下位足チャートでブレークアウトエントリーする方法
レジスタンスラインを上に向かってブレークする状況であれば、もちろん買いシグナルを探します。
ブレークアウトが成功した場合、しばらくは強い上昇が続くことが多くなります。
そうなると、ありとあらゆる買いシグナルで買うことになります。
なるべく安く買いたいなんて言っていると、エントリーできない場合が多いからです。
ブレークアウトで下位足を見る際に注意すべきは以下の2点です。
- ラインの外で終値を付けること
- ラインの外に目立ったヒゲが出ていないこと
上にブレークアウトした場合なら、ブレークアウトしたローソク足が陽線であり、目立った上ヒゲが出ていないことを確認します。
反対にサポートラインを下抜けたなら、ブレークアウトした下位足のローソク足が陰線になっていて、ちゃんとラインの下でクローズし、しかも目立った下ひげが付いていないことが大切です。
まずこれらの条件を満たしていることが、ブレークアウトエントリーを狙うための最低条件となります。
一番ベストなのは、ラインを抜ける瞬間に勢いがあり、一気にラインのあるエリアを抜け切っている状況です。そういう相場では積極的にエントリーを狙わなければいけません。戻しを待っているとエントリーできないほど強い相場だということです。
レジスタンスラインを上に抜けたあと、下位足のチャートで戻しが入ってラインを試しに行く場合も良いエントリーになります。しかし、私の経験上で言うと、勢いよく抜けて、まともな戻しが入らない場合の方がその後の伸びが良いように思います。
レジスタンスラインを上に抜けた場合を例に考えてみましょう。
4時間足のレジスタンスラインを上に抜けたので、下位足、例えば15分足などを見ます。そしてブレークアウトのローソク足が強い陽線で終値を付けるのを確認できたら、それは少なくとも、短期的にはブレークアウトが成功したということです。
ですから、私は1本目のローソク足が強い陽線で確定した瞬間に、リスクを計算して少ない枚数で成り行き買いします。ロスカットの位置は、ブレークアウトの陽線が出始めたポイントよりも少し下です。
この時にエントリーする枚数は注意が必要です。ブレークアウトの陽線が長い場合には、ロスカット幅が広くなるので枚数をかなり少なくする必要があります。ロスカットまでの距離を考慮してポジションサイズを計算してください。
ブレークアウト1本目が強い陽線で確定した場合、少なくともそれと同じ値幅の第2波の上昇が出る確率が70%ほどあると考えています。ですから、ロスカット幅が広くてリスクレワード比が1:1ぐらいだとしても、長期的に見ると十分利益になるエントリーとなります。
それに、この状況で戻しを待っていてエントリーできないままにグイグイ上げてしまうと、精神衛生上良くないというのもあります。強い上昇を取り逃がしたことによる精神的なプレッシャーがあると、その後の値動きで大きなミスを犯してしまう可能性が上がるのです。
例えば、乗り遅れたことに耐えられなくて最悪のタイミングで買ってしまうかもしれません。もしくは、「買いでとれないなら売りだ!」と言って無謀な逆張りエントリーを狙ってしまうかもしれません。
そんなことになってしまうぐらいなら、とにかく期待値がプラスのエントリーが目の前にあるのであればエントリーしておくべきです。ロスカット幅が広くて心理的に難しいですが、とにかく早く買ってしまった方がよい時があるのです。
上の時間軸でラインを引いていて、「ココを抜けたらブレークアウトが伸びる可能性が高い」と思っていたのであれば、実際にブレークアウトが始まった時には全ての買いチャンスを掴んでいく必要があると思ってください。でないと後悔します。怖気づいてしまってエントリーを逃せば、それはトレーダーとしての仕事を放棄したということになります。(もちろん、ブレークアウトが自分の持ち技でない人は、スルーしてもOKですし、スルーするのが正解です)
この時、ブレークアウトの陽線に上ヒゲが目立つようなら買いません。待ちます。ブレークアウト一本目が上ヒゲになった場合にはブレークアウトしたラインを試しに戻ってくる可能性が高まると考えるからです。
あと、ブレークアウトの陽線が短く、勢いを感じられない時も待った方が良いと思います。ブレークアウトが伸びていくには、勢いが必要だからです。
このような場合には、ラインを試しに戻ってきたところで、買いのピンバーや含み線、合成ピンバーなどのエントリーシグナルを待ってエントリーするほうが無難です。
エントリーしたあと、本格的な上昇が継続してくると、そこから先は、押し目を付けるたびに、買いシグナルで買い益しを行い、最初のエントリーのロスカット(ブレークアウトの出始め)を新しくできたスイングローの少し下に引き上げていきます。
重要なラインのブレークアウトで強い上昇が出ているのですから、ここは数少ない「攻めるべき相場」です。
早めに利食いして安心しようとするのではなく、意味のあるポイント、意味のある売買シグナルが出現するたびにポジションを大きくしていくことを考えてください。
もちろん、それは無謀に大きなポジションを建てろというのではなく、自分の資金管理ルールの範囲で取れる範囲のリスクを甘受せよということです。
ブレークアウトエントリーの具体例
これはドル円の4時間足です。
4時間足をメインでトレードしているので、4時間足でラインを引き、4時間足でトレンドを読み、4時間足で背景状況を読みます。
日足を確認すると、日足レベルでは強い上昇トレンド相場になっています。
ヘッドアンドショルダー気味のパターンの後、下落が起きています。
下落の最後に大きなティックボリュームを伴った下ヒゲのローソク足が出ているのが分かります。
このように極端に大きな出来高やティックボリュームの下ヒゲが出たあとに下落が止まり、その後の下落に出来高が伴わなくなってくる場合、アキュミレーションではないか?と疑います。つまり、大口が価格を吊り下げて買い占めを行ったのではないかということです。
ですから、背景状況を考慮しての予測としては、
- 全体の流れが上昇トレンドであること
- 大口が価格を吊り下げて買い占めを行った兆候がある
このことから、もしレジスタンスライン1を勢いよくブレークアウトするなら、上昇トレンドが再開するのではないかということになります。
4時間足はレジスタンスライン1の手前で何度も頭を押さえられていますが、下げずに踏みとどまっています。
もしレジスタンスライン1を勢いよく超えていくブレークアウトが起きたら、少なくともレジスタンスライン2まで、あわよくば、さらに上昇してもおかしくありません。
もちろん、レジスタンスライン1のブレークアウトに失敗して下落するなら、下降トレンドへの転換が決定づけられるかもしれません。
レジスタンスライン1で頭を押さえられて下降トレンドになるのか、ブレークアウトして上に行くのかは、レジスタンスライン1をブレークアウトするときの下位足の値動きを読んで判断します。
ここでは15分足の値動きとエントリーの方法を見てみましょう。
強い陽線でレジスタンスライン1(レジ1)をブレークアウトしています。
- この陽線の力強さ
- 上髭が出ていないこと
- 大きなティックボリューム
- チャートの左側でアキュミレーションの兆候があった
以上の理由から、このブレークアウトには飛び乗る価値があると判断します。
この陽線が確定したところで、成り行きで買います。
ロスカットはブレークアウトする陽線が出始めたポイントです。この陽線の安値にストップを置けばよいです。
かなり長い陽線なので、ロスカットの値幅が広くなります。ですから、枚数を抑えてエントリーすることになります。
ロスカットの値幅は約70pips程度です。ですから、普段30pipsのロスカットでトレードしている人なら、普段の3分の1程度のポジションサイズに抑えてエントリーすることになります。
ここで普段通りのポジションサイズでエントリーし、普段通り30pipsのロスカットでトレードしてはいけません。最初の陽線が出た時点では、その陽線の安値を下回るまではロスカットする根拠が無いからです。根拠のないロスカットをしていては勝てません。
その後、もう少し上げてからほんの少しの押しがあり、再度上げてまた下げてきます。
ここでダブルトップではないか?と焦って早期に利食いしてしまうかもしれませんが、それもいけません。
このように強い上昇が起きている場合には、たいていの売りシグナルは無視しなければいけません。
それよりも、2回目の弱い押しが終わって反転したところで、ダブルボトムとして買い益しをするべきです。強い上昇が出ているときには、全ての売りシグナルを無視し、買いシグナルだけをエントリーするのが鉄則です。
このダブルボトムで買い増し、最初の買いポジションのロスカットをダブルボトムの少し下の辺りに引き上げます。
最初のポジションのロスカットを引き上げることで買い増しをする余裕ができるということです。この時に買い増しする数量は、最初のポジションと買い増しするポジションのリスクを合計した値が、自分の資金管理ルール通りのロスカット金額になる枚数にします。
こうすれば、値動きに応じてポジションを増やしていけます。
今回の値動きの場合、強い陽線は1本で終わっているので、「急がなくても買えたのでは!」と思うかもしれません。
しかし、連続して2本~3本の強い陽線が連続して出ることも多々あるので、早めに買っておく必要があるのです。
買い益しのあと上昇が続きますが、途中でひやっとする値動きもあります。
しかし結局はやや上昇気味のレンジ相場となり、最終的にはまた狭いレンジとなった後に上にブレークアウトしてレジスタンスライン2に到達しました。
利食いを我慢することで、結局ロスカットになってしまうことももちろんあります。
しかし、背景状況が良く、実際に強いブレークアウトが出ているなら、ロスカットになってしまった時の損失よりも、ぐいっと伸びて大きく利食えた時の利益の方が、長期的にみると多くなります。目の前の結果だけで一喜一憂しないようにしてください。
この例から学んでいただきたいことは、背景状況が良く、ブレークアウトの勢いが強いことが分かっていれば、戻しを待って安く買おうなどとは思わず、ポジションサイズを調整して早めに小さなポジションを建てることです。
そして、エントリーした後はローソク足チャートを読み続け、強い買いシグナルが出れば買い増しをしてストップを引き上げ、徐々に普段通りのポジションサイズまで上げていきます。
エントリーした後に売りシグナルが出てヒヤっとすることもありますが、そう簡単には利食いしてはいけないということも覚えておいてください。
ブレークアウト あとがき
ブレークアウトについての記事を読んで頂きありがとうございます。
いかがでしたか?
100%勝てる魔法のエントリー手法ではないので、ガッカリした人もいるかもしれません。
しかし真面目にトレードに取り組むあなたにとっては、学ぶことが多かったのではないでしょうか。
このブレークアウト手法を徹底的に磨けば、今までエントリーし損ねていたような値動きにも乗れるようになると思います。
お役に立てたなら幸いです。