ブレークアウトでもプルバックエントリーでも、株や先物のデイトレードやスキャルピングにおいて重要なことは、大きな成り行き注文を把握すること、そしてその大きな成り行き注文が出た結果として何が起きているか?を観察することです。大きな成り行き買い注文が出ても、その結果が伴わないなら、逆に弱いということにもなりかねません。
もう一つは、値動きの波にをける出来高の勢いを比較し続けることです。強さにの方向に、且つ弱さとは逆の方向にエントリーするのが、最弱抵抗線に沿ったエントリーということになります。
その2つができて、しかもメンタル面が崩壊しない人は株や先物のスキャルピングで安定した利益を上げ続けることができるでしょう。
この記事では読者様からの質問にサンチャゴがお答えする中で、歩み値読解の極意をお教えします。
読者様からの質問
いろいろな手法を試しているものの中々期待値がプラスにならず
苦しい日々が続いています。。
ここ最近は『ラインブレイクアウトのフライイングエントリー』
の練習をしているのですが、本日のセットアップについて、
アドバイスをいただきたいです。
・本日7270富士重工で、4000円のラインブレイクアウトを狙っていました
・午前中に2回、午後に1回ブレイクアウトの兆候がありエントリーしたのですが、
結果的に3回ともロスカットに終わりました。
・最終的に4000円のラインをブレイクアウトしたのですが、3度の失敗で
躊躇してしまい、ブレイクアウトに乗ることができませんでした。
⇒添付のエクセルファイルにチャートとエントリーしたポイント、質問を
記載していますので、お手すきの時にご回答をお願いします。
3回のエントリーについて、いずれも
・トレンドが上向きであること
・抵抗線に向かう上昇が出来高を伴った上昇であること
・歩み値(別シートにあります)を見て大きな売り約定がなかったことを確認したうえで4000円にあった3万枚程度の板を落としに行く想定で
エントリーしました。(ブレイクアウト狙いのエントリー)利益確定は4000円の5ティック上で指値(ストップロス発動で
値が飛ぶと想定)
ロスカットは5ティック(逆指値)⇒結果は3回とも小さな押しでロスカットに引っかかりました。
<質問したいこと>
・今回のセットアップでの反省点、アドバイスがあれば教えて
いただきたいです。・サンチャゴ様はこの銘柄ではどのような戦略を狙いますでしょうか?
・3回目の後のブレイクでは、先物の動きに連動するような形で
ブレイクし、ブレイク前後の動きも目で追える程静かでした。
このような場合、同じ時間軸でブレイクを仕掛けていた大口
は居なかったと考えるのが自然でしょうか?
※アイスバーグ注文のような玉を集める動きもなかった
ような気がします。。。#個人的に今回の反省点はストップが狭すぎたのと、
2回目のブレイク失敗でドテン売りを狙えなかった
点と思っています。
サンチャゴからの回答~歩み値の極意
1回目、2回目は高値を1~3ティックぐらい抜けたところで失敗しているので
板読みでブレークアウトエントリーするなら、すぐに逃げる必要がある場所です。
小さなロスカットで逃げたということなのでそれでよいと思います。
私なら1回目、2回目のブレークアウトで捕まった買い手のロスカットを期待して
2回目の失敗の後、スキャルピングの売りを狙ったと思います。
大きな成り行き買い注文が出たのにそれ以上上がらなかった価格(価格帯)
に向かって小さな出来高で上げていき、そこで息絶えるようなポイントが、このチャートからも読み取れます。
3回目ですが、1回目2回目で買い注文が全部吸収された価格帯を意識し
同じ価格帯ではまた吸収されるのを警戒するのが良いと思います。
3回目のロスカットの部分、12:50に12100株が4000円で買われていますが、
そこでピタッと止められています。
そこですぐにロスカットするのは正解だと思います。
私なら、4000円での大きな買い注文の結果が出なかったのを見て、3998辺りでいったん逃げていると思います。
しかしその下落には出来高と勢いが伴わず、3996~3995辺りで1000株以下の小口注文がずらーっと並んでいるので、その辺りはアイスバーグ注文による吸収が見られたかもしれません。
ずいぶん縦長の画像になってしまいましたが、4000円へのチャレンジが失敗した後、少し下げるけれど、成り行き売り注文のサイズが小さい点を見てください。
後付けになってしまいますが、そのアイスバーグ注文に合わせて再エントリーできたかもしれません。これは難易度が高いエントリーですが、こういうポイントが、私にとってフライイングエントリーのポイントです。
4000のブレークに失敗したのを見て、そこでショートを狙うのかということですが、2つの理由から売りません。
1.4000のブレークアウトが失敗しましたが、アグレッシブな成り行き売り注文が出ていたか?というと出ていませんね。
2.少し後に4000に向けて上げていく部分は、長い陽線(1分足)になっていますし、歩み値から判断しても出来高と勢いがあったと思います。
ですからそこはショートを狙うべきでないのは明確です。
12:55ぐらいでしょうか、長い陽線でその価格帯を明確に抜けた後
今度はそのあたりの価格帯に向けて出来高の小さな下落が出ています。
その辺りでエントリーチャンスがあったのではないかと思います。
12:58~12:59辺りの歩み値を見ると
4000~4002円ぐらい向けて小さな売り注文が
ズラッと並んでいます。
12:52分~12:56分あたり、
4000円をブレークアウトするときの歩みねと比べると、勢いの差は明らかです。
この上げでは1000株を超える買いがずらっと並んでいます。
この変化を読み取れるようになるのがカギです。
そのことは1分足の出来高ヒストグラムからも明らかに読み取れると思います。
大きな出来高で勢い良く4000円を抜けた後、プルバックでは小さな出来高で地味に下げています。この部分がエントリーチャンスですね。
3993円~4000円の価格帯を足場にして上げることを想定しているので
その下にロスカットを置けばよいです。
我々のような小口トレーダーなら、このように出来高の小さな動きでも十分エントリーすることができます。
午前中のレンジからブレークアウトしてきているのだから、
利食いに関しては、ポジションの半分でもいいので、25円ぐらいは狙いたいですね。
ブレークアウトと同時か少しフライイング気味にエントリーするときに注意する点は
大きな買い注文が出たことを根拠にすることはもちろんですが
その結果がしっかりと出ていないといけないということです。
大きな成り行き買い注文が約定したのに、すぐに後戻りしてしまったなら
それは逆に弱さを露呈することになります。
そのようなことが何度か繰り返された価格帯はそのあとも意識されます。
その価格帯を天井として売るか、
それともその価格帯を抜けた後、そこをクッションとして上げるか
それは歩み値に流れる注文を読むか、出来高ヒストグラムを読み取って判断します。
繰り返しになりますが、
大きな成り行き買い注文が出たことだけが重要ではありません。
大きな成り行き注文の結果が出たのか?ということも意識してみるようにしてください。
このことはこのブログやAmazon Kindleの本を通して繰り返しお伝えしてきました。
決して忘れないように、練習を繰り返していただきたいなと思います。
頑張ってください。
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