リスク回避とリスク追求
あなたはある種の宝くじに当選したとする。
その名も、条件付きの300万円当選
いったん300万円を手にするが、
すぐに次の2つの選択肢のうちの1つを選ばなければならないルールだ。
1.300万円のうちの100万円を確実にもらう
2.66.7%の確率でなにももらえない
あなたならどっちを選ぶだろう。
おそらく、ほとんどの人は1を選ぶはずだ。
「ゼロは嫌だから、最低でも100万円はゲットできる1にしとこう」
という考えだ。
一方、このように選択肢が変わったらどうだろう。
1.300万円のうち200万円は確実に失う
2.33.3%の確率で300万円全部もらう
この場合、けっこうな割合の人が2の選択肢を選ぶようになるだろう。
「200万もの損を確定するのは嫌だな。全部もらえる方に賭けてみるか!」
という人が増えるというわけだ。
さて、1と2、どちらが得なのだろう?
答えは、「どっちでも同じ」だ。
選択肢は変わるが、これらの賭けの本質は全く同じで、
選択肢の文章の書き方を、
もらえるものにフォーカスするか、失うものにフォーカスするかで変えただけだ。
この賭けは1を選んでも2を選んでも期待値としては全く同じだ。
1を選んだら100万円を確実にもらえるし、2を選んだ場合の期待値も100万円だ。
ここで言う期待値とは、その賭けを際限なく続けた場合、平均してもらえる金額のことだ。
この例で理解してもらいたいのは、
人間というのは、
利益を意識するとリスクを回避しようとする
損失を意識するとリスクを取ろうとする
ということだ。
これは大昔から人間の脳にプログラムされた思考方法だ。
この思考方法はトレードではどのように働くだろう。
1.ポジションが含み損になっているときは、ロスカット幅を広げたり、もっと時間を与えたりしてロスカットになるのを避けようとする。
この場合、損失に気持ちが集中し、金額的なリスクや時間的なリスクをより多く取ろうとしていることに注目してほしい。
2.一方、ポジションに利益が乗っているときは、利益を失うのを恐れて小さな利益で利食いしてしまおうとする。
この場合は利益に気持ちが集中し、金銭的なリスクや時間的なリスクを避けようとしていることに注目してほしい。
古代から続く人間の本性は、
損失を引き伸ばし、利益は早めに取る傾向があるということだ。
この性質はすべての人間の中にインプットされていて、無理やりおさえこもうとしても無駄なようだ。
おさえこめないなら、その性質を理解し、上手くコントロールすることになる。
人間の本性に対する理解力は、トレードマネジメントにおいておおいに役立つ。
kkk says
at自分の経験上、損失を抱えている状態では、「期待」が強く、利益が載っている状態では「不安」が強くなります。
ロスカットしないでいる状態は、期待しているので我慢がきき結果的に最悪のことになり、利益がのっていると利益を失う不安で早く決済してしまいますね。
不安は期待よりも強い感情なのかもしれません。
しかし、例えば10pipsマイナスの状態で、元値に戻ることを期待して保持してるなら、一旦損切りしてすぐにエントリーしなおしても同じことですよね。
しかし、それをするかというとなかなかしない。w
私は、底で買って天井で売るという離れ業をしたこともあります。ww
私は今は必ずロスカットの逆指値を入れることで強制決済するようにしていますが、ロスカットは保険のようなもので、それ以内に損切りするようにしておりますが。
サンチャゴ says
atkkk様
全くその通りだと思います。
損失を意識するとリスクをとり、利益を意識すると保守的になる。
人間の本性なのでしょうね。
一旦損切りして様子をみるなら、なるべく早く決断しないといけないと感じます。
買ってからなかなか上がらなくて「上がってくれ」と神頼みになった時に上がることはあまりないですからね。
kkk様と私はとても良く似た考え方を持っているなと思いました。
kkk says
atサンチャゴさん、お返事有り難うございます。
いや、私の場合、サンチャゴさんとはレベルが違いすぎ、低すぎるのであります。w
しかし大負けがこんなに容易なら、大勝ち、中勝ちももっと出来そうなものだなと思うのですが、なかなかできないでおります。ww
自分のやっているスキャルピングの場合、数秒ー1,2分での勝負なので、どうしても短い間にある程度大きく動いてくれないと、多少勝率が高くとも、大きく勝つことが少ないので、厳しいのかなと思ってます。
最近は考え方を変えて、利がでてきたら、多少の変動には目をつぶって、決済せずになるべく長く保持して利を伸ばすようにしたいと考えてます。
逆に負けてる時は、ストップロスだけでなく、タイムロスとして1-2分位内に強制決済することを考えてます。
経験的には、売りの方が、短時間で大きく動きやすく、買いはじりじりと苦労しながら上がることが多い気がするので、売りの方がスキャルにはよいなと感じてます。
あと取引コストの問題はスキャルでは決定的に重要で、実際の取引コストはスプレッドの2倍と考えたほうがよいのではないかと考えています。
クリック証券などは、取引手数料として0.3pipsですが、スプレッドが0.3なら0,6が実際の取引コストではないかと。
例えば、エントリーして決済したとき、勝った時と、逆方向にエントリーして負けた時の合計は必ず -0.6になります。
もし勝率が50%で、同じ幅で決済していたら、損失は 0.6 pips*エントリー回数になりますから。
もしかしてスプレッドが0,2なんて会社はないでしょうか?
サンチャゴ says
atkkk様
スキャルの場合、利益を伸ばせたらいいのですが、そうすると勝率が一気に落ちるので精神的には難しくなると感じますね。
ただ、ずっと見ていると大きく動きそうなのが分かるときがあるじゃないですか。
そういうときに利を伸ばすだけでなく、乗せをするぐらいになれたら最強なんでしょうね。
私はもともと気が小さいトレーダーなので、自分のメンタルで取れる分をとって、大きな動きを取り逃がして悔しいという感情が湧いてきたら、すぐにモニターの前から離れるようにしています。
その辺りはその人のメンタル的な才能ですね。
私も売りが好きですよ。売り専門にやっていたころもあったぐらいです。
スプレッドの取引コストについてですが、
滑りが無いと仮定すると、スプレッド分がコストだと私は思っています。
エントリーした瞬間に決裁したときに負けている分が取引コストだと思いますから。
ただ、現実には滑るときもありますし、決済に時間がかかってしまうこともあるので、平均するとスプレッドの2倍ぐらいというのは妥当なところかなと思います。
IB証券のインターバンク直結のFXは板の刻みが0.5pips、さらに取引手数料もかかるので、GMOで0.6pipsかかったとしても安いもんだと思っています。
逆にそれ以下だと、なんか怪しいなと思ってしまいます。インターバンクの刻みは0.1pipsなんでしょうかね。
株のソフトバンクだと、刻みが1円なので、FXでいうとスプレッドは1pipsですね。
225ミニ先物だと5pipsですよ。
ただ、指値でうまく入ることができれば取引コストはほとんどゼロにもできますけどね。
取引コスト、なかなか奥が深いですね。
ただ、我々一般トレーダーにとってとてつもなく良い時代になってきてる気がします。
アルゴの罠に対応できればという条件付きですが。
kkk says
atサンチャゴさま
>ただ、ずっと見ていると大きく動きそうなのが分かるときがあるじゃないですか。
そういうときに利を伸ばすだけでなく、乗せをするぐらいになれたら最強なんでしょうね。
ナンピンしてドツボに嵌るときの逆ができたら最高だなと思います。w
しかし、Fxは将棋や囲碁のようにプレーヤー間に情報の違いが全くないゲームだと思うわけですが、こういうゲームの場合は、プレーヤーの実力のみによって大きな違いがでます。
おそらく、Fxもそういう実力差の大きい世界なのかなと思われます。
同じ情報をみていても、強い人には弱い人に見えてないものが見えている。
サンチャゴさんの本を読んで、やはり相場も将棋と同じく勝つ人は勝てない人には見えてないものが見えているんだと思いました。
それが分かっただけでも、自分には大きな収穫でした。
サンチャゴ says
atkkk様
FXは一般投トレーダーどうしは情報の違いがありませんが、投資銀行やヘッジファンドと我々では、株以上に差があるのかもしれません。
だからこそ、大口思考ができればより大きなエッジを持てると言ってもよいのかもしれません。
この世界で一番相場操縦が多いのはFXだという話も聞きます。
出来高の70%以上がアルゴの出来高というのが定説ですしね。
FXで勝ちたいなら、大口のやっていることが見えるようになる以外にはなさそうです。
>同じ情報をみていても、強い人には弱い人に見えてないものが見えている。
まったくその通りだと思います。もっとうまくなりたいですね。私も日々研究です。
私の本がお役にたてたなら、とても嬉しく思います。
kkk says
at訂正です。
>もし勝率が50%で、同じ幅で決済していたら、損失は 0.6 pips*エントリー回数になりますから。
もし勝率が50%で、同じ幅で決済していたら、合計は -0.6 pips*勝った回数になります。例えば買いから入って1pips上がれば0.7pipsの利で、1pips下がれば-1.3pipsの損失。合計は-0.6pipsです。
どうもスプレッドの問題は、簡単な算数のようで、意外と頭が混乱しやすい複雑な問題に思えます。w
サンチャゴ says
atこの場合だと、1pips勝ちと1pips負けなので、取引コストを考えなければトントン。
実際には-0.6pipsなので、そのコストを2で割ると、一回のトレードあたりのコストはやっぱり0.3pipsとなると思いました。
kkk says
atサンチャゴさま
どうもすみません。
わけのわからないことを言っていました。
意図としては、エントリー時点から1pips純粋に動くと、
勝ちの場合、1−0.3=0.7pipsで、
逆にエントリーし負けた場合は、−1−0.3=−1.3というイメージでした。この絶対値の差が0.6pipsです。
言い方を変えると、勝ったときの1.6pips変動したときの利益1.3pipsと、負けたときの1pips変動した-1.3pipsが同じなので、勝率が50%で同じ回数の勝ち負けがあるときは、勝ったときの絶対値平均が負けたときのそれよりも0.6pips大きくないといけないですね。
勝率がもし長期的に50%くらいに収束していく場合なら、スプレッド*2pips以上に平均で大きくないといけないというのは、割と大変なことだなと思います。
大勝ちがたまに入らないと難しそうです。
もちろん取引コストはスプレッドの0.3ですが、勝率が50%の場合では、その二倍の値が勝ち平均ー負け平均の一種の損益分岐になるので、スプレッドの二倍が目安にやるように思いました。
サンチャゴ says
atkkk様
なるほど、そういう意味だったのですね。
確かに、FXはスプレッドを見方に付けることができないので、株や先物と同じようなスキャルピングはできないと思っています。
株や日経225先物はFXよりもスプレッドが広いですが、上手くやればスプレッド0でエントリーできますから、注文分析の腕があれば有利に立ち回れます。
FXではそれが決してできませんからね。
私はFXをやるときはもう少しゆったりとトレードしています。
FXはスキャルピングにこだわらないほうがいいと思っています。
kkk says
atサンチャゴさま
取引コストの問題は、儲かっている時にはあまり意識しませんが、やはり大きな問題ですね。
例えば10回エントリーしてプラマイのトータル10pips得たとします。
もしスプレッドが0なら、全てのエントリーが逆方向だったときのトータルは-10pipsになりますが、スプレッドが0.3pipsなら、この時のトータルは−13pipsになります
また、例えば10回エントリーしてプラマイでトータルー10pipsだったなら、全てを逆にエントリーした時のトータルは10pipsではなく、4pipsです。
もし、スプレッドが0.6pipsなら、全て逆に張ったときでもマイナス2pipsという結果になります。
エントリー数を多くして小さい利幅をこつこつ稼ぐスキャルピングの場合は、取引コストが大きくなるので、長期に勝つのはなかなか難しいのかもしれません。
サンチャゴ says
atkkk様
スキャルピングをやるなら、取引コストはかなり重要ですね。
株や225先物なら板読みをしてスプレッドのコストがかからないエントリーもできますが、FXではそうはいきません。
私はFXをトレードする際は時間軸を長めにしています。
FXで数ティック抜きをやって安定して勝てる人はかなりすごいと思います。