目次
価格分析と注文分析
板読み、歩み値の読解、同一気配約定情報の分析をまとめて何と呼べばよいのかな と考えていました。
記事を書くとき、「板読みや歩み値や同一気配約定情報」と言うのは冗長ですよね。
板読み、歩み値、同一気配約定情報はすべて注文の出方を分析するためのツールなので、
「注文分析」というのがしっくりきます。
ローソク足の分析やテクニカル分析は「価格がどこにあったのか?」を分析します。
ですから「価格分析」と言っても良いですよね。
注文分析には「意図」と「実際」がある
この注文分析、2つに分類できます。
注文の意図
1つは板情報です。
板情報は「まだ実現していない意図」、指値注文を表示します。
「ここでこれだけ買う気がありますよ。」
「ここでこれだけ売る気がありますよ。」
ということですね。
指値注文のことを流動性と言ったりもします。
指値注文(流動性)は板情報だけで見れる情報です。
実現した注文
2つめは歩み値と同一気配約定情報です。
歩み値、同一気配約定情報は、「すでに実現した意図」「実際に約定した注文」を表示します。
実際に約定した注文はデイトレードをする上でもっとも重要な情報です。
伝説の投機王リバモア
リチャード・D・ワイコフ
などの伝説的トレーダーはテープ(歩み値)だけを使ってトレードし、大成功しました。
歩み値、同一気配約定情報だけでなく、ローソク足などのチャートや出来高ヒストグラム、価格帯別出来高、その他のテクニカルはすべて、全てこの実現した注文を表示しています。
歩み値は実現した注文を表示するうえで、一番上流にあるものであり、テクニカルは一番下流にあるものです。
なぜ注文分析が役にたつのか
新しい言葉を作ったついでに、なぜこの注文分析が役に立つのか? おさらいしておきましょう。
エントリーの妥当性を確認する/エントリーの精度を上げる
ほとんどの場合、トレードをするときはラインを意識します。
トレンドに対して逆張りするにしても、順張りだとしても、何らかのラインを意識するはずです。
そのラインでピッタリ反転する?
そこまで到達せずに反転する?
ラインを少し超えたところで反転する?
ラインを越えてそのまま行ってしまう?
エントリーが早すぎるかもしれない、でもぐずぐずしていたら置いていかれるかもしれない。
そもそも反転しないかもしれない。
トレーダーにとってのジレンマです。
注文分析をすることで意思決定はかなり楽になります。
注文分析で確認を取ってからエントリーしてもいいし、とりあえず優位性のあるポイントでエントリーしてから注文分析をしてポジションを管理するのもありです。
注文分析の具体的な方法は下記の記事を参考にしてください。
歩み値の6要素
リバーサル(反転)するか?歩み値を使って判断する方法
ラインをブレークアウトするか?歩み値を使って判断する方法
逆張りエントリーマニュアル
同一気配約定情報の使い方
バイアスを持つのに役立つ
大口注文を読むことでバイアスを持つことができます。
今はロングを狙うべき?それともショートを狙うべき?といったことです。
リバーサルの後の最初のプルバックエントリーの精度が上がる
リバーサルを狙っていたのにエントリーを逃してしまったとします。
その場合は最初のプルバックでのエントリーを狙うことになります。
その最初のプルバックがどこで止まるのか。その判断は難しいですよね。
例えばロングからショートに反転したあと最初のプルバックが上げていく途中、注文分析をしている人にしか見えないポイントが出現することがあります。
短期的に値が走りそうな瞬間にエントリーできる
チャートなどの価格分析だけでは、位置は分かりますが、タイミングはとりにくいですよね。
注文分析はタイミングをとるのに役立ちます。
注文分析と価格分析を組み合わせる
注文分析の良さをいろいろと再確認してみました。
注文分析びいきな私ですが、価格分析がいらないと言いたいわけではないですよ。
注文分析と価格分析、どちらも重要です。
あなたが今までやってきた価格分析に注文分析を組み合わせてデイトレードの精度を上げようということです。
「注文分析」、あなたにとって「デイトレードというパズルの最後のピース」になるかもしれません。
なりそう!という方は、今日もポチッとお願いします。
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ハイゲンシュタット says
at株歴1年の初心者です。ある本がきっかけで株に興味がわき退職時の持ち株で初めて投資を始め授業料を50%払い今日に至っております。「サンチャゴさん」のブログを先月見て、わかりづらい板読みについて勉強できるとコピーしながら毎日読み返しております。3/4からは「Sはっちゅう君」で「板情報、同一気配約定情報」を中心に画面を見ていますが、銘柄は売買金額が多くて流れの速い「ソフトバンク」です。今のところ画面の流れについていくのがやっとであり、前場の速い流れではエントリーでききるのか等相当のトレーニングが要されます。今、300時間に向けて何かを掴みたいとチャートを見ないで画面を見ていますが、下記についてご教示いただきたく宜しくお願いいたします。
1、画面の銘柄はソフトバンクだけを見ていますがいかがなものでしょうか
2、小生みたいな初心者はチャート併用でなくても、板情報等である程度の 値幅の取れるトレードは可能でなものしょうか(資金量の関係)
「サンチャゴさん」のブログを読むのが楽しく、そこから新しい物を会得できることに大変感謝しており、これからもブログを続けられことを勝手ながら願っております。健康にご慈愛下さいますように。
サンチャゴ says
atハイゲンシュタット 様
はじめまして。サンチャゴです。
ブログを読んでいただきありがとうございます。
チャートを見ないで注文分析に専念されているとのこと、感心しています。
以降、ハイゲンシュタット様がデイトレーダーを目指しているという前提で回答しますね。
>1、画面の銘柄はソフトバンクだけを見ていますがいかがなものでしょうか
素晴らしいと思いますよ。私が新米デイトレーダーを雇って教育する立場なら、そうさせると思います。
ただ、他の銘柄の方が向いているかもしれないので、例えば、1円刻みの銘柄、パナソニックやソニーなんかも一度見てみてはどうでしょうか。
そこそこ板が厚くて、値動きも軽いので、ソフトバンクとはまた違った雰囲気ですよ。
とはいえ、一旦これがイイと決めたら、しばらくは1銘柄だけを見るのをお勧めします。注文分析ができるようになるまでは。
>2、小生みたいな初心者はチャート併用でなくても、板情報等である程度の 値幅の取れるトレードは可能でなものしょうか(資金量の関係)
最初は値幅を取ろうとしないほうが良いです。
私が今初心者だったら、最初は最小ロットでスキャルピングだけをすると思います。(賛否両論ありますが)
また、今持っている資金量だけにとらわれないことです。
最初はスキルや相場観を身に付けることだけが重要です。
本当のスキルが身につけば、運用されたがる資金が他に現れるでしょう。
少ない資金を一年でなんとか10倍にするとかいう計画は立てないことです。
今はどれだけ稼げるかは一切無視して、最小ロットでスキルを身に付けることだけを考えてください。
Cheers!
マイハート says
atサンチャゴさま♪
><(((( ゚<.。o○コ.。o○ン.。o○バ.。o○ン.。o○ワ.。o○
ご紹介されていた・・・・・
リチャード・D・ワイコフの「板情報トレード」は
昨年の投資戦略フェアの会場で買ったのを思い出し
再度、読み返してみたいと思います♪(;^_^A アセアセ・・・
正直申し上げると・・・・・
サンチャゴさまのブログの方が
大変 分かり易いなりぃ~♪(*^.^*)エヘッ
サンチャゴ says
atマイハート様
いつも励ましていただいて、ありがとうございます。
「板情報トレード」、昔の本だからちょっと難解ですが、たくさんのヒントをもらいました。
偉大なワイコフさんの後を継いで、「板情報トレード2014版」を書きたいなんて思っています。
生意気を言ってはワイコフさんに怒られそうですけどね(笑)
ハイゲンシュタット says
atおはようございます。早速のご返事いただきありがとうございます。
戴いたアドバイスを心の糧として邁進してまいります。
わからない時はまた質問よろしいものでしょうか。
以上、
サンチャゴ says
atハイゲンシュタット様、
今日もお疲れ様でした。
はい、私に分かる範囲なら、お答えしますよ。