世界最強のデイトレーダーについて調べ、彼らがどんな手法でトレードしているのかを知れば、一般投資家として自分がやるべきことのヒントを得られるのではないか?
私はそう思い、誰が最強のトレーダーなのか?そしてそのトレーダーはどんな手法でトレードしているのか?を徹底的に調べました。
そこでPaul Rotterという男の名前が浮かび上がりました。
彼について知ることで、私のデイトレードやスキャルピングに対する考え方は大きく変わりました。
このブログや電子書籍で書いている手法にも大きな影響を与えています。
私が彼について知っていることをすべてシェアしようと思います。
目次
世界最強のトレーダーは誰か?
世界最強、世界最大の個人トレーダーは誰か?
このトピックはいろいろなところで話題になります。
国内だと、BNFさんやcisさんの名前を上げる人が多いのではないでしょうか。
しかし世界に目を向ければ、とてつもないトレーダーがいます。
その中でも、ダントツで最強のトレーダーと言われているのが、ポール・ロッター(Paul Rotter)です。
彼はドイツ国債先物をトレードする先物スキャルパーです。
トム・ボールドウィンや、ジェシー・リバモアをも超えるようなトレーダーと言われています。
彼の情報はあまりないのですし、彼についての本が出版されているわけでもありません。
ですから、この記事は私のリサーチに基づいて書かれています。
ポール・ロッターがどれぐらい稼いでいるのかというと、月に7百万ドルを稼いでいると言われています(2005年)。7百万ドルと言えば、日本円にして、だいたい7億円です!
稼いでいる金額が凄いと言うだけなら、すごいね!で終わってしまいますが、金額だけではありません。
私が注目したのは、彼のスキャルピング手法の特異さです。
おそらく、彼がトレードの世界を変えたのではないかと思います。
彼が日本市場でトレードしているわけではありません。
しかし見過ごすわけにはいきません。なぜなら、多くの機関投資家や大口投資家は彼の手法をまねていると思われるからです。
そいつのあだ名はFlipper~ポールロッターのスキャルピング手法
ポール・ロッターは、その特徴的なトレード手法から、Flipper(フリッパー)というあだ名で呼ばれています。flipとは、目玉焼きなんかを、さっとひっくり返すという意味です。
彼がショートを狙っているなら、巨大な買い板を置いて、他のトレーダーに安心して買わせます。
その買いを吸収するかたちで十分なショートポジションを作ります。
そして一気に買い板をキャンセルして売り崩します。
フリップ! さっとひっくり返す、というか、手のひらを返すのです。
そしてあらかじめ数ティック下に入れていた買指値で利食いして数ティックの利益を上げます。
ちょっと待ってよ!見せ板は日本の証券取引法で禁止されているんじゃないの?
だから俺たちには関係ないじゃん!
そんな声が聞こえてきそうです。
そんな方は、1日でいいので板をじっくりと観察してください。
株でも日経225先物でも、見せ板が日常茶飯事だとわかるでしょう。
ポール・ロッターの伝説
ポール・ロッターは1日に18万枚の国債先物を建てているそうです。(2005年)
また、多い日には彼の取引総額は1日に50兆ユーロにもなったという話もあります。
1ティック10ユーロの先物を18万枚とか、50兆ユーロとか、もう数字がでかすぎてどれぐらい大きいのか分かりません。
彼がEUREX取引所で最大のトレーダーであることは間違いなさそうです。
彼の手法があまりに巧みで、あまりに上手くいき、稼ぎ過ぎたので、EUREX取引所は国債先物のティックサイズを半分にし、彼を締め出そうとしたことがあるそうです。(EUREX取引所はティックサイズの縮小はポール・ロッターが原因ではないと言っていますが…)
※ティックサイズ = 呼び値の刻み
まだ伝説はあります。
1998年に彼の友人がプロップファームを立ち上げるのを助けたそうです。
その時もかれは実力を存分に発揮し、
立ち上げ時点で130万ドルだった資金が3ヶ月後には650万ドルになっていたそうです。
謎の男
ポール・ロッターの存在は、しばらくの間謎に包まれていました。
アイルランドを拠点とし、変わった手法でとてつもないサイズをトレードし、巨額の利益を上げているトレーダーがEUREXにいる、ということぐらいしか誰も知らなかったようです。
彼の存在を憎むトレーダーも多いようです。
なにしろ、彼の出現によって駆逐されたトレーダーが数多くいたのですから。
彼の出現で、それまで機能していた手法が全く機能しなくなるレベルの凄いインパクトだったようです。
彼自身もインタビューのなかで、
「私の出現で多くのトレーダーが競争力を失った」
と語っています。
板読みって大切だなと再確認させられます。
板が読めないと、何が起きているのか分からないまま、それまで優位性のあったポイントのエントリーがロスカットになり続けるんですから。
ポール・ロッターという人物
世界最強のトレーダーと目されるポール・ロッターですが、最初から上手くいったわけではなかったようです。
かれは最初、ドイツ国債をトレードする銀行のデスクに就職しました。
どういう経緯かは詳しく分かりませんが、とりあえず彼は自分のトレードで口座を吹き飛ばしたそうです。
その後、彼は運よく大和証券のトレーダーとして就職することができました。
そこで良い師匠に出会い、トレードをマスターすることができたそうです。
その後会社を去り、個人トレーダーとしてとてつもない成功の道を歩んでいきます。
彼についてさらに詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
私はこれを読むために、英語の家庭教師を雇って一緒に読みました(笑)。
雑誌の記事
インタビューなど
ポール・ロッターの強み
彼はインタビューの中で、自分の一番の強みを次のように表現しています。
調子の良い時にはポジションサイズを上げていき、調子が悪い時にはポジションサイズを小さくしていったり、トレードをしないでおけること
この特徴は、成功するトレーダーに共通する部分だと、私も思います。
ポール・ロッターから個人デイトレーダーへのアドバイス
あるインタビューの中でスキャルパーになりたい人へのアドバイスとして次の一言を残しています。
スキャルパーとして成功したいなら、板情報をひたすら観察することだ
彼のアドバイスは聞いた方がいいですよ。
ポール・ロッターの出現により駆逐されたトレーダー達は、板読みのスキルが足りなかったり、そもそも板に十分注意していなかったために相場から駆逐されてしまいました。
私の知る限り、株や先物の「長期的に成功しているデイトレーダー」のなかで、板読みや歩み値の読解ができないトレーダーなどいません。
私自身も、板読みを覚えたことが転機となり、専業デイトレーダーとしての今があります。
この記事を読んでくれたあなたが、ポール・ロッターのアドバイスを尊重し、正しい方向で努力されることを願っています。
板読みに興味のある方は、ぜひ以下の記事も読んでみてください。
証券ディーラーの隠し技 板から未来が見えてくる 山本伸一の板読みトレードテクニック
<<サンチャゴによるレビュー>>
ボギー says
at板読みに興味を持った者です。
あるサイトで「アローヘッドになって板読みは使えなくなった」との記述がありました。
サンチャゴ様は、どのようにお考えですか?
サンチャゴ says
atボギー様
コメントありがとうございます。
そんなことを言っている人がいるのですか。
ではその方に聞いてみてください。
「ではなにが機能するようになったのですか?」
と。
もし納得できる答えが見つかるなら、それをやってみるのもいいでしょう。
板読みが機能しなくなったのではなく、
その方が相場の変化に対応できなかった
その方の板読み手法が機能しなくなった
ということだと思います。
私は今でも板読みスキャルピング/デイトレードがいちばん得意なので
ほとんどそればかりやっています。
何をやるにしても、変化に対応していかなければなりません。
それは板読みでもテクニカルでもファンダでも同じではないでしょうか。
ボギー says
atサンチャゴ様。
返信ありがとうございます。
サラリーマンなので時間が制限があるのですが、
サンチャゴ様を信じて板読みを練習しようと思います。
よろしくお願いします。
サンチャゴ says
at純粋な板読みデイトレードは向き不向きがあるとおもいますが、
挑戦してみる価値があると思います。
頑張ってください。