前回までの解説で、最低限知っておいてほしい原則的なことを理解していただいたと思います。
ここではVCA1.0手法の概要をざっと眺めてみましょう。
このページで詳細までは解説しません。
まずはどんなエントリーポイントでエントリーするのか、そしてどんな作業手順があるのかをざっくりと理解してください。
この段階ではわからないことがあっても全然大丈夫です。
今後アップしていく記事や動画の中で詳細に解説します。
なにごとも全体像をなるべく早くつかんでおくほうが理解が早いと思いますので、細かいことを解説する前にざっくりと全体を見てもらおうと思ったのです。
私のトレード手法は
この2つの原理をバックボーンとしてエントリーチャンスを探る手法です。
エントリーの瞬間にはプライスアクションのシグナルを使うことも多々あります。しかしローソク足のシグナルそのものにウェイトを置くわけではありません。
あくまでサイクルとバリューを最重視します。
また、たった一つのエントリーセットアップをトレードしているわけではありません。
今どの段階にいるのかを考慮して、状況状況でエントリーセットアップを使い分けています。
相場で勝てる状況はほとんどすべてカバーしていると思います。
基本的には、過去の値動きにおいて「反発」や「はじく」が起きたポイントでエントリーします。
エントリーの瞬間には、下位足において強い値動きに逆らわないように気を付けます。
トレード手法とは結局のところ3つしかない
トレード手法というのは、結局のところ、3つしかありません。
- レンジの逆張り
- プルバック
- ブレークアウト
1.レンジの逆張り
バリューを発見した段階、つまりアキュムレーションかディストリビューションが行われているレンジをなるべく早く認識します。そしてそのレンジ相場の割安で買い、割高で売る手法です。
2.ブレークアウトの手法
アキュムレーションかディストリビューションのレンジがしばらく続いたことを確認します。そしてそのレンジを勢いよくブレークアウトしていく値動きにチャンスがあれば順張りでエントリーします。ブレークアウト直後のプルバックでエントリーすることも多いです。
3.プルバックエントリー
アキュムレーションかディストリビューションの後にブレークアウトが起こり、そのあと強いトレンドが発生している状態を認識します。そしてLVNや反発ポイントへのプルバックでエントリーする手法です。
次は、4つの相場サイクルを2つに分けてエントリーポイントの概念図を見てみましょう。
アキュムレーション(買占め)~マークアップにかけてのエントリーポイント
アキュムレーション(買占め)からマークアップ(つり上げ)にかけてのエントリーポイントです。

- アキュムレーション中のレンジ逆張り
- アキュムレーションからのブレークアウト
- マークアップ中のプルバック
これらがアキュムレーション~マークアップのサイクルにおける優位性のあるエントリーポイントです。
図の中にシレっと「キャラチェンジ」という言葉が入っています。しかしこれについてはまた別の記事で詳細に解説しますので、ここはサラッと流してください。
キャラチェンジについて短く解説すると、これは「トレンド状態」からレンジ状態に変化する兆候のことです。平たく言うと、ものすごく目立つ逆行の動きのことです。
レンジ相場において重要なポイントは、アキュムレーションやディストリビューションが始まったら、しばらくの間はブレークアウトが失敗しやすい相場になるということです。
アキュムレーションで大口がやろうとしていることを考慮すればその理由を理解できます。
大口はその辺りの価格帯で巨大な買いポジションを作りたいと思っています。
ですから…
・ポジションができる前に上がりすぎたら、下がるように仕向ける
・下がったら買い集める(買い支える)
巨額の資金を持った大口機関投資家がこのようなことをするわけですから、その辺りの価格帯からのブレークアウトが伸びにくくなって当然です。
しばらくレンジが続いた後、勢いよく上に抜けてグイグイと上げていくなら、下位足を使ってLVNなどで積極的にプルバックを拾っていきます。マークアップが始まるとぐずぐずしていると置いていかれてしまうので、アグレッシブにエントリーしていきます。
ディストリビューション(売り抜け)~マークダウン(叩き落し)にかけてのエントリーポイント
上昇相場が終盤を迎え、大口トレーダーがディストリビューション(売り抜け)を行い、そこから下降トレンド(マークダウン)が起きるまでのエントリーポイントです。

- ディストリビューション中の逆張りエントリー
- ディストリビューションが終わった後のブレークアウト
- マークダウン中のプルバック
これらのエントリーポイントがいつも実現するわけではありません。アキュムレーションやディストリビューションがいつも同じ形のレンジ相場になるわけではないからです。
しかしこの基本形をイメージし、このようなチャンスが来るまでにひたすら待つことができ、チャンスが来なかった時にはスルーできる忍耐力があれば、あなたは素晴らしトレーダーになれるはずです。
ここまでの解説だけでは、なんとなくしか理解できないと思います。
でも心配しないでください!
今後の記事や動画で詳細を解説していきます。この段階ではなんとなくこんなポイントでエントリーするんだな、程度でOKです。
トレードではどんな作業がある?
次に、VCA1.0のトレード手法を実践していく場合の手順をざっくりと解説しておきます。
ここでは詳細な手順を解説するのではなく、どんなことをするのかのイメージをつかんでいただくためであり、この段階ですべてを理解できる必要はありません。
基本的には2つの時間軸チャートを使います。
上位足と下位足です。
上位足と下位足を両方分析することにより、上位足のサイクルやスイングの方向を考慮して下位足のセットアップでエントリーすることができます。
私のFXにおけるスイングトレードの場合、上位足は日足か4時間足。エントリーに使う下位足は5分足~30分足を使うことが多いです。
チャートに高精度なラインを引く
まずはチャートにラインを引き、チャートを地図のように使えるようにします。
ラインを引くことで見えてくることがたくさんあります。
私が今回皆さんにお教えするテクニックを使っていくつかのラインを引くことで、チャートを地図のように使えるようになります。そして優位性のあるエントリーポイントはここ、というのがわかるようになります。
どのようなラインを引くかというと
・水平線
・トレンドチャネル(トレンドライン)
特に重要なのは水平線です。
価格帯別出来高
チャート読解
マルチタイムフレームピボット
などのテクニックを使って水平線を引いていきます。
TradingViewの有料版を使いたくない場合もあるでしょう。また株や日経225先物ではTradingViewを使えません。
そのような場合でも、価格帯別出来高を使わずにローソク足チャートだけを使って価格帯別出来高を使ったのと同じようなラインを引くことは可能です。
私も最近は日本株と先物においては価格帯別出来高を使わずにラインを引くことがほとんどです。(別のページで詳細に解説します)
とはいえ、TradingViewの価格帯別出来高を使う方法が一番楽に高精度の水平線を引くことができます。
上位足の相場サイクル分析
上位足において、相場サイクル(アキュムレーション、マークアップ、ディストリビューション、マークダウン)のどこにいるのかを分析します。
上位足のスイング分析
相場はまっすぐには進まず、ジグザグに進んでいきます。その上げ下げをスイングと言います。
上位足において、今は上げのスイングなのか下げのスイングなのかを見極めます。
下位足(エントリーに使う時間軸チャート)分析
上位足はどの相場サイクルにいるのか?
スイングの方向はどっちなのか?
を考慮し、なるべく上位足のサイクル/スイングとシンクロするようにエントリーを狙います。
下位足でもスイングの分析やサイクルの分析を行います。
相場のサイクルはいろんな時間軸においていろんな規模で起きています。
出来高と値幅を使ってスイングの強弱分析を行い、強さに順張り 且つ 弱さに逆張り ができるように心がけます。特に強い値動きには逆らわないように気を付けます。
これは、株や先物におけるテープリーディングに相当するスキルです。
エントリー
エントリーの方向性が決まったら、重要なラインまで引き寄せ、リスクレワード比を計算し、割に合うと判断すればエントリーします。
その時にピンバーなどのプライスアクションを使うことがあります。
先ほども述べましたが、このときに決して強いスイングに逆らわないようにします。
強いスイングに順張り、弱いスイングに逆張りの意識を持ちます。
ポジション管理
エントリーと同時にロスカット注文と利食い注文を入れます。
ロスカット注文と利食い注文の位置には水平線を使い、なるべく意味のある位置に注文を入れるようにします。
マークアップやマークダウンのエントリー(トレンドのエントリー)の場合は、ポジションの一部で利益を伸ばします。
下位足でエントリーした後、上位足が決定的な形で閉じれば、そのまま上位足を使ったトレードにシフトする場合もあります。これはデイトレードでエントリーしたポジションをスイングトレードに移行するようなことです。
トレード日誌の入力
エントリーした後とポジションを閉じた後は必ず簡単なトレード日誌に入力します。
エクセルなどのスプレッドシートを使うと便利です。
攻めのトレード日誌もお勧めです。
私は以上のような手順を日々繰り返しています。

チャンスが来るまでひたすら待つことが出来るようになり、
現状(サイクル上の段階)の精緻な分析を行い、それを正しく認識した上で、
割に合ったエントリー(強いスイングに順張り、弱いスイングに逆張、レンジの逆張り)のみを行い、リーズナブルなエグジットが出来るようになる!
お陰様で目標がちょっとずつ具体的になってきました。
同時に、今後何をご教示頂くのかの方向性が完璧に腑に落ちたので焦らずやり遂げることが出来ると確信しました。
VCA1.0は正にvalue for money「以上」なことは間違いない!ワクワクします、申し込んで良かった。
LVNで水平線を精緻に引く事に関してはここまでやるのか!と目から鱗でした。実際にピボット&LVNで値動きが反発やブレークアウトする事を体験して、これまで一体何をやっていたのか、、、これまで使ってきたテクニカルがたまたま正しい方向だっただけなのだろうなぁ。。。
現状、これまでのエントリーが「ギャンブル」に思えてポジションテイクが出来なくなり、もう一度ROUNDERSを観たくなりました。。
LVNやピボット、サイクル分析に基づいた理にかなったエントリー、エグジットを早く学び身に着けたいと強く思います。
一点、価格帯別出来高を拾ってくるのに必要な期間をスクリーンに表示した場合ローソクが小さくなってごちゃごちゃしてしまい、それにピボットを加えると一層プライスアクションが見え辛くなってしまいます。答えは無いのかもしれませんがチャートの表示が困りました。どうすればいいのでしょうか、ご教示頂ければ幸いに存じます。
ありがとうございます、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
ピボットインジを表示すると上下方向に圧縮されたようになるので、手動で丁度良い上下幅に拡大する必要があります。チャート右のスケールをドラッグすれば調節できます。
マルチタイムフレームピボットや価格帯別出来高は、今のトレードに関係あるラインを手動で引いたら、一旦インジケーターを外してしまうのもよいと思います。
TradingViewのコツ
こちらの動画記事集もお役に立てたらと思います。
毎回楽しみにしております。ここまで聞かせていただいて、全体を通しての質問になりなりますが、株への応用は可能でしょうか?5分足、1分足等でなどで見る際の注意点等はありますでしょうか? 脱線しますが、宜しくお願い致します。
もちろん株や日経225ミニ先物への応用が可能です。
今のところまだTradingViewが日本株と日経225先物に対応していないので(2016年6月末に対応予定)、分析が面倒ではあります。
5分足や1分足等で見る際の注意点は
特に1分足ですが、位置的優位性をとる必要性が上がります。
遅れてエントリーする場合のリスクが高まるということです。
ローソク足のパターンを確認して遅れてエントリーしていてはスプレッドや取引コストの影響が大きいのでトータルで勝つのが難しくなってしまいます。
サンチャゴさん、
VCA1.0を2日前に購入したばかりで、まだ、読み終わっていないのですが、勉強の進め方として、通常のサイトでの手法、「本質のチャートトレード」での手法との兼ね合いについて教えてください。値動きの背景にフォーカスし、マーケットを動かす大手の動きを基礎として、チャートを読み解くという基本は、一貫していると思うのですが、具体的なアプローチには、違いがあります。例えば、通常サイトのアプローチは、「本質のチャートトレード」に比べて、トラップ等の大手の動きに関する要素が少ないため、プライスアクションの条件がより厳しかったり、また、CV1.0では、使用する時間足の数が、3本から2本になり、その各々の役割が変わっています。今、VCA1.0を学習するものとしては、これに準拠し、以前の手法は、VCA1.0のそれと抵触しないものだけを、頭にとどめておくというアプローチで良いでしょうか?
また、初心者の使うべき時間足ですが、通常サイトでは、かなり強く、日足~4時間足のスイングから始めることを説かれています。まず、その長い足で、安定した利益が出るようになってから、より短いデイトレードの5分足をメインにするトレードを行うべきで、より早くやりたいならば、練習ツールのみで、5分をすべきと。一方、「本質のトレード」では、メインで4時間か、5分かは、むしろ性格に合うか、否かが大きく、自分に合った方を選べばよい、ということでした。今、VCA1.0を理解し、実践しようとする局面で、どのよな指針で行うのがいでしょうか?
>勉強の進め方について
一旦真っ白な状態でVCA1.0を読んでいただき、エントリーセットアップのシグナルのみ、「本質のチャートトレード」で学んだシグナルを使ってみてください。使わなくても良いです。
VCA1.0によりバリューやサイクルの理解を深めることで、相場環境を読む力が付いてきます。徐々にエントリーシグナルのウェイトが小さくなっていくことに気付くでしょう。
>時間軸や時間軸の数について
日足や4時間足など、普段の分析に使う基本の時間軸がありますが、エントリーするときには自分が必要だと思うだけ時間軸を小さくしていくアプローチしています。
私は現在いくつの時間軸を見る、という決まりを持っていません。
4時間足の分析でエントリーポイントが近いなら、30分足に下げてそのレベルのサイクルやバリューを読んで有利なエントリーポイントを探ります。さらに5分まで下げると有効だと感じ、時間に余裕があるなら、5分まで下げてデイトレードでエントリーします。
時間軸は2つでもよいですし、3つでもよいです。あまりそこにこだわりすぎる必要はありません。
要は損益比率的に有利にエントリーするチャンスがあり、じっくり見れる時間的余裕があれば下の時間軸に降りていけば良いという考え方です。
>トレードする時間軸について
ブログでは、FXの場合は長い時間軸をお勧めしていました。
長い時間軸のほうが勝ちやすいことは間違いありません。
・トレードとトレードの間に時間を取って頭を冷やせる
・スプレッドの影響が弱まる
・値が滑っても影響が小さい
などのメリットがあるからです。
しかしそれぞれに性格も違いますし、デイトレードが勝てないというわけではありませんので、ご自分の性格を理解したうえで時間軸を決めればよいと今は思っています。
ただし、1分足をメインとするようなトレードで安定して勝てる人は、ベテランのプロでもほとんどいないと思いますので、やめたほうが良いです。
少なくとも5分足よりも上の時間軸でいろいろやってみて、しっくりくる時間軸を選べば良いと思います。
ありがとうござます。まだ、読み始めたばかりですが、ビデオで言われたことを、なるべく実践しようと、少額の実弾練習をしていますが、既に、昔の、根拠のない間抜けなトレードが、目に見えて減りました。また、何より、相場環境を見極め、その中でチャンスを狙うというプロセスの為、ポジポジ病が大幅に改善しました。とはいっても、つい、下位足にのめり込んで、余分なトレードをしてしまったりしますが、ログに入れる段階で、間違いが明らかになってくるので、成長に向けた確かな手ごたえを感じています。ありがとうござました、これからも、宜しくお願いします。
Peso様
>ログに入れる段階で、間違いが明らかになってくるので、成長に向けた確かな手ごたえを感じています
その感覚は素晴らしいと思います。
ログの分析もできれば、何を省くべきなのかが分かってくると思います。
無駄を省いていけば、「あれ、今月はプラスだ」となってくるのではないかと思います。
頑張ってください。
サンチャゴさん素敵ですね!
声色から人間性が伺えます。
「騙されてもいい!」
私は何かしらの情報を得るとき、こう思えるものに出会えるよう心がけます。
無論、あなたも私にとってその様な御仁の一人です。
私は自身の行動とその存在によってあなたの情報には優位性がある、ということを表せるよう善処します。
わが師、サンチャゴ様!
今後ともよろしくお願いいたします。
お粗末さまでした、笑
サンチャゴ様
私のFX経験は若干3か月ですが、「TradingView」素晴らしいです。 価格帯別出来高を早速表示させトレードしました。最初は半信半疑でした(失礼)が、実際に試したところ確実にHVNに吸着して利益が出ました。有料のPro+に申し込みしましたが、ペイ出来ると確信しています。感謝の気持ちで一杯です。今後ともよろしくお願い致します。本当に有用な情報をありがとうございました。