大口の取引コスト
大口トレーダーAがEUR/USDを7000万通貨単位買う場合の取引コストが、
流動性の高いポイントと低いポイントでどう変わるかを見てみよう。
1.流動性が高い時間帯、もしくは流動性の高い価格帯で取引した場合こんな感じになる。
7000万通貨単位のうち
5000万通貨単位を 1.3720
2000万通貨単位を 1.3725
ほとんどを最良売り気配で約定でき、スリッページは残りの2000万通貨の0.5pipsだけだ。
2.一方、流動性の低い時間帯に流動性の低い価格帯で取引した場合はこんな感じになる。
7000万通貨単位のうち
1000万通貨単位を 1.3720
2000万通貨単位を 1.3725
1300万通貨単位を 1.3730
2700万通貨単位を 1.3735
最良売り気配では、1000万通貨しか約定できず、残りは3段階でスリッページが発生している。
インターバンクマーケットでの手数料が30ドル/100万通貨単位だったと仮定すると、それぞれの場合の取引コストは下表のようになる。
約定価格 | 取引コスト内訳 | 取引コスト合計 | |
1.流動性が高い場合 | 5000万通貨を 1.37202000万通貨を 1.3725 | 手数料:30ドル×70=2100ドル0.5pipのスプレッド×5000万通貨=2500ドル1pipのスプレッド×2000万通貨=2000ドル | 6600ドル |
2.流動性が低い場合 | 1000万通貨を 1.3720 2000万通貨を 1.3725 1300万通貨を 1.3730 2700万通貨を 1.3735 | 手数料:30ドル×70=2100ドル0.5pipのスプレッド×1000万通貨=500ドル1pipのスプレッド×2000万通貨=2000ドル 1.5pipのスプレッド×1300万通貨=1950ドル 2pipのスプレッド×2700万通貨=5400ドル | 9850ドル |
流動性が高いポイントで取引してスリッページがほとんど発生しなくても、大口は一回の取引で6600ドルもの取引コストがかかる。
そして、流動性が低いポイントで取引するとさらに3250ドル程度上乗せ、驚きの9850ドルもの取引コストがかかる。
日本円にして33万円の差だ。
流動性を意識するかしないかで、大口トレーダーのたった1回のトレードの取引コストは
サラリーマンの月収分の差がでてくるのだ。
我々一般トレーダーはスプレッドのことなどそんなに意識しないが、
FXマーケットを動かす大口トレーダーは
いかに取引コストを低く抑えるかを常に考えていて、
取引コストを安くするために一日中流動性を探して相場を動かしている。
では、実際の戦略を解説していこう。
戦略のコンセプト
コンセプトをまとめよう。
- 巨大なロットサイズを動かす大口トレーダーが、取引コストを上げることなく取引するには高い流動性が必要
- そのことを念頭に置くと、大口トレーダーはポジションをエグジットするため、もしくは新しいポジションを作るために、価格を流動性が高いエリアまで動かす場合が多い
- この傾向は、流動性が低い時間帯では特に顕著に表れる
流動性が高いエリアとは
流動性が高いエリアとはいろいろな要素が重なり、多くのトレーダーが注目しているエリアだ。
- フィボナッチ
- ピボット
- トラップライン
- トレンドライン
- 前日の高値や安値
などのラインが重なっているエリアは流動性が高いエリアと考えてよい。
そのようなエリアの見つけ方は、ラインの引き方 の記事を参考にするとよい。
流動性の低い時間帯とは
アジア時間が流動性の低い時間帯だといっても、日本時間の9時~11時半頃までは流動性が高いので注意が必要だ。
逆張りするのにお勧めな時間は、11時半~16時頃まで。
どの通貨ペアをトレードするか
どの通貨ペアでも良いが、
私は主要通貨のチャートにラインを引いてみて、これは!というエリアを見つけた場合だけトレードしている。
具体的な戦略
流動性の低い時間帯に流動性の高いエリアに価格が突入してきたところを逆張りする。
この時に1分足などの短期足でオシレーターのダイバージェンスを確認してからエントリーすると勝率が上がる。
また、1時間足や4時間足レベルのトレンドに逆行する値動きに対して逆張りする方が勝率が上がる。
トレードマネジメントについては、複数のユニットでエントリーし、少なくとも半分のポジションはロスカット幅と同じぐらいの値幅で利食いし、残りはレンジの反対側などに利食いの指値を置いて放置する。
これはとても勝率の高い戦略なので、逆張りすることに慣れることさえできたら、精神的に楽なトレードとなる。
また、常にチャートを見ている必要がないため、私のように株や先物を中心にトレードしているトレーダーでも片手間でトレードできる。
主婦の方など、常にモニターに張り付いていられないトレーダーにもお勧めの手法だ。
私はラインにアラートを仕込んでおき、アラートがなった時だけチャートを見てトレードしている。
もちろん、株と先物がメインなので、本業で忙しいときは無視している。
注意点
流動性の低いアジア時間は逆張りが有利とはいえ、どこでも適当な位置で逆張りしてよいわけではない。
中途半端な位置で逆張りすると高確率でロスカットになる。
流動性が低いだけに、大口は簡単に価格を動かすことができるからだ。
例えば、流動性の高いA地点とB地点があるとすると、その真ん中あたりでは決して手出しせず、かならずA地点かB地点に来てからエントリーすることだ。
流動性が高いエリアが駅、それ以外の中途半端な位置は線路だと思うと良い。
乗り降りするのは駅、電車が走っている間は乗り降り厳禁だ。
以上が FXデイトレード アジア時間での戦略 だ。
FXデイトレード アジア時間での戦略 【1】 FXを動かす原動力とは?
こんばんわ、ブログを回遊していてたどり着きました。しかし今日3/1は私にとって記憶に残る日になるでしょう。デイトレのブログでは今まで「たかやんのデイトレ生存率向上ブロブ」が最高のブログと思っていましたが、実践的で再現性が高いので(まだやっていないから想像ですが)ワクワクした気持ちになって土曜日1日中このブログを読んでいます。→次の表現がよく理解できませんのでもう少し詳しく解説していただけたら嬉しいです。→「残りはレンジの反対側などに利食いの指値を置いて放置する。」 それから電子書籍のデイトレ入門はここに書かれている以外の事も書かれているのでしょうか?多分もっと読みやすく成っているのでしょうね。
武ちゃん さん
こんばんわ。ブログ、喜んでもらえて嬉しいです。
アジア時間FXライントレードの利食いに関するご質問ですね。
「残りはレンジの反対側などに利食いの指値を置いて放置する。」
これはですね…
例えば、レジスタンスライン付近で2ユニット空売りしたとしましょう。
1ユニット目は1分足とか30ティック足などの短期足のスイングロー付近で利食いします。
早めの利食い、最初のマイナーなサポートラインでの利食いってことです。
この時点で2ユニット目がロスカットになっても、もう負けはありませんね。
で、2ユニット目の利食いをどこに入れるかというところが、ご質問への回答となります。
その日、そこまでの値動きを見て、その日の主要なサポートラインになりそうな位置のちょっと上に指値で利食い注文を入れておく、という意味なんです。
アジア時間だと流動性が低いから、大口はきっと流動性の高い位置まで動かさないとエグジットできないだろうなってことですね。
エントリーでもエグジットでもその考え方が根底にあります。
もっと丁寧に利食いをやってもいいのですが、私は日中は株につきっきりなので、指値を入れて放置してます。
毎日エントリーするわけでもなく、ここまで来たら逆張りしたいなーという位置でいい感じのチャートパターンになった時だけエントリーしてます。
基本、FXは夜やってます。
うまく伝わったでしょうか。
もし分かりにくかったら、記事にして詳しく説明しますよ。
エグジット戦略に興味がおありなら、サンチャゴのエグジット戦略 逆張りライントレード版のあたりの記事で、嫌というほどエグジットについて掘り下げていますんで、よかったら読んでやってください。
電子書籍ですが、基本、このブログに書かれている内容とほとんど同じなんですが、電子書籍のメリットとしては、
1.ちょっとだけ加筆していたりはします。
2.N225TICKという、日経225先物、主要株の逆張りのタイミングをとるのに役立つ楽天RSSエクセルファイルがダウンロードできます。
3.さくっと一通り読める
それぐらいですね。
武ちゃんさんが、もし日経225ミニ先物や主要株のスキャルピング/デイトレードをされているなら、N225TICKのアイデアを得るだけでも価値はあると思います。
僕の手法は超マニアックなので、まずはゆっくりブログを読んでみてください。
ではでは良い休日を~
サンチャゴさんへ
早速のお返事ありがとうございます。それも大変丁寧な解説をいただき感謝しています。今日はゴルフで朝は寒かったのですが午後から暖かくなってきて楽しく1日プレイしてきました。プレイ中もこのブログのことが気になっていました、それほどインパクトがあったということですね! 株と日経ミニとFXもやっていますので電子書籍早速購入して熟読いたします。板読みの精度を上げてエントリー直後にマイナス圏に持っていかれる頻度が下がれば自分のトレードレベルが格段に上がると確信していますので楽しみにしています(楽観的!)
その時はいいご報告をさせていただきたいと思っています。
サンチャゴ、はじめまして。
FX歴7ヶ月の河合と申します。
チャート分析だけのトレードがうまくいかず、ネットを徘徊していたらこちらのブログにたどり着きました。
こちらの記事で質問なのですが、
“逆張りするのにお勧めな時間は、11時半~18時頃まで”とありますが、16時以降も流動性の低い時間帯に含まれるのでしょうか?
その時間帯は欧州組も参加してきて流動性が高いという認識だったのですが、私の知識不足でしょうか?
とても内容の濃いブログで、今日1日中読んでいました!
河合さま
ブログを読んでくださってありがとうございます。
ご質問の件、書き間違いでした。申し訳ありません!
ロンドン時間が始まるまで、16:00までの間違いでした。
記事を修正しました。ご指摘ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
サンチャゴ様
いつもお世話になっております。
サンチャゴ様は、FXの流動性やストップロスを考える時、下記サイトのような「市況オーダー状況」のストップロス情報や、ヘッジファンド情報は考慮なさいますか。
http://www.traderswebfx.jp/marketorder/
yasuさま
情報ありがとうございます。
「市況オーダー状況」というサービスがあるのですね。
私は今のところ使用していません。
この情報に信憑性があるのであれば、かなり役に立ちそうですね。
私は今のところマーケットプロファイルとティックチャートでトレードしていますが、
「市況オーダー状況」、調べてみようと思います。