何が値動きを止めるのか?
前の記事では「何が価格を動かすのか?」を考えました。
この記事では、それと同じくらい大切なこと、「何が値動きを止めるのか?」を考えてみましょう。
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1円刻みの銘柄で、
100円 → 115円 → 90円 → 121円
といったようにでたらめに約定しないのはなぜでしょうか?
それは、流動性があるからです。
流動性とは、板情報で見ることができる指値注文のことです。
指値注文があるから、価格があっちこっちに飛ぶことがないのです。
流動性があるから値動きが止まる。なんか変な感じですね。
「流れる」なのに値動きを止める作用をするんですから。
パックマンと天井/床
唐突ですが、パックマンを思い浮かべてください。
成り行き注文はパックマンです。
そして、板に乗っている指値注文は、そうですね、自動修復する生きた天井/床です。
パックマンはその天井/床をパクパクと食べて上下に移動します。
価格が上げる場合を例に考えてみます。
パックマンが売り指値という天井をパクパク食べて上に移動しました。
その時点では、すぐ下にはまだ床(買い指値)ができていません。
パックマンのパクパク食べる勢いが落ちてしまったら、すぐに元の位置に落ちてしまいます。
なにしろまだ床(買い指値)がしっかりしていないわけですから。
しばらくすると床がしっかりとしてきます。
そうなると、パックマンがちょっと休憩しても大丈夫です。
パックマンが下に向かって床を食べていく場合も同じことです。
(この場合は重力が逆方向に働くことにしておいてください)
注文分析とは、パックマンが天井と床をパクパクと食べていく様子を、板情報/歩み値/同一気配約定情報を使って分析することです。
価格が上がる時には、買い指値が値動きについてくるのに時間がかかります。
それなのに、売り板の厚いエリアにグイグイ突入していくわけです。
この状況で、成り行き買い/成り行き売り のバランスが拮抗するか、成り行き買いがちょっと休憩したらどうなりそうですか?
たいていの場合価格は少し下がってしまうでしょう。
天井がしっかりしているのに、床がしっかりしていないのですから。
そういう時は出来高を伴わずにスッと下がります。
パックマンの休憩を利用してプルバックエントリー
これを理解すると、プルバックエントリーの判断が上手くなります。
プルバックエントリーとは押し目や戻しでエントリーすることです。
上げる時の注文量に比べ、下げる時の注文量が明らかに少ないなら、それはリバーサルではなく、プルバックだと判断できます。
床がまだしっかりしていないから下げているだけです。
そういう下げは積極的に買うといいです。
私はそういう状況だと、明確なシグナルを待つことなく、ちょっとしたアイスバーグ注文や歩み値の6要素の一つを見ただけでも、わりとあっさり買います。
逆に、大きな出来高を伴って下げてきた場合は、リバーサルかもしれないと警戒する必要があります。
安易なプルバックエントリーは避けた方が良いでしょう。
価格が上げる時に、買い指値が下からついてくる速さは、誰が相場に参加しているかによって違ってきます。
HFTが活発なときは値動きにピタッとついてきてほとんどプルバックが無いこともあります。
そういう時は、私の場合、ただ見ていることが多いです。
苦手な動きを無理して取りにいかないのがサンチャゴ流です。
この記事のまとめ
- パックマン(成り行き注文)が自己修復する天井/床(指値注文)を食べながら進むのを分析するのが注文分析。
- 価格が上げる時、指値が後からついてくるのに時間がかかることがある。
- そのタイムラグが原因で起きるプルバックは積極的に買いに行くのが上手い方法。
- 後からついてくる板の厚み、上げる時の注文量、プルバックでの注文量を観察すると、エントリーすべきかどうかが分かるようになる。
gr8 says
atこんばんは。
いつもながら具体的な解説ありがとうございます。
全然ネタ切れにならないところが凄いですね(笑)
上記のプルバックエントリーですが、例えば買い指値が1000円、売り指値が1003円からどんどん板が食われて1004-1005-1006と上がって行くが買い板は1000円から上がってないような場合に一瞬売りが出て1000円を付けるようなタイミングで買うという事でしょうか?
その場合売り板は下がって来てないということであれば、1001-1002円辺りに買い指値を入れて待ってみるといった感じなのでしょうか。
教えて君で恐縮ですが宜しくお願い申し上げます。
サンチャゴ says
atgr8 さま
おはようございます。
貴重なご質問有難うございます。
「流動性がついてこない」まったく指値が入らないということではありません。
ちょっと記事が分かりにくかったですね(汗)
この例で言えば、1000から上に全く指値が入らないということではなく、
1000から1005にも買い指値は入るのですが、しっかりと入っていないということです。
1006をつけた後にドバっと売りがでて下がったのか?それとも、1000~1005の買い指値がしっかりしていないから下げたのか?
ということです。