前回はバリューについて以下のようなことを学びました。
・バリューとはある商品の適正価格のこと
・HVN(価格帯別出来高の山)は参加者に受け入れられた価格帯でありバリュー(適正価格)である
・LVN(価格帯別出来高の谷)は参加者が拒絶した価格帯である
ここから、トレードにおける大きなヒントが浮き上がってきます。
価格帯別出来高の原則
価格帯別出来高にはとても重要な原則があります。
- LVN = 拒絶 = 値動きをはじく = 反転 or ブレークアウト = エントリーポイント
- HVN = 受け入れ = バリュー = 値動きを吸着する性質 = 利食い目標
詳しく見てみましょう。
LVN
LVN(谷底) の価格帯は、多くの相場参加者に拒絶された価格帯です。
多くの相場参加者に拒絶されたわけですから
LVNは値動きを「はじく」意味合いがあります。
「はじく」ということは、そこまで値が動いたら、その価格帯を嫌がって反発する
もしくは
そこを超えてしまったら、ズバッと一気にブレークアウトしやすい価格帯だということができます。
LVNをどう使うか?
反転しやすかったり、ブレークアウトが加速しやすいのですから、LVNをエントリーポイントとして使うのが良い方法です。

HVN
HVN(山の部分)は 大多数の人が受け入れた価格帯であり、適正価格だった価格帯でした。
一度多くの人に受け入れられるということは、そこを離れたとしてもまたそこに向かって値が動いていく可能性が高くなります。
HVNの「吸着」の性質です。
吸着するわけですから、そこに向かって値動きが起き、その辺りまで来たらその価格帯にくっついてしまい、のんびりする可能性が高いということも言えます。
HVNをどう使うか?
HVNは吸着の意味を持っているのですから、最初の利食い目標にすると良いです。
価格帯別出来高の原則を使う
この2つの原則から、どんなアイデアが湧いてくるでしょう。
色んな考え方があります。しかし…
基本的には、エントリーを狙うなら、LVNが良いです。
その位置は「はじく」意味合いを持っているので、反転するのかブレークアウトするのかわかりませんが、どちらにしても当たれば一番良い位置でエントリーしたことになります。それにリスク(ロスカット幅)も小さくてすみます。
もちろん、エントリーと逆方向に一気に行ってしまうこともあります。
反転すると思ってLVNで買ったとたんに、ズバッと下げてしまうというようなことです。
そういうこともありますが、ロスカットになったとしても、「自分の予測が正しければ、ベストの位置でエントリーできたわけであり、ダメだったら潔くあきらめることができます。
逆にバリューのど真ん中、つまりHVNの真ん中で買ってしまったら、逆行してしまった時にどこでロスカットすればいいのでしょうか。
HVNを下に抜けたところでしょうか?
そこはちょうどLVNになります。
LVNは割安の価格、且つ反発が起きやすい価格です。(もし反発がおきるなら)
できることならそこで買いポジションをロスカットするのではなく、買いたい価格となります。
そんな価格でロスカットになってしまうと、負け組みの群衆と同じことをしている感じが強くなります。
チャートの背景(トレンド)を分かったうえでLVNでエントリーする
「全てのLVNがエントリーチャンスで、すべてのHVNが利食い目標になる」と言っているのではありません。
チャートの背景を読んだり、売買シグナルを待ってからエントリーするなどして精度を上げたうえで、LVNという有利な価格でエントリーできれば、期待値が非常に高いですよと言いたいのです。
それは要するに…
チャートを読解した結果、買いが有利な背景状況があったとします。チャートを上位足など分析して、買いが有利という予測がある状況です。
その状況で一時的な下落が起き、「はじき」や「拒絶」の意味合いを持つLVNの価格まで下げてきたなら、そこで反発して上げ始める可能性が、そうならない可能性よりも高いと思いませんか?
また、例えばLVNのあたりで「買いのピンバー」などの買いシグナルが出たり、そこがちょうどフィボナッチの1.272や1.618だったら?
もし自分のシナリオが正しかったなら、最高のエントリーポイントでエントリーできたことになります。
ローリスクハイリターンのエントリーポイントです。
絶妙な位置でのエントリーとなりますので小さなロスカットで大丈夫ですし、大筋の流れに乗っているわけですから、ある程度の勝率も利幅も期待できます。
相場においてこれよりも有利なエントリーの考え方はほとんどありません。
LVNでエントリーし、HVNでポジションの一部を利食いする
が最もシンプルなトレード手法の基本です。覚えておきましょう。
LVNやその他の水平線、さらにトレンドラインなどを使ってエントリーポイントを探り、相場のサイクルを見極め、そしてLVN付近で何かが起きたらエントリーし、ポジションの一部をHVNで利食いし、残りのポジションで利益を伸ばせるなら伸ばす。といったことをやっていきます。
どんなにチャートパターンやシグナルの読み方がうまくても
エントリーを狙う位置が悪かったり、利食いを入れる位置が悪かったら
それはやっぱりうまくいきません。
エントリーシグナルは、エントリーする位置以上にはなりえないということです。
有利なエントリーポイントで、良いエントリーシグナルを待ってエントリーしてこそ、大きな優位性を得ることができます。
これがサンチャゴのトレード手法の根幹をなす考え方の一つです。
バリュー(Value)は、基本的には逆張りに役立つ考え方です。
もちろんこの教材ではブレークアウトや順張りも狙っていきます。そこでは、後日解説する、バリューとはまた別の考え方を使います。
バリューはいろんな時間軸に
日足レベルで見た場合のバリューもあれば、1分足レベルで見たバリューもあります。
1分足チャートで短期の価格帯別出来高の積み上がりを見ても、ある一定の価格帯にバリューができます。

大規模な大きなバリューの中に小さなバリューがあったり、バリューがまだ見つかっていないトレンド相場の中にも、下位足を見れば小さなバリューができていたりします。

どんな時間軸でもバリューの考え方、価格帯別出来高の原則は役に立ちます。
バリューは永遠ではない
バリューは大多数のトレーダーの売買が成立した価格帯ということを解説しました。
出来高の多い価格帯があり、その上下に少ない価格帯があり、およそその間を行ったり来たりする。
そのような期間がしばらくは続きますが、それがいつまでも続くわけではありません。
いずれ相場は、様々な理由で新たなバリューを探して旅立ちます。
食パンが150円~200円の価格帯で売買されていても
いずれは違う価格帯で売買されるようになります。
食パン業界の変化があるかもしれないし、
食パンのニーズが変化するかもしれません。
物価の変動もあるかもしれませんね。
または、だれかが食パンの買占めをするかもしれません。
戦争が起こったりすると、500円とか600円が当たり前になってしまうかもしれません。
新しいバリューを探る値動きが出ている間は一方的なトレンド相場になり、いったんその時点での適正価格を見つけると、またその辺りでたくさんの売買が行われるので価格帯別出来高が積みあがります。そしてそこがバリューだとわかるようになります。
価格帯別出来高が絶対に必要というわけではない
価格帯別出来高が絶対必要というわけではありません。
結局のところ、価格帯別出来高で一番重要なのはエントリーポイントとして使うLVNです。
LVNは値動きで拒絶が起きた価格帯を明確にしてくれます。
拒絶が起きた価格帯は、ローソク足チャートをよく見れば、慣れた人なら分かります。
ローソク足チャートだけを使ってラインを引く達人になれば、結果的に価格帯別出来高のLVNを使って引いたラインと同じようなラインを引くことになります。
ですから、有料のTradingViewを無理して使う必要はありません。ローソク足チャートだけを使って拒絶が起きた価格帯が分かるようになれば良いのです。
その方法は、別の記事で解説します。
TradingViewの使い方はこちらのページにまとめています。
価格帯別出来高の原則のまとめ
このページでは価格帯別出来高の原則と、その原則を使ってエントリーポイントや利食いポイントを見極める考え方を解説しました。
価格帯別出来高の原則
- HVN = 受け入れ = バリュー = 値動きを吸着する性質 = 利食い目標
- LVN = 拒絶 = 値動きをはじく = 反転 or ブレークアウト = エントリーポイント
相場サイクルやトレンドを分析したうえで、LVNをエントリーポイントとして有利な方向にエントリーし、HVNでポジションの一部を利食いし、残りで利益を伸ばせるなら伸ばす。
バリューは全ての時間軸に存在する。
バリューは永遠ではない。様々な理由で別の価格帯にバリューを探すために旅立つ。
価格帯別出来高が必ずしも必要ではない。ローソク足だけから「拒絶/はじく」を意味する価格帯を特定することは可能。

私は、TradingViewではなくMT4を使用しているのですが、ローソク足チャートで見る拒絶が起きた価格帯という場所は、「チャートを使って水平線を引く方法」この項目で解説してもらえるのでしょうか。
はい、「チャートを使って水平線を引く方法」の記事ではローソク足だけを使ってラインを引く方法を解説します。ラインを引く位置は基本的には「拒絶」「はじく」が起きた場所となります。
ラインの引き方 後編1 価格帯別出来高を使わない方法
すごいわ。感動。感謝。感心。
この講座に参加して、間違いなかった。スタートしたばかりでこんなきもち。これからも楽しみにしています。
FX 全くの 初心者です 「価額帯出来高」そのものが 頭の中で よく理解が 出来てませんが 将来が 少し 不安に なりましたが 最後まで 頑張って 見たいと 決意しました(^_-)-☆
LVNからどちらに動くかもちろんわかりませんが、「どちらに行く可能性が高い」というのはわかるものなのでしょうか??
多くの場合はブレークアウトするまでわからないのですが、相場サイクルのなかでの位置やレンジ内のスイングの強弱分析である程度予測できることがあります。
サンチャゴさん、すばらしいコンテンツをありがとうございます。
これを私達に公開する決断をしていただいたことに感謝申し上げます。
私はトレード歴は長いんですが、ようやく最近になって、安定勝ちの可能性が見え始めた、というくらいの者です。
LVMのこと、すごくよくわかりました。というか、しっくりきたという感じです。
経験的に、なんですが、例えば、上昇トレンドの押し目を拾うときに、最下点を過ぎた後に「あ、このまま上がっちゃうかも」で、割と高めを掴んじゃうと、だいたい、その後、もう一回押しがあったりします。
私は、押し目ポイントがレンジっぽくなってるとき、レンジ下限に「引きつけて、買う」が経験から学んだことです。しかも、そのチャンスは、「一瞬」のことが多い。
このポイントが、今日の「LVM」の場所なんだと理解できまして、経験と別の理論が結びついた感覚でいま、感動しているところです。^^
ただ、この経験やノウハウがない方の場合、なかなか聞いただけではわかんなくて、それを頭に置いてトレードする、ってのをやらないと理解には至らないかも知れないな、と思いました。
今後この講座を進める上での参考になれば幸いです。
はい、LVNは「はじく」「反発」の性質を持っているのでチャンスは長く続かない部分がありますね。
LVNでエントリーできなくても、LVNでの反発を見てからエントリーするのであれば、エントリーする瞬間はHVNの中に入っていても全然よいと思っています。
続けて投稿です。
サンチャゴさんのブログや電子書籍は、以前から全て拝見させていただいていました。今回の有料コンテンツも、ご案内をいただいてから即決で申し込みました。
動画を拝見したところ、神様みたいな存在のサンチャゴさんとの距離感が、ぐっと縮まりました。w
動画は読むコンテンツとは違った理解ができるので、すばらしいと思います。
サンチャゴさんご自身も、動画作成にあたって、何かしらのチャレンジをされているんだろうな、と勝手に想像しております。
大変僭越ながら、1点だけ。
私の頭の回転が悪くてついて行けないだけかも知れませんが、も少しゆっくりお話になってもよいかと思いました。^^;
アナウンサーは、単語それぞれは早く、単語間の間は一呼吸おく、というメリハリで原稿を読むんだそうです。「、」で0.5秒、「。」で1秒、だったかな。
これって、しゃべる方としてはすごく超大な時間に感じますが、初めて話を聞く人にとっては、ちょうどいいんだそうです。
そうすると、聞き手がテンポよく理解できるようになるんだそうです。
ま、なんかそんなこと言ってるヤツもいた、ってことで。^^
はい、私にとって動画は新しいチャレンジです。お聞き苦しい部分が多いと思いますが、少しずつ慣れていけたらと思います。
ゆっくり話すことは大切ですね。自分で聞いてみてもそう思いました。ご指摘ありがとうございます。
価格帯別出来高の原則が
ガチで神動画だった件・・・。
素晴らしいコンテンツをいつもありがとうございます。
素朴な疑問なのですが、
TradingViewで価額帯出来高を表示させた場合、ロウソク足チャートの表示期間によって
LVNの価格帯の見え方が変わる、ということはあるのでしょうか?
つまり、価額帯出来高はどの期間の積み上げなのか、はチャートの表示期間に応じて変わる
ものなのでしょうか?
そうだとすると、どの期間の価額帯出来高を参考にすべきなのでしょう?
ご教授宜しくお願いします。
はい、チャートの表示期間によって価格帯別出来高の積み上がりの見え方は変わります。
どの期間を?に関しましては
こちらの記事で解説しました。参考にしてください。
昨日、価格帯別出来高の動画を見た後すぐに
MT4にマーケットプロファイルのインジを設定して
ユーロドル・ドル円・ポン円の5分足の動きを見たところ
バッチリ反応してました。
恐るべし価格帯別出来高の原則・・・・。
MT4で価格帯別出来高の原則を用いる時は、
マーケットプロファイルのインジでも代用できそうですね。
これからも目からウロコの楽しい講義を楽しみにしてます。
今度とも宜しくお願い致します。m(__)m
自分はアキュミュレーションやディストリビューション中にロスカットが浅すぎて振り落とされて来た事が多かったと思います。
いっそロスカットを入れずに耐えた方がいいのかも知れませんが、再アキュミュレーションや再ディストリビューションに引っ掛かった時は悲惨な事になるので難しい所です。
もう少し客観的に相場を見れるようにしたいです。
LVNの原則はものすごく腑に落ちました。
本当にこの講座を申し込んで本当に良かったと思います。
あと、話されるスピードはサンチャゴさんのやりやすいスピードでいいかと私は個人的に思います。
たくさんの方が受講されていると思います。プロ級の方や初心者の方や、人によっては早く話して欲しい人や、ゆっくり話して欲しい人や様々だと思います。
一人一人に合わす事は不可能だと思いますので、サンチャゴさんが話しやすいスピードで良いのでは個人的に思います。
それに動画なので何回でも見直せるのですから。
偉そうにすみません。
ありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです。
話すスピードは慣れていないので、どうしても不必要に速くなってしまう傾向があるようです。
人によって好みがありますね。
できる限りわかりやすくお話できればいいなと思います。
ありがとうございます。
価格帯別出来高の講義とても興味深く拝読しました。
早速tradingview Proplusのお試しに申し込みました。
が、講義と同じ出来高のインジケーターを表示するには、
どうしたらよいのですか。出来高でもいろいろな種類があるので、
ご指導いただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
価格帯別出来高の表示方法は
ラインの引き方前編
TradingViewの価格帯別出来高の表示方法
を参考にしてください。
サンチャゴさん、お世話になっております。VCA1.0 をありがたく拝聴させていただいております、有難うございます。
04_25_2016@15:05 ドル円1分足ですが、LVNとピボットではじかれ(抑えられ)ご教示通りショートの半分をHVNで利食い出来ました。貴重な講座内容を拝聴した直後に実際に体験出来たのでワクワク致しております。これまででしたらブレークアウト狙いでロングエントリーしていたかもしれません。いきなり体験できたので今後ますます期待が高まります。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
本当に素晴らしいの一言です、
ありがとうございます。
質問はこちらのコメントでのみ受付でしょうか。
質問
チャートに価格帯出来高を表示させると、表示される期間によって価格帯が違いますが
これはどう考えたら良いのでしょうか。
自分は株式でスウィング(~2週間くらい、塩漬けはもっと長い)していますが
全般的記述がFXメインのように感じられます。
FXに疎いので、株のスイングに藻当てはまるのかな?
と不安になることがあります。
はい、チャートの表示期間を変えることで、価格帯別出来高は変動します。
価格帯別出来高は、「計算対象となる期間」における出来高を、価格帯別に集計したものだからです。
「計算対象となる期間」、つまりチャートの表示期間が変更されれば、価格帯別出来高も変わります。
じゃ、どれぐらいの期間を表示すればよいか?については、
こちらのページで解説しています。
チャートの中でLVN,HVNを見分けるインジケーターはどこから入手できますか?
http://sokusenryoku-fx.com/fx-chart/tradingview-master/
http://sokusenryoku-fx.com/fx-chart/tradingview-volume-profile/
TradingViewの有料版で使うことができます。
上記の記事を参考にしてください。
tradingviewで225先物のチャート(価格帯別出来高)は見られるのでしょうか?
225先物のミニにおけるLVNやHVNが確認できればいいなと思ったのですが・・
残念ながらTradingViewではまだ大証のデータが採用されていないので、日経225先物のチャートを見ることができません。
CFDのJPN225がかなり近いですが、全く同じではありません。
trading viewを先週契約して今使っています。
価格帯別出来高を非常に重宝しています。
教えていただきありがとうございました。