チャートで出来高ヒストグラムや価格帯別出来高を見れば十分ではないか?という考えがある。
出来高ヒストグラムではいつ出来高がたくさんできたのかが分かる。
価格帯別出来高ではどの価格帯でたくさんの出来高ができたのかがわかる。
また、出来高のダイバージェンスでは出来高の勢いが弱っているのを見ることができる。
間違いなく、出来高ヒストグラムや価格帯別出来高はとても優れた指標だ。
じゃ、なんで歩み値が必要なんだ?
歩み値の6要素を読んでくれた読者のかたならもうお分かりだろう。
歩み値を見ていないと分からないことがあるからだ。
歩み値を見ない人には何が分からないの?
まず、その出来高が
成り行き買いの出来高だったのか、それとも成り行き売りの出来高だったのかわからない。
この時点でもう雲泥の差があるのだが、
さらに、出来高が
大口の出来高だったのか、それとも小口の出来高の集まりだったのかわからない。
ある価格で30000枚買われたという事実があるとする。
10000枚 × 3注文 なのか
1枚 × 30000注文 なのかで意味は全然違う。
出来高と一口にいっても、
その出来高が
- 成り行き買いだったのか?
- 成り行き売りだったのか?
- 大口の注文の出来高だったのか?
- 小口注文の出来高だったのか?
によって、意味は異なる。
大きな出来高の下ひげ5分足も色々
サポートラインで逆張り買いを狙っていると仮定してほしい。
そこで下ひげの5分足が大きな出来高を伴って出現したとする。
この5分足の高値ブレークで買うのは良いアイデアだろうか?
たいていはそうだろう。
だが、歩み値を見ていないと、重要なことを確認できていない。
下ひげの5分足の出来高の内訳けは
成り行き買いが多かったのか?それとも成り行き売りが多かったのか?
そしてそれらの成り行き注文は
大口サイズだったのか?それとも小口サイズだったのか?
成り行き買いが多かったとしても、大量の小口買いの集まりだったとしたら?
買いたくなるような下ヒゲのローソク足にはなってはいるが、実は意外にも大口の成り行き売りが多かったとしたら?
たくさんの大口買いが出た結果として下ヒゲ5分足が出た場合とは全く意味が違うのは言うまでもない。
どちらにしても、チャートパターン的に優位性があるならエントリーすればよいが、
歩み値の状況によってはトレードを見送ったり、ロット数を減らしたりするというのが、私のやり方だ。
そういう細かい心配りというか、慎重さが、トレーダーとしての安定感に大きな影響を与える。
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