歩み値を読んでトレードするとき、
大きなサイズの歩み値が出ている方向にトレードするのがよいということを歩み値のサイズの記事で説明した。
大口トレーダーは我々一般トレーダーが知らない情報をいち早くつかんでいて
短期的な方向性をある程度わかっていたり、自分の資金で短期的に相場をコントロールすることができる場合があるからだ。
もし大口の歩み値を見てエントリーした後、
すぐに全く同じサイズの歩み値が逆方向に出たらどうだろう?
相場を短期的に動かそうとした大口トレーダーがあきらめた、もしくは、降りた
と考えるのが妥当ではないだろうか。
彼らとて、いつも正しいわけではないはずだ。
予期せぬ新たな情報が入ったり、
もっと大きなトレーダーが立ちはだかったり、
期待していたストップオーダーが発動しなかったり、
もともと相場を動かす意図がなかったりと
理由はいろいろあるだろうが、本当のところは決して分からない。
我々一般トレーダーとしてできることは、
大口トレーダーのエントリーを根拠に自分もエントリーし、
その大口トレーダーが降りたら自分も降りる
それしかないと私は思っている。
例を挙げてみよう
上値のブレークアウトを狙っていると仮定する。
歩み値に3万株、2万株、2万株の買いが出てブレークアウトする。
それに合わせて自分も買いエントリー。
2ティック上げた後、フォローが付かずに一瞬の沈黙。
次の瞬間、
3万株、2万株、2万株と同じぐらいのサイズの売りが歩み値に出る。
そういう場合は、
エントリーの根拠となった3万株、2万株、2万株の成り行き買い注文を出した
大口トレーダーがあきらめた/降りたと受け止め、
自分もそこでエグジットした方が無難だ。
それ以外の根拠があるならホールドしても良いが、
私なら少なくともポジションの半分はエグジットする。
トレードにおいて最も大切な考え方の一つは
エントリーの根拠が崩れたならすぐにエグジットするということだ。
そこになんの言い訳も、質問もいらない。
「なにこの売りは?そんなのありえない。」
「いや、でも、もっと利益を伸ばしたいし…」
その一瞬の迷い、躊躇が命取りとなる。
根拠が崩れたら、いやおうなしにエグジットだ。
もちろん、降りた瞬間に伸び始めて、
「あー、エグジットしなきゃよかった」
となることもある。
しかし、それ以上に
「おー、エグジットしといてよかった」
ということもある。
ブレークアウトしたラインを割り込むところにストップオーダーを置いて、
そこまでは粘るという考え方もあるだろうが、そこまで粘ったら常に安全というわけでは決してない。
そのストップオーダーを目当てに大口が振るい落としをしてくることも多々ある。
つまり、ブレークアウトさせた後すぐには伸ばさず、
ブレークアウトトレーダーがストップを置いているところまで一旦引き下げて、一般トレーダーをふるい落とす。
そしてそこから再度ブレークアウトさせて今度は伸びる、というような動きだ。
普通の人がストップオーダーを入れるところに自分も一緒にストップオーダーを置いて安心するのはおめでたい戦略だ。
歩み値を根拠にエントリーしたなら、少なくともポジションの半分は歩み値を根拠にエグジットした方が良いというのが、長年の経験から私が学んだことだ。
また大口が買い始めたら、エントリーのタイミングを見計らって再度エントリーすればよいだけなのだから。
「歩み値」に関する記事のもくじ
- 歩み値の基本のきほん 歩み値の売り/買いどっち?
- 歩み値の読み方 【1】
- 歩み値の読み方 【2】
- 歩み値の読み方 【3】
- 歩み値の読み方 【4】
- 歩み値の読み方 【5】
- 歩み値の読み方 【6】
- 歩み値の読み方 【7】
- 歩み値の読み方 【8】
- 歩み値の読み方 【9】
- 歩み値を読むための 6つの要素 【1】 歩み値のスピード
- 歩み値を読むための 6つの要素 【2】 歩み値のサイズ
- 歩み値を読むための 6つの要素 【3】 歩み値の支配権
- 歩み値を読むための 6つの要素 【4】 歩み値の結果
- 歩み値を読むための 6つの要素 【5】 歩み値のやる気
- 歩み値を読むための 6つの要素 【6】 歩み値の あきらめ
- 歩み値の6要素 まとめ
- ラインでリバーサル(反転)するか?歩み値を使って判断する方法
- ラインをブレークアウトするか?歩み値を使って判断する方法
- 株デイトレーダーの筋トレ|歩み値読解力をつける3つの練習法
- アイスバーグ逆張りデイトレ手法 めちゃめちゃ役立つ4つの注意点
- エントリーの精度が上がる!ストップ注文(損切り注文)の見分け方
- 大口はマインスイーパー?ストップ狩りについて考えてみた
- 株・日経225先物デイトレーダー必見! 逆張りエントリーマニュアル
- 変化に気づいてデイトレで勝つ!歩み値を使って相場の変化に気づく1つの方法
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