目次
対象となる読者
これからしばらくは出来高分析に関して書いていきます。
以前の記事で出来高のダイバージェンスについて書きました。
あれは出来高分析のごく一部です。
この連載ではもっと徹底的に出来高に関して突っ込んで解説していきたいと思います。
この連載を読んでほしい人は…
- なかなか勝てないで苦しんでいるデイトレーダー
- 板読みや歩み値の読み方はなんとなく分かったけど、相場の方向性がまちがっていることが多いので満足に勝てないデイトレーダー
- スキャルピングやデイトレードをやっているが、もう少し長い時間軸のトレードにも挑戦したいトレーダー
- スイングトレーダーの方
- FXを主戦場とするトレーダー(出来高分析はFXのディックボリュームでも同じように機能する!)
サンチャゴ流出来高分析のエッセンス
まずはサンチャゴ流出来高分析のエッセンスを冒頭からブチかましておきましょう。
- 全ての金融市場は何らかの方法で大口に操縦されている
- 大口がコントロールするのは値動きではない、一般投資家の群集心理だ
- 相場が動くエンジンは出来高である
- 値動きが本物なのか、それとも罠なのか、それを知るには出来高を読むしか方法はない
- 出来高を隠すことはできない
- 出来高は誰にでも見えるように、常にそこにある
- 相場は需給のバランスで動いている
- 出来高とローソク足の値幅を分析することで需給のバランスの崩れに気づくことができる
- 相場が上がるためには、そこから少し上がったところで売ってくるであろう勢力がすべての買いポジションを投げていなければならない
- 逆に、相場が下がるためには、大口が利食いを完了していなければならない
今の段階では何のことを言っているのかピンと来ないかもしれません。
安心してください、このブログや私の電子書籍を読み終える頃にはすべてを理解し、あなたのトレードに活かせるようになっていることでしょう。
私はこれまで歩み値の読解や板読みに関して、かなり詳しく解説してきました。
出来高分析と歩み値の読解、実はコンセプトはそんなに変わりません。
同じような考え方で分析します。
歩み値を想像してください。
そこにあるのは、価格と出来高です。
この二つを頭の中で組み立てながら、その時々で自分が優位に立てそうなエントリーをします。
チャートを使った出来高分析でも価格と出来高を組み合わせて分析します。
歩み値ではきめ細やかな分析ができます。
それに対し、チャートを使った出来高分析では大ざっぱな分析になります。
その一方、チャートを使った出来高分析には出来高をより長い時間軸で分析できるという利点、事後的に出来高を分析できるという利点があります。
また、異なる時間軸でマルチタイムフレーム分析をして全体像を把握しながらトレードすることもできます。
大口の動向を読み取ってそれについていくための方法は、チャート分析に歩み値の読解/板読み/出来高分析を組み合わせるのがベストだと思います。
私が長年にわたって相場を生き抜くことができているのは、幸運にも出来高の分析に魅了されたからだと思っています。
出来高分析の何がそんなに特別なのか?
まず、100年以上も前から変わらない手法だということです。
ジェシー・リバモアやリチャード・ワイコフは出来高分析で成功していました。
今のようなローソク足があったわけではありませんが、彼らがやっていたことの本質は同じことです。
紙と鉛筆とティッカーテープ(今でいう歩み値)を使って出来高と価格の値動きを分析していたのです。
今のトレーダーはどうでしょうか?
ほとんどの人は出来高分析をやっていないか、やっているとしてもそのやり方が分からないまま、なんとなくおまけ程度に出来高ヒストグラムを表示しているだけではないでしょうか。
どちらかというと、一般的には複雑なテクニカルやシステムトレードを重視する風潮があるように思います。
私からすると、出来高分析という有効な手法があるのに使わないのだろう?と疑問に思います。
このブログがあなたの注意を出来高分析に呼び戻すことができればいいのですが…
私があなたに望むのは、心を開いて、スポンジのように私の言うことを吸収してほしいということです。
出来高分析というと何か難しそうに聞こえます。
しかし何も難しいことではありません。
歩み値の読解や板読みに比べるとかなり難易度は下がります。
ですからあなたが心を開いて素直な気持ちでこのブログを何度か読んでくれさえすれば、必ず理解できるはずです。
先程も言いましたが、ここで解説する出来高分析のコンセプトは、私の歩み値読解手法とよく似ている部分も多いです。
出来高分析においては、ロウソク足と出来高ヒストグラムを観察し、ある時間軸で結果として捉えるということです。
5分足なら、数本のローソク足とそれに伴う出来高ヒストグラムを読んで大口のやっていることを理解しようとします。
株や先物をトレードするなら、出来高分析をして方向性のバイアスを持つとトレードの成績アップが期待できます。
まずは出来高分析をして正しいバイアスを持ちます。
その状態でデイトレードなら歩み値や板読みで最終確認してエントリーします。
スキャルピングでも同じことです。
歩み値や板情報の分析が基本的にはできないFXをトレードするなら、ティックボリュームを使った出来高分析だけでエントリーします。
出来高分析は、それだけで独立した有効なトレード手法にもなりますし、相場の方向性を読むための補助的な手法としても使えるということです。
トレードにおいて知りたいことは1つ
トレードをするとき、ある程度の確信を持って知りたいのはたった一つのことではないでしょうか。
「次にどっちに動くのか?」
出来高分析は、その質問に答えてくれます。
私のやっている出来高分析は、出来高だけをみてどうのこうのというわけではなく、出来高とローソク足を組み合わせて分析します。
さらに、一本~数本のローソク足と出来高ヒストグラムだけを単独で分析して結論を出すのではなく、常に背景状況を考慮に入れて判断します。
新しい手法でもなければ、サンチャゴが発明したわけでもない
「私のやっている」と言いましたが、この手法はなにも新しいものではありませんし、私が考え出したものでもありません。
この手法はリチャード・D・ワイコフが考え出したとされている分析手法です。
正確な出所は分かりませんが、かなり昔からある手法であることは間違いなさそうです。
わたしはこの昔からある手法を自分なりの解釈でアレンジしてトレードに役立てています。
出来高分析は非常に簡単ですが、マスターするには多少時間がかかるかもしれません。このブログがみなさんの役に立ったら嬉しく思います。
並行して読んでほしい本
出来高分析の重要性を分かってもらうには、私のような無名の個人トレーダーがどうのこうのと言っても説得力に欠けるかもしれません。
それよりも、伝説のトレーダー、ジェシー・リバモアのことを書いている本やリチャード・D・ワイコフの本を読んでもらう方が手っ取り早いでしょう。
また、その方が相場への理解が深まります。
私の本を読みながら、次の2冊の本も並行して読んでいただくことをお勧めします。
ジェシー・リバモア
1冊目はジェシー・リバモアのことを書いてある(とされる)本です。
この本でジェシー・リバモアがどんなトレードをしていたのかがざっくりと分かります。
いかに彼が出来高を読んでいたのかが。
この本には具体的に手法が書いてあるわけではなく、手法の解説が断片的なので、この本を読むだけですぐに自分のトレードに取り入れることは難しいでしょう。
しかし私のブログと併せて読んでもらえるとかなり効果的だと思います。
最初にこの本を一度読んだ後、私のブログを読んで具体的な出来高分析の手法を理解し、もう一度この本を読み返すと相場への理解が深まることでしょう。
この本はトレーダーになりたい人には必ず読んでもらいたい本です。
リチャード・D・ワイコフ
2冊目はリチャード・D・ワイコフのティッカーテープ読解に関する本です。
(ティッカーテープとは今でいう歩み値のようなもの)
文庫 板情報トレード――テープリーディングのプロが教える株式売買法 (PanRolling Library)
この本にはワイコフが当時どのように出来高を読んでいたかが書かれています。
当時のティッカーテープは今の歩み値とは少し違うのと、登場する銘柄になじみがないので若干難しく感じるかもしれません。
しかし細かい部分は流し読みで構いません。大筋を理解するだけで十分役立ちます。
ワイコフが言わんとしていることの詳細や、行間を読むべき部分は私のブログにこれでもかと言うほど詳しく書いていきます。
この2冊の本、そして私のブログを読み、出来高分析トレーダーとして最高の一歩を踏み出してください。
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pi says
at新シリーズ期待していました!
私は先日「8月より専業となる」とコメントした者です。
あれからも毎日サンチャゴ様のブログや電子書籍を参考に、実際の板や歩み値、同一気配約定を録画したビデオを観ながら勉強させていただいてます。
以前より、相場で起こっていることが分かるようになりました。
このシリーズでさらに勉強させていただきます。
サンチャゴ says
atpi様
コメントありがとうございます。
8月、いよいよですね。
慎重に一歩ずつ前進していってください。
pi様のような方を想定して書いているブログですので役にたてればと思います。
pi says
at返信ありがとうございます。
本日更新された記事も拝読しました。
板読みや同一気配約定情報など、これまでもそうだったのですが、ひたすら一般の書籍などで勉強してきた私にはなかった観点での内容に期待が膨らみます。
今後の更新楽しみにしております。
サクさん says
atサンチャゴ様
出来高分析の深く切り込んだ記事、非常に楽しみです。いまFXデモトレ中ですが、そちらにも活かせる様でワクワクしてます。ラインの勉強と併せて拝見させていただきます。
本も早速Amazonから買わせていただきます♩
サンチャゴ says
atサク様
ラインの引き方と出来高分析、そしてローソク足の読み方が分かればFXでもかなり優位に立てます。
ブログでは思いつくことをどんどん書いていきます。
それをまとめ、さらにもう一歩踏み込んだものを電子書籍として出そうかなと考えています。
楽しみにしていてください。
サクさん says
atサンチャゴ様
実際に専業されてるサンチャゴさんのお考えをブログや電子書籍で拝見できると思うとまた興奮してきました。
日中はスキャルピングに夜はFXに執筆ブログとお忙しいかと存じますが、非常に楽しみにしております。
この間、サンチャゴさんの書籍のレビューを見てみると、業者ぐるみ?で高評価してるみたいなコメントをみつけました。これだけほぼ無償で情報を提供していても、批判の言葉はあるんだとビックリしましたが、逆にそれがサンチャゴさんの正の影響力が増した証なのかなぁと勝手ながら思いました。
余談話失礼しましたm(__)m
次回楽しみにしております。
サンチャゴ says
atサク様
コメントありがとうございます。
楽しみにしてくださり、とても嬉しく思います。
ここ半年、トレードとブログや電子書籍の執筆でモニターの前にいる時間が半端じゃないです(汗)
もう若くないので、少しペース配分を考えないといけないなと思っています。
ただ、トレードも書くことも両方楽しいので、なんとか時間をやりくりしてうまくやっていきたいと思っています。
はい、”業者の自作自演”なんていうコメントが付いていましたね。
その方がなぜそのように思われたのか理解に苦しむところですが、あまり気にしても仕方ないのでスルーしてます。
本物の手法を利益度外視で公開しているつもりなんですけどね…
情報発信をする者は批判も受ける覚悟が必要ということでしょうね。
サク様のように、私のブログや電子書籍に価値を見出してくださる方もいらっしゃるので、それだけが励みになっています。
本当にありがとうございます!
サクさん says
atサンチャゴ様
モニター漬けでらっしゃいましたか。私は塩漬けに気をつけますので、サンチャゴさんもどうか目と腰は大事になさってくださいね。
業者自作自演コメントした方は、もしかしたらレビューの興奮したコメントに、内容も読まずにか中途半端にな読解で、そのような結論を出したのかと推測しました。本当のところはわからないですが、私もレビューするときに客観的なコメントするように努めたいと思います。
早速記事が更新されてまして、じっくり拝見させていただきます♩
サンチャゴ says
atありがとうございます。
そうですね、モニター漬けや塩漬け、このビジネスでは漬けるものはよくないようですね(笑)
食べるものだと美味しいのですけどね。
健康には気を付けて、末永く相場を楽しみたいと思います。
441R says
at投資歴10年ですが株歴は数か月
FXよりも株の方が読み取りやすいです
テクニカルをしこたま勉強して行き着いたのは
シンプルな物を確認するだけとなりなりました
それと資金管理 (私のヘタレなメンタルは本格的な最弱で
あるため強化できないメンタルを仕上げるよりも、ヘタレな自分を認識してヘタレなメンタルを補強できる資金管理を重点的に強化しようと思っています)
最終判断をローソク足で行っていたのですが
もう一歩踏み込めないかなと思っていましたところにサンチャゴさん
のブログに行き着き先日ヤフオクでキンドルを購入してサンチャゴさんの1巻を読ませていただきました
正直散々テクニカル系のトレード系の本は読んできましたが
歩み値 気配。。。。なんじゃこりゃ??
言葉は聞いたことあるけど株をやったことがない私には
縁がなく>>>初心から頑張ろうと決意しました
相場を強弱が読み取れるように頑張ります 今日明日に2巻を購入します
サンチャゴ says
at441R 様
はじめまして、コメントありがとうございます。
私も10年ほど前に441R様と同じようにテクニカル偏重型から出来高分析や板読み型に転向しました。
出来高分析と板読みでトレードするのがいちばんの近道だと思います。
441R様は正しい方向に進まれていると思います。慎重に、焦らず、一から出直すつもりで頑張ってください。
昨日から出来高分析の記事を書き始めています。そちらも441R様の役に立つと思います。
ぜひご参考にしてください。
441R says
atサンチャゴさん
こんにちは。 お返事ありがとうございました
2巻目昨日購入させていただき
時間がたつのを忘れて読みふけっていました!
ゾーン、規律とトレーダー、心理学系の本より解りやすくて
現実味があり私は同意できました サラッとしていてよいです
しかし痛い経験をした人でないとなかなかこの手の話や
資金管理は理解しがたいというか面白くなくて読み飛ばされてしまう部分でもありますよね、読み物としたらテクニカル必勝法!見たいなもののほうが受けるでしょうからね?
2巻の書籍で私が感じ始めたメンタル部分と資金管理を
まとめ上げてくれたような感じです!
数千万円汗水たらして贅沢せずため込んだお金を
私はサブプライムショックで2500万円吹き飛ばしました
と言うか損切りしていない通貨もあるんですが
それ以降、サンチャゴさんと同じ?と言うか心理的にサブプライムショックの損失が未だに後遺症で大きな枚数をかけきれない状態にいますが、自分のヘタレなメンタルを考慮すれば大きな利益を追及して大きな損失は願い下げなタイプなので
コツコツうまく損切りして月単位で計算すると勝ててるやん!と言える地味なトレーダーでよいので頑張りたいと思います
私のヘタレでご愁傷様な修繕出来ないメンタルとメンタルと正反対な強固な不必要な欲望を考慮すれば、王莽家はできないタイプだと認識できているので
精神のバランスが安定した状態を維持でき月単位で20万円~30万円を稼ぎ出すにはどの様にトレードと言う営みをマネージメントすればよいか研究中です
今までFXやファンドなどの投資が多いかったので
嫌だなと思っていた
出来高、歩み値、板などを改めて勉強しないといけないと思うと
気が遠くなりますがサンチャゴさんとの似た?性格や
2巻を読んで自分に問いかけてみるとやはり1発で大きな損失はご勘弁なので当分の間サンチャゴさんの書籍で勉強いたします 焦ることはないと最近自分をコントロールできるようになりましたので、やるだけやってだめなら止めるだけですから!
よろしくお願いいたします
サンチャゴ says
at441R様
2巻を熱心に読んでいただいたとのこと、ありがとうございます。
自分に合ったメンタル調整法の習得は大切だと思います。
参考にしていただけると嬉しく思います。
>出来高、歩み値、板などを改めて勉強しないといけないと思うと気が遠くなります
その気持ち、痛いほどよくわかります。
勝つための方法論はいろいろありますので、しっくりくるものに腰を据えて取り組むのが、最終的には早道です。
金額的は目標を一切捨てて、技術を身に付けることに集中することが大切だと思います。頑張ってください。
ライ says
atサンチャゴ先生。こんばんは(^o^)
いつもブログや電子書籍でお世話になっております。
今年に入ってから出来高の重要性を考えるようになり
自分なりにティモシー・オード(著)、リチャード・W・アームズJr(著)、などの
本を読み漁ってました。
なるほどぉ~と思うところも沢山あるのですが、
やっぱり外国人が書いた本は、読みにくいし理解しにくい。
特に言い回しがややこしい・・・。
サンチャゴ先生の著書は、ブログでも電子書籍でも
大変分かり易く理解しやすいので今回教えて頂ける出来高分析も
すごく期待してますので宜しくお願い致します!
また、先生の電子書籍を3回ほど読み、少しづつですが歩み値や板情報、
そして価格帯別出来高を使った投資方法が理解出来る様になってきました。
更に今後も先生のブログや電子書籍にて勉強させて頂きますので
今後とも宜しくお願い致します。
サンチャゴ says
atライ様
こんにちは。
コメントありがとうございます。
出来高分析にもいろいろあります。
ティモシー・オード(著)、リチャード・W・アームズJr(著)の本とは若干違う方法だと思います。
共通点は多々あるとは思いますが。
熱心に私の電子書籍をお読みいただいているとのこと、ありがとうございます。
今連載中の出来高分析の記事もきっとお役にたてると思います。
今後ともよろしくお願いします。
河合遼太 says
atサンチャゴさん
「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」、早速購入しようと思います。
リバモアについての書籍ですが、「世紀の相場師ジェシー・リバモア」という書籍もあるみたいなのですが、サンチャゴさんは「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」の方がお薦めという感じでしょうか?
※歩み値、板読みの観察をし始めて1ヶ月くらいですが、まだまだ難しいですね。電子書籍も繰り返し読んで内容をプチ暗記、理解してきた感はありますが、それでも難易度は高くちょっと気が遠くなりそうですが、これらを発見・理解・実践しているサンチャゴさん含め勝っている個人トレーダーの方達はやはり凄いですね。粘り強く頑張ります。
いつも有意義な情報ありがとうございます。
サンチャゴ says
at河合様
コメントありがとうございます。
リバモア本に関しては、「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」をおすすめします。
この本はトレーダーなら絶対に読むべき本ですので、まずはこの一冊を読んでください。
「世紀の相場師ジェシー・リバモア」という書籍はリバモアの私生活やスキャンダルについて書かれた本です。
リバモアの生き方に興味が湧いた方にはどうぞという感じです。