなら、利益の最大化ではなく、精神的な安定を最優先すべきだ。
もっとほかにもたくさんの方法が考えられる。分割してエグジットするだけではなく、分割してエントリーすることも良い方法だ。
また、ポジションを乗せていくのも大きなポテンシャルを持っている方法だろう。
わたしがこの章で解説したエグジット手法をベースとして、あなた専用のオリジナルエグジット手法を見つけてほしい。
ヘッポコトレーダー says
atいつもブログ拝見して勉強させて頂いています。
早速電子書籍も非常に安価で購入させて頂きました(^-^)
もし可能であれば今後のブログでサンチャゴさんのトレード画面のレイアウトを紹介して頂けたらと思いまして(^^;
今後4画面か6画面でトレードするつもりなんですが、為替・日経225・監視銘柄一覧・監視銘柄の板と同一気配値等、どう配置すべきか少し悩んでおります(..)
サンチャゴ says
atヘッポコトレーダー 様
コメントありがとうございます。
そして、電子書籍のご購入ありがとうございます。
トレード時の画面レイアウト、これはけっこう悩みますね。
その辺は、完全に好みの問題になると思います。
私の場合、板、歩み値、同一気配値情報が最も重要なので、中央に設置したメインモニターの一番見やすい位置に表示しています。
最終意思決定に使うツールを目の前の一番見やすい位置に配置することが重要だと思います。
最大の集中力で長時間にらめっこすることになりますからね。
私の場合は朝の時点でトレードする銘柄を1、2銘柄に絞り、それだけを追いかけるタイプなので、実際にはモニター1面でもいけそうです。
実はモニター数を減らすことで情報量を減らし、意思決定をシンプル化する方向で調整中です。
画面レイアウトに関して、今ちょっとした過渡期だったりします。
だから、すごくタイムリーなコメントでした。
私の画面レイアウトはマニアックすぎてあまり参考にならないと思いますが、今後画面レイアウトの記事も書いてみようと思います。
今後ともよろしくお願いします。
ヘッポコトレーダー says
atやはり中央に板等は配置すべきなんですね!
最近はパネルも安いみたいなので使うかわからないですが色々出せるようにしておこうと思いました。
お忙しい中コメントありがとうございます!