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VCA1.0の全体像

前回までの解説で、最低限知っておいてほしい原則的なことを理解していただいたと思います。

ここではVCA1.0手法の概要をざっと眺めてみましょう。

このページで詳細までは解説しません。
まずはどんなエントリーポイントでエントリーするのか、そしてどんな作業手順があるのかをざっくりと理解してください。

この段階ではわからないことがあっても全然大丈夫です。

今後アップしていく記事や動画の中で詳細に解説します。

なにごとも全体像をなるべく早くつかんでおくほうが理解が早いと思いますので、細かいことを解説する前にざっくりと全体を見てもらおうと思ったのです。

私のトレード手法は

バリュー
相場のサイクル

この2つの原理をバックボーンとしてエントリーチャンスを探る手法です。

エントリーの瞬間にはプライスアクションのシグナルを使うことも多々あります。しかしローソク足のシグナルそのものにウェイトを置くわけではありません。

あくまでサイクルとバリューを最重視します。

また、たった一つのエントリーセットアップをトレードしているわけではありません。

今どの段階にいるのかを考慮して、状況状況でエントリーセットアップを使い分けています。

相場で勝てる状況はほとんどすべてカバーしていると思います。

基本的には、過去の値動きにおいて「反発」や「はじく」が起きたポイントでエントリーします。

エントリーの瞬間には、下位足において強い値動きに逆らわないように気を付けます。

トレード手法とは結局のところ3つしかない

トレード手法というのは、結局のところ、3つしかありません。

  1. レンジの逆張り
  2. プルバック
  3. ブレークアウト

1.レンジの逆張り
バリューを発見した段階、つまりアキュムレーションかディストリビューションが行われているレンジをなるべく早く認識します。そしてそのレンジ相場の割安で買い、割高で売る手法です。

2.ブレークアウトの手法
アキュムレーションかディストリビューションのレンジがしばらく続いたことを確認します。そしてそのレンジを勢いよくブレークアウトしていく値動きにチャンスがあれば順張りでエントリーします。ブレークアウト直後のプルバックでエントリーすることも多いです。

3.プルバックエントリー
アキュムレーションかディストリビューションの後にブレークアウトが起こり、そのあと強いトレンドが発生している状態を認識します。そしてLVNや反発ポイントへのプルバックでエントリーする手法です。

次は、4つの相場サイクルを2つに分けてエントリーポイントの概念図を見てみましょう。

アキュムレーション(買占め)~マークアップにかけてのエントリーポイント

アキュムレーション(買占め)からマークアップ(つり上げ)にかけてのエントリーポイントです。

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  • アキュムレーション中のレンジ逆張り
  • アキュムレーションからのブレークアウト
  • マークアップ中のプルバック

これらがアキュムレーション~マークアップのサイクルにおける優位性のあるエントリーポイントです。

図の中にシレっと「キャラチェンジ」という言葉が入っています。しかしこれについてはまた別の記事で詳細に解説しますので、ここはサラッと流してください。

キャラチェンジについて短く解説すると、これは「トレンド状態」からレンジ状態に変化する兆候のことです。平たく言うと、ものすごく目立つ逆行の動きのことです。

レンジ相場において重要なポイントは、アキュムレーションやディストリビューションが始まったら、しばらくの間はブレークアウトが失敗しやすい相場になるということです。

アキュムレーションで大口がやろうとしていることを考慮すればその理由を理解できます。

大口はその辺りの価格帯で巨大な買いポジションを作りたいと思っています。
ですから…

・ポジションができる前に上がりすぎたら、下がるように仕向ける
・下がったら買い集める(買い支える)

巨額の資金を持った大口機関投資家がこのようなことをするわけですから、その辺りの価格帯からのブレークアウトが伸びにくくなって当然です。

しばらくレンジが続いた後、勢いよく上に抜けてグイグイと上げていくなら、下位足を使ってLVNなどで積極的にプルバックを拾っていきます。マークアップが始まるとぐずぐずしていると置いていかれてしまうので、アグレッシブにエントリーしていきます。

ディストリビューション(売り抜け)~マークダウン(叩き落し)にかけてのエントリーポイント

上昇相場が終盤を迎え、大口トレーダーがディストリビューション(売り抜け)を行い、そこから下降トレンド(マークダウン)が起きるまでのエントリーポイントです。

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  • ディストリビューション中の逆張りエントリー
  • ディストリビューションが終わった後のブレークアウト
  • マークダウン中のプルバック

これらのエントリーポイントがいつも実現するわけではありません。アキュムレーションやディストリビューションがいつも同じ形のレンジ相場になるわけではないからです。

しかしこの基本形をイメージし、このようなチャンスが来るまでにひたすら待つことができ、チャンスが来なかった時にはスルーできる忍耐力があれば、あなたは素晴らしトレーダーになれるはずです。

ここまでの解説だけでは、なんとなくしか理解できないと思います。

でも心配しないでください!

今後の記事や動画で詳細を解説していきます。この段階ではなんとなくこんなポイントでエントリーするんだな、程度でOKです。

トレードではどんな作業がある?

次に、VCA1.0のトレード手法を実践していく場合の手順をざっくりと解説しておきます。

ここでは詳細な手順を解説するのではなく、どんなことをするのかのイメージをつかんでいただくためであり、この段階ですべてを理解できる必要はありません。

基本的には2つの時間軸チャートを使います。
上位足と下位足です。

上位足と下位足を両方分析することにより、上位足のサイクルやスイングの方向を考慮して下位足のセットアップでエントリーすることができます。

私のFXにおけるスイングトレードの場合、上位足は日足か4時間足。エントリーに使う下位足は5分足~30分足を使うことが多いです。

チャートに高精度なラインを引く

まずはチャートにラインを引き、チャートを地図のように使えるようにします。

ラインを引くことで見えてくることがたくさんあります。

私が今回皆さんにお教えするテクニックを使っていくつかのラインを引くことで、チャートを地図のように使えるようになります。そして優位性のあるエントリーポイントはここ、というのがわかるようになります。

どのようなラインを引くかというと

・水平線
・トレンドチャネル(トレンドライン)

特に重要なのは水平線です。

価格帯別出来高
チャート読解
マルチタイムフレームピボット

などのテクニックを使って水平線を引いていきます。

TradingViewの有料版を使いたくない場合もあるでしょう。また株や日経225先物ではTradingViewを使えません。

そのような場合でも、価格帯別出来高を使わずにローソク足チャートだけを使って価格帯別出来高を使ったのと同じようなラインを引くことは可能です。

私も最近は日本株と先物においては価格帯別出来高を使わずにラインを引くことがほとんどです。(別のページで詳細に解説します)

とはいえ、TradingViewの価格帯別出来高を使う方法が一番楽に高精度の水平線を引くことができます。

上位足の相場サイクル分析

上位足において、相場サイクル(アキュムレーション、マークアップ、ディストリビューション、マークダウン)のどこにいるのかを分析します。

上位足のスイング分析

相場はまっすぐには進まず、ジグザグに進んでいきます。その上げ下げをスイングと言います。
上位足において、今は上げのスイングなのか下げのスイングなのかを見極めます。

下位足(エントリーに使う時間軸チャート)分析

上位足はどの相場サイクルにいるのか?
スイングの方向はどっちなのか?

を考慮し、なるべく上位足のサイクル/スイングとシンクロするようにエントリーを狙います。

下位足でもスイングの分析やサイクルの分析を行います。

相場のサイクルはいろんな時間軸においていろんな規模で起きています。

出来高と値幅を使ってスイングの強弱分析を行い、強さに順張り 且つ 弱さに逆張り ができるように心がけます。特に強い値動きには逆らわないように気を付けます。

これは、株や先物におけるテープリーディングに相当するスキルです。

エントリー

エントリーの方向性が決まったら、重要なラインまで引き寄せ、リスクレワード比を計算し、割に合うと判断すればエントリーします。
その時にピンバーなどのプライスアクションを使うことがあります。

先ほども述べましたが、このときに決して強いスイングに逆らわないようにします。
強いスイングに順張り、弱いスイングに逆張りの意識を持ちます。

ポジション管理

エントリーと同時にロスカット注文と利食い注文を入れます。
ロスカット注文と利食い注文の位置には水平線を使い、なるべく意味のある位置に注文を入れるようにします。

マークアップやマークダウンのエントリー(トレンドのエントリー)の場合は、ポジションの一部で利益を伸ばします。

下位足でエントリーした後、上位足が決定的な形で閉じれば、そのまま上位足を使ったトレードにシフトする場合もあります。これはデイトレードでエントリーしたポジションをスイングトレードに移行するようなことです。

トレード日誌の入力

エントリーした後とポジションを閉じた後は必ず簡単なトレード日誌に入力します。
エクセルなどのスプレッドシートを使うと便利です。

攻めのトレード日誌もお勧めです。

攻めのトレード日誌エクセル版の使い方

私は以上のような手順を日々繰り返しています。

素晴らしい手法を学ぶにおいて知っておくべきこと

私のVCA1.0は素晴らしいトレード手法です。

最初の数回の動画を観ていただいただけでも「目から鱗」と思われるでしょう。
そしてこう思うかもしれません。

これはすごい!
余裕で勝てるようになりそう!
負けないようになりそう!

みなさん、そうは思わないでください!

残念ながら、どんなに素晴らしい手法でも、負けるときは負けます。
何時も勝てる手法はありません。

第3の勢力

ローソク足チャートや出来高、そして価格帯別出来高などをつかって我々に分析できるのは2つの勢力です。

第1の勢力   すでに買った人
第2の勢力   すでに売った人

これら2つの勢力はとても重要で、その先の値動きに大きな影響を与えます。

しかしそれよりももっと強大な勢力が存在します。
それは…

第3の勢力   これからエントリーする人

これからエントリーする人がそのあとの値動きに与える影響が一番大きいです。

とてつもない資金量を持つ大口機関トレーダーがいて、いきなり大きな売り注文を投下してきたら、それまでにチャートがどうなっていようが関係なく下がってしまいます。

チャートや価格帯別出来高など関係ありません。
もうそれまでに起きていたことなどなにも関係ない値動きになってしまいます。

何がおきるかわからない

第1と第2の勢力をどんなに上手く分析しても、それをすべてキャンセルしてしまう第3の勢力の存在を心から理解しましょう。

そして、何をどう分析しようが、基本的には「これから何が起きるかは決してわからない」というスタンスでいることが重要です。

その気持ちを持てるようになれば、トレードが確率の問題だと理解できるようになります。

一回一回のエントリーの重要性や負けトレードの深刻さが軽くなってきます。

その境地に達したトレーダーが私のVCA1.0をマスターし、自由自在にエントリーとロスカットを繰り返すことができるようになるなら、そのトレーダーが安定して勝てるようなるでしょう。

逆にVCA1.0の分析を過信し、「自分には何が起きるかわかっている」というスタンスでトレードをすると、とんでもないへまを犯すことになるでしょう。

そして安定して勝てるようになるどころか、大きな損失を出して相場から退場させられると思います。

ですから、これから私がお教えするトレード手法がどんなに理に適っていて、どんなに素晴らしいと思っても、それを過信しすぎないようにしてください。

ランダムウォーク

ランダムウォークというえらい人が考えた理論があります。

「相場の値動きは完全にランダムである」

という理論です。

半分は当たっていると思います。

相場の値動きの7割か8割は何が何だかわからないからです。

しかし残りの2割~3割の区間はなんとなく予測がつく動きになります。

相場サイクルやバリューを使って分析すると、「AよりもBになる確率のほうが高いな」という予測ができるのです。そしてその予測を65%ぐらいの正解率で的中させることができます。

相場で勝つというのは、わけのわからない8割の値動きをスルーし、65%の確率で正解できる2割の値動きだけを対象にしてトレードすることです。

過信しすぎない

私のエントリーの勝率は60%~65%程度です。
それを超える期間もありますが、長期的に見るとその程度です。

プロがひしめき合う厳しい相場において、80%の勝率で、しかもリスクレワード比10:1というトレードを長期的に実現するのは不可能だと思います。

メジャーリーグで野球選手が5割打つことができないのと同じです。

もしかしたら一時そんな選手がポッと出てくるかもしれませんが、長期的には投手たちに研究しつくされ、打率は落ちていくでしょう。

私が「○○が起きる可能性が高い」と言った場合、それは「○○ということが起きる可能性が、起きない可能性よりもちょっとだけ高い」ということだと理解してください。そしてそれは良くて65%ぐらいです。

それを、90%ぐらいの確率で起きるんだな!と思うと痛い目にあいます。どうか気を付けてください。

このページで解説したことをまだ体で覚えていない人は、

私がお教えすることを検証したり実際に数回トレードして、負けたからといって、「どうなっているんですか!?」「おかしいんじゃないですか!?」となってしまうかもしれません。

そんな方は、このページを暗記するぐらいに何度も読んでください。

VCA1.0をマスターできたら60%ぐらいの正解率でリスクレワード比の高いトレードができるようになる。それまでコツコツと努力しよう、という意識で取り組んでくださることを願います。

相場のサイクル ~大口の買占めと売り抜け

サラッと前回までのおさらいをしましょう。

相場とは双方向のオークションである。

需要と供給の勢いのバランスで、価格が上がったり下がったりする。

バリューという考え方を知っておくとトレードに役立つ。

最も多く売買が行われた価格帯がバリュー(適正価格)と呼ばれる。

HVN = 出来高が多く、適正価格を中心とした価格帯 = 吸着 = ターゲットとして使える

LVN = 出来高が極端に少なかった価格帯 = 拒絶 = 反発 or ブレークアウト = エントリーポイントとして使える

前回までの解説を読んだ方は、水平線を引いて、早速トレードしたい気持ちになっているかもしれません。もしくは、もっと詳しくラインの引き方を教えてくれ!と思っているかもしれません。

しかしまずは「相場の考え方」の部分をしっかりと学んでいただきたいので、具体的なトレード手法の解説に進むのはちょっと待っていただきましょう。

このセクションではバリューと組み合わることでさらにレベルアップできる考え方、「相場のサイクル」について解説します。

私のトレードにおいて最も大切な2つの考え方は、「バリュー」と「相場サイクル」です。

このセクションの内容を理解したら、あなたは具体的な手法について学ぶ用意が整います。頑張っていきましょう。

バリューだけじゃない

相場には適正価格があり、永遠にその価格を中心として上げたり下げたりするのでしょうか。
それならばトレードは簡単なのですが、残念ながらそうではありません。

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ある程度の期間、バリューを中心として上下動した後は、
上なのか下なのかはわかりませんが、大きなブレークアウトが起きます。
そして全然違う価格帯に向けて旅立ちます。

これは相場の自然現象として起きているのかもしれませんし
対象となる会社、通貨なら国の政治・経済、商品先物なら採掘量や生産量の変化によって起きるのかもしれません。

しかしもっと役に立つ考え方があります。

それは、とてつもなく大きな資金を動かす大口トレーダーや投資シンジケート団などが、株や通貨や先物などの買占めやつり上げ、売り抜け、叩き落しなどをしているという考え方です。

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それは決して一つのグループが相場を完全に支配しているということではありません。彼らのネットワークや巨額の資金、そして情報操作により、自分たちにとって少しだけ有利な状況を作り出し、大きなポジションをなるべく安い価格で買ったり、高値で売り抜ける戦略を使っているということです。

買占めと売り抜け

巨大な大口トレーダーのシンジケート団が買占めと売り抜けをしているという考え方は、100年ぐらい昔のアメリカで広まったのではないかと思います。ジェシー・リバモアやワイコフが活躍していたころのアメリカです。

今の時代にある勝てるトレード手法のほとんどすべては、この時代の考え方がベースになっているのではないかとさえ思います。

私の相場についての考え方は、ワイコフの本やリバモアの伝記、その他WEB上で読める記事などから学んだこと、そしてマーケットプロファイルについてのノウハウを長い時間をかけて私なりに消化し、そしてアレンジしたものです。

相場には4つのサイクルがあります。

それは、

・アキュムレーション(買占め)
・マークアップ(つり上げ)
・ディストリビューション(売り抜け)
・マークダウン(叩き落し)

この4つのサイクルが繰り返されています。

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伝統的な考え方では、まずアキュムレーションという、大口の買占めの段階からはじまります。

アキュムレーションという買占めの段階で、大口は「在庫」を仕入れます。
大口トレーダーにとって、その金融商品が将来値上がりする可能性が高いと思っているのであれば、なるべく良い値段で買い集めたいと思うはずです。

ここでいう大口トレーダーは、株を10万株とか、FXの通貨ペアを100万通貨とかを買って満足するレベルではありません。

株なら何百万株でしょうか、FXなら何億通貨単位という感じなのでしょうか、ちょっとわれわれ一般投資家には想像もできないぐらいの数量を買います。

それぐらい大量に買うわけですから、数回の注文で買いきれるものではありません。買いたい数量を一気に買おうとすると、自分の買い注文で値段が一気に上がってしまい、不利な立場に陥ります。

当然ですね。値が上がりながら大量に買うわけですから、後のほうに買った分の単価は高くなり、全体の平均値が上がってしまいます。そうなると、ちょっと下がっただけで含み損になってしまいますから、利益を出して売り抜けるのが難しくなるのでしょう。

買いたかった価格付近まで価格が下がって来たら、10買っては8を売り、トータルでは2の買いというようなことを繰り返します。10を買うと少し値が上がりますが、そこで8を売って上がらないようにします。ダウントレンドなので、買うほうが多くても勢いで下げてくれるのでしょう。

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そうやって同じような位置で何度も何度も買いと売りを繰り返し、時にはわざとその金融商品についての悪いニュースや噂を流したりして意図的に下げさせて下値で買うといったことさえするかもしれません。

買占めの段階でしつこいほどに下値で振るい落としが起きるのはマークアップ(つり上げ)の段階でなるべく売りが出てこないようにするためです。

下値で振るい落とされてしまうような弱い買い手が、もし振るい落とされていなかったら、マークアップ(つり上げ)をする段階で「やれやれ」と言って売ってきます。

その段階での売りをつり上げをしたい大口は好まないはずです。

そうやって大口は巨大な在庫を作っていきます。

いったん巨大な在庫が完成したら、今度は価格を釣り上げていきます。釣り上げていく段階を、「マークアップ」といいます。このマークアップではぐいぐい値が上がっていきます。

買占めの段階で弱い買い手、つまりちょっと上がったぐらいで利食いしてしまうような腰の引けた買い手は振るい落とされているので、上げ始めても売りがそれほど出てこず、すんなりと上げていきます。

そして目標の価格までつり上げると、今度は買いポジションを売り抜けるために、ディストリビューションと呼ばれる売り抜けを行います。

ここでも買い集めた時と同じように、すべての在庫を一気に売り抜けようとすると、自分の売り注文で値が下がってしまうので、10売っては8買うというようなことを繰り返し、全部利食いする前に下がってしまわないようにします。

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そして全てのポジションを売りさばいたら、今度は、また安値で在庫を仕入れるために、価格を下げます。もしくは、高値でショートポジションを作ったので下げるということかもしれません。

この下落の段階をマークダウンといいます。

高値で買って安値で売る負け組み投資家

誰が安値で売るんだ?
誰が高値を買うんだ?

と思うかもしれません。

誰だって安くなっている時に買いたいでしょうし
売るなら高い値段で売りたいですよね。

でも考えてみてください。
負け組みの投資家は、高値を買わされる、安値で売らされる、といった行動を繰り返します。

負け組の投資家が買いポジションを持っている状態で、値が下がってしまうとします。
ほとんどのトレーダーはすぐにはロスカットしません。

難平買いをしたりして、トントンになってから手じまおうとするでしょう。

でもどんどん下がっていきます。
それでも我慢します。

そしてさらにぐいっと下げの勢いがさらに加速し、ニュースでは世界経済の終わりのようなことを言い始めます。

そうなると、そこま我慢して買いポジションを持ち続けていた人も、我慢できなくなって買いポジションをロスカットします。強制ロスカットになってしまう人もいるでしょう。

そのロスカット注文は売り注文です。

そんなわけで、いくら安値でも売り注文は出てきます。というか、安値だからこそ勢いよく売り注文がでてくるというのがあります。

その売り注文を吸収する形で大口は買占めを行っていると考えることができます。

高値で買いが入るのも、少し考えるとわかります。

株が上げ始めると、だれもが買いたいと思います。「買っておけばよかった」と後悔します。
そして、また下がったら買おうと思います。

でも下がってくれません。逆にぐいぐい上げていきます。

そして世間では良いニュースでもちきりになります。
「まだまだ上がる」とたくさんのアナリストが言い始めます。

その段階で、多くの負け組みは、我慢できなくなり、とうとう買いを入れます。
遅い買い注文を出す負け組みに売ってやるのは、大口トレーダーです。

高値だからこそ、負け組みの買いが勢いよく入ってくると言えるかもしれません。

また、早く空売りしすぎた人がロスカットになる、というのもあるでしょう。

このようなことが相場では繰り返されています。

様々な時間軸で、いろんな規模の相場サイクルが起こっています。

バリューと相場サイクル

あなたは気づきましたか?

相場における、4つの段階のうち

アキュムレーション(買占め)とディストリビューション(売り抜け)は、ようするに、相場がバリューを見つけた段階のことです。

大口トレーダーが「この価格なら買ってもいい」と思ったから、そこで買占めをひそかに行ったのです。

そこで売ってくれる(売るしかなくなる)負け組の投資家ががたくさんいるから買占めが行えます。

売るほうは狼狽売りなどで、喜んで売っているのではないでしょうが、実際に大量の取引が約定するわけですから、その価格帯では売り手と買い手が合意したことになります。

ディストリビューションでは、大口トレーダーが「ここなら売ってもいい」と思ったから、そこでディストリビューション(売り抜け)を行ったのです。

このように、アキュムレーションやディストリビューションで大量の取引が行われる価格帯はHVNになります。

「買い手と売り手が同意して大量の取引が行われてHVNになる」というのは、買い手と売り手の両方がハッピーで同意しているわけではありません。

多くの場合は買占めや売り抜けをしているほうはハッピーですが、その反対側にいるほうは痛みを感じている状況だと思います。

大口がある価格帯でアキュムレーションをするからそこで大量の取引が行われ、そこがHVN、つまりバリューとなります。

大口がある価格帯で売り抜けを行うと決めたからこそ、その価格帯まで上がり、そこで大量の取引が行われ、そこがHVNつまりバリューとなります。

ちょっと乱暴かもしれませんが、

レンジ相場 = バリュー = 買占めor売り抜け

ということが言えます。

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私はレンジ相場の正体をアキュムレーション(買占め)とディストリビューション(売り抜け)だと考えています。

このことはとても重要です。

「ここら辺からアキュムレーションが始まる」
「ここら辺からディストリビューションが始まる」

それは「ここらへんでバリューができそうだ」と同義なんですが、そういう判断ができるようになると世界が変わってきます。

普通のレベルのトレーダーは、見た目にそれが明らかになってから、「ここからがレンジ相場」だとわかりますよね。

しかし上のレベルのトレーダーは、普通の人が「ここからレンジ」だと分かる随分前からレンジ相場が始まりそうなことに気付き、「レンジ相場向けの手法」つまり「買占めや売り抜けが行われている相場環境向けの手法」に切り替えることができるようになります。

本当のプロは、見た目に明らかにレンジになったからここからがレンジ相場ではないんですね。

じゃ、どうやって見分けるの?

それは非常に深い話題になってくるのでこの記事でサクッと解説するのは難しいのですが…

ようするに値動きに変化の兆候を見つけるのです。

変化の兆候にはいろいろあるのですが、一番重要なのは明らかに今までよりも大きい逆行する値動きです。

たとえば下降トレンドがしばらく続いていたところでかなり強くて目立つ戻しが入ったとします。

その値動きを、それまでに入っていた逆行の値動き(戻し)の強さと比較して、明らかに強いのであれば、そのまま下降トレンドが続かないのではないか?大口が買い占めを始めたのではないか?ととらえます。

「なーんだそんなことか」と思うかもしれませんが、そういう視点はとても大切です。

それを値動きのキャラチェンジと私は読んでいます。

相場のキャラチェンジについては、まだまだ奥が深く、とても重要な話題なので、個別のセクションでじっくりと解説します。

再アキュムレーションと再ディストリビューション

アキュムレーションとディストリビューションは必ず交互に起きるのでしょうか。

そんなことはありません。

アキュムレーションからつり上げが起きた後にレンジになったら、それは必ずしもディストリビューションなのではなく、再アキュムレーションかもしれません。

再アキュムレーションとは、つり上げの途中で、弱い買いを振り落としてもう一度買いポジションを作る(増やす)ことです。

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これが再アキュムレーションなのかディストリビューションなのか、どうやって見分けたらよいのでしょうか?

それは、今起きているレンジが、アキュムレーションのレンジと比べて釣り合っているか?を問うことでおおよその予想はつきます。

画像の1つめの再アキュムレーションのレンジだと、

「あれだけ長い時間をかけてアキュムレーション(買占め)をしたのに、こんな小さなレンジで売り抜けられるはずがない」

という判断ができます。

いつもその予想が当たるわけではありませんが、そのような理にかなった考え方で判断すると、長期的にみると正しい方向につけることがずっと多くなります。

相場のサイクル まとめ

「バリュー」と並んで重要な考え方に「相場のサイクル」がある。

相場のサイクルとは、大口トレーダーが仕掛けるサイクル。

アキュムレーション(買占め)

 ↓ 

マークアップ(つり上げ) 

 ↓

ディストリビューション(売り抜け)

 ↓ 

マークダウン(叩き落し)

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アキュムレーション(買占め)やディストリビューション(売り抜け)が行われる位置がバリューになり、そこがHVNになる。

バリューとは単純に買い手と売り手が同意した位置というよりは、大口が買占めや売り抜けを行った位置と考えるほうが有効。

レンジ相場の正体は、アキュムレーション(買占め)やディストリビューション(売り抜け)であり、バリューである。

ということは、買占めや売り抜けが行われる兆候を読み取ることで、ほかの人よりも早くレンジ相場への備えができる。

ディストリビューション か 再アキュムレーション どっち?
の判断は、アキュムレーションの規模との比較でできる。

価格帯別出来高の原則

前回はバリューについて以下のようなことを学びました。

・バリューとはある商品の適正価格のこと
・HVN(価格帯別出来高の山)は参加者に受け入れられた価格帯でありバリュー(適正価格)である
・LVN(価格帯別出来高の谷)は参加者が拒絶した価格帯である

ここから、トレードにおける大きなヒントが浮き上がってきます。

価格帯別出来高の原則

価格帯別出来高にはとても重要な原則があります。

  • LVN = 拒絶 = 値動きをはじく = 反転 or ブレークアウト = エントリーポイント
  • HVN = 受け入れ = バリュー = 値動きを吸着する性質 = 利食い目標 

詳しく見てみましょう。

LVN

LVN(谷底) の価格帯は、多くの相場参加者に拒絶された価格帯です。

多くの相場参加者に拒絶されたわけですから

LVNは値動きを「はじく」意味合いがあります。

「はじく」ということは、そこまで値が動いたら、その価格帯を嫌がって反発する

もしくは

そこを超えてしまったら、ズバッと一気にブレークアウトしやすい価格帯だということができます。

LVNをどう使うか?

反転しやすかったり、ブレークアウトが加速しやすいのですから、LVNをエントリーポイントとして使うのが良い方法です。

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HVN

HVN(山の部分)は 大多数の人が受け入れた価格帯であり、適正価格だった価格帯でした。

一度多くの人に受け入れられるということは、そこを離れたとしてもまたそこに向かって値が動いていく可能性が高くなります。

HVNの「吸着」の性質です。

吸着するわけですから、そこに向かって値動きが起き、その辺りまで来たらその価格帯にくっついてしまい、のんびりする可能性が高いということも言えます。

HVNをどう使うか?

HVNは吸着の意味を持っているのですから、最初の利食い目標にすると良いです。

価格帯別出来高の原則を使う

この2つの原則から、どんなアイデアが湧いてくるでしょう。

色んな考え方があります。しかし…
基本的には、エントリーを狙うなら、LVNが良いです。

その位置は「はじく」意味合いを持っているので、反転するのかブレークアウトするのかわかりませんが、どちらにしても当たれば一番良い位置でエントリーしたことになります。それにリスク(ロスカット幅)も小さくてすみます。

もちろん、エントリーと逆方向に一気に行ってしまうこともあります。

反転すると思ってLVNで買ったとたんに、ズバッと下げてしまうというようなことです。

そういうこともありますが、ロスカットになったとしても、「自分の予測が正しければ、ベストの位置でエントリーできたわけであり、ダメだったら潔くあきらめることができます。

逆にバリューのど真ん中、つまりHVNの真ん中で買ってしまったら、逆行してしまった時にどこでロスカットすればいいのでしょうか。

HVNを下に抜けたところでしょうか?

そこはちょうどLVNになります。

LVNは割安の価格、且つ反発が起きやすい価格です。(もし反発がおきるなら)
できることならそこで買いポジションをロスカットするのではなく、買いたい価格となります。

そんな価格でロスカットになってしまうと、負け組みの群衆と同じことをしている感じが強くなります。

チャートの背景(トレンド)を分かったうえでLVNでエントリーする

「全てのLVNがエントリーチャンスで、すべてのHVNが利食い目標になる」と言っているのではありません。

チャートの背景を読んだり、売買シグナルを待ってからエントリーするなどして精度を上げたうえで、LVNという有利な価格でエントリーできれば、期待値が非常に高いですよと言いたいのです。

それは要するに…

チャートを読解した結果、買いが有利な背景状況があったとします。チャートを上位足など分析して、買いが有利という予測がある状況です。

その状況で一時的な下落が起き、「はじき」や「拒絶」の意味合いを持つLVNの価格まで下げてきたなら、そこで反発して上げ始める可能性が、そうならない可能性よりも高いと思いませんか?

また、例えばLVNのあたりで「買いのピンバー」などの買いシグナルが出たり、そこがちょうどフィボナッチの1.272や1.618だったら?

もし自分のシナリオが正しかったなら、最高のエントリーポイントでエントリーできたことになります。

ローリスクハイリターンのエントリーポイントです。

絶妙な位置でのエントリーとなりますので小さなロスカットで大丈夫ですし、大筋の流れに乗っているわけですから、ある程度の勝率も利幅も期待できます。

相場においてこれよりも有利なエントリーの考え方はほとんどありません。

LVNでエントリーし、HVNでポジションの一部を利食いする

が最もシンプルなトレード手法の基本です。覚えておきましょう。

LVNやその他の水平線、さらにトレンドラインなどを使ってエントリーポイントを探り、相場のサイクルを見極め、そしてLVN付近で何かが起きたらエントリーし、ポジションの一部をHVNで利食いし、残りのポジションで利益を伸ばせるなら伸ばす。といったことをやっていきます。

どんなにチャートパターンやシグナルの読み方がうまくても
エントリーを狙う位置が悪かったり、利食いを入れる位置が悪かったら
それはやっぱりうまくいきません。

エントリーシグナルは、エントリーする位置以上にはなりえないということです。
有利なエントリーポイントで、良いエントリーシグナルを待ってエントリーしてこそ、大きな優位性を得ることができます。

これがサンチャゴのトレード手法の根幹をなす考え方の一つです。

バリュー(Value)は、基本的には逆張りに役立つ考え方です。
もちろんこの教材ではブレークアウトや順張りも狙っていきます。そこでは、後日解説する、バリューとはまた別の考え方を使います。

バリューはいろんな時間軸に

日足レベルで見た場合のバリューもあれば、1分足レベルで見たバリューもあります。
1分足チャートで短期の価格帯別出来高の積み上がりを見ても、ある一定の価格帯にバリューができます。

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大規模な大きなバリューの中に小さなバリューがあったり、バリューがまだ見つかっていないトレンド相場の中にも、下位足を見れば小さなバリューができていたりします。

2016-04-22_21h39_04

どんな時間軸でもバリューの考え方、価格帯別出来高の原則は役に立ちます。

バリューは永遠ではない

バリューは大多数のトレーダーの売買が成立した価格帯ということを解説しました。

出来高の多い価格帯があり、その上下に少ない価格帯があり、およそその間を行ったり来たりする。

そのような期間がしばらくは続きますが、それがいつまでも続くわけではありません。

いずれ相場は、様々な理由で新たなバリューを探して旅立ちます。

食パンが150円~200円の価格帯で売買されていても
いずれは違う価格帯で売買されるようになります。

食パン業界の変化があるかもしれないし、
食パンのニーズが変化するかもしれません。
物価の変動もあるかもしれませんね。
または、だれかが食パンの買占めをするかもしれません。

戦争が起こったりすると、500円とか600円が当たり前になってしまうかもしれません。

新しいバリューを探る値動きが出ている間は一方的なトレンド相場になり、いったんその時点での適正価格を見つけると、またその辺りでたくさんの売買が行われるので価格帯別出来高が積みあがります。そしてそこがバリューだとわかるようになります。

価格帯別出来高が絶対に必要というわけではない

価格帯別出来高が絶対必要というわけではありません。

結局のところ、価格帯別出来高で一番重要なのはエントリーポイントとして使うLVNです。

LVNは値動きで拒絶が起きた価格帯を明確にしてくれます。

拒絶が起きた価格帯は、ローソク足チャートをよく見れば、慣れた人なら分かります。
ローソク足チャートだけを使ってラインを引く達人になれば、結果的に価格帯別出来高のLVNを使って引いたラインと同じようなラインを引くことになります。

ですから、有料のTradingViewを無理して使う必要はありません。ローソク足チャートだけを使って拒絶が起きた価格帯が分かるようになれば良いのです。

その方法は、別の記事で解説します。

TradingViewの使い方はこちらのページにまとめています。

価格帯別出来高の原則のまとめ

このページでは価格帯別出来高の原則と、その原則を使ってエントリーポイントや利食いポイントを見極める考え方を解説しました。

価格帯別出来高の原則

  • HVN = 受け入れ = バリュー = 値動きを吸着する性質 = 利食い目標 
  • LVN = 拒絶 = 値動きをはじく = 反転 or ブレークアウト = エントリーポイント

相場サイクルやトレンドを分析したうえで、LVNをエントリーポイントとして有利な方向にエントリーし、HVNでポジションの一部を利食いし、残りで利益を伸ばせるなら伸ばす。

バリューは全ての時間軸に存在する。

バリューは永遠ではない。様々な理由で別の価格帯にバリューを探すために旅立つ。

価格帯別出来高が必ずしも必要ではない。ローソク足だけから「拒絶/はじく」を意味する価格帯を特定することは可能。

バリュー(Value)という考え方

バリュー(Value)という考え方を理解すると相場をもっと深く理解することができます。

バリューとは、
対象となる商品について相場参加者が感じている適正価格のことです。

これは普段の日常生活と全く同じ考え方です。

日常生活でも、私たちが物を買うときにはなるべく安く買いたいです。
物を売るときには、なるべく高く売りたいものです。

「なるべく安く」、「なるべく高く」というからには、基準となる適正な価格というのがあるはずです。

例えば食パンなら、150円~200円ぐらいが適正な価格でしょうか。

それ以上なら割高、それ以下なら割安、といった具合に考えることができます。

大切なのは、ここでいうバリュー(価値)とは、本来的な価値ということではなく「知覚的な価値」ということです。

知覚的とは、「多くの人がこれぐらいの価値でしょと思っている」ということです。

そのような価格帯のことをバリューと言います。

バリュー投資とは違う

「バリュー投資」という言葉がありますが、それとは全然意味合いが違います。

バリュー投資とは、株式の長期投資の考え方です。

対象となる会社の資産価値から1株あたりの価値を割り出し、その価格よりも今の株価が安かったら割安、というような考え方をする投資方法です。

例えば、ある会社の資産価値が100万円で、発行株数が100株なら、100万円 ÷ 100(株) = 1万円となります。

会社の資産価値から割り出した1株の価値は1万円だから、それよりも安ければ割安、高ければ割高、といった考え方です。

しかし実際の株式市場では、資産価値から割り出したバリュー(価値)などお構いなしに値が動きます。

我々のような短期トレーダーにとってのバリュー(価値)というのは、大多数の人が

「この株を買うならこれぐらいの値段なら買っていいかな」
「売るならこのくらいの株価なら売ってもいいかな」

と考え、たくさん売買が成立した価格です。

大多数の買い手と売り手がお互いに妥協して、たくさんの取引が成立した価格が相場参加者の間でのバリューということです。

割高と割安

商品が割高か割安かを見極めるには、適正価格を知っていなければはじまりません。

「これぐらいの価格が適正価格でしょ」という値段感覚を持っていたらいいのですが、そのような感覚を持ち合わせていなかったらどうすればよいでしょうか。

例えば、食パンい対する値段感覚を持っていない人が、食パンの適正価格を見極める方法を考えてみましょう。

「多くの人が取引をした価格が適正価格」という前提に基づいて考えると、食パンの販売量と価格の関係を調べればよさそうです。

どれぐらいの価格で、どれぐらいの販売量があったのかを調べ、グラフにしてみると良さそうですね。

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150円~200円ぐらいの間で取引が行われていて、
大多数は170円~190円で売買されていることが分かりました。(てきとうです)

この情報から、食パンの適正価格は170円~190円程度。それよりも高ければ割高、安ければ割安と考えることができます。

ですから、150円で売っていたらそれはバーゲン価格ですし、200円で売っていたら、ちょっと高すぎるな、ということになります。

昨日まで180円で売られていたパンが今日210円の値札をつけていたら、「よっしゃ!ブレークアウトした。買うぞ!」となるでしょうか。

よっぽどの理由がない限りはならないですよね。

小麦の値段が高騰していて今後さらにパンが値上がりしていくなどの予測があるとか、食パンの買占めが行われている兆候があるなら話は別ですが、なんの根拠もなく「値段が上がったから買いたい」という人はいないと思います。

しかしFXや株の世界では、何の理由も根拠もなく、単にブレークアウトしたから買う人が多いように思います。

FXや株のバリューはどうやって調べる?

FXや株などの金融商品の適正価格を知るためにも、先ほど食パンに対してやったことと同じようなことをします。

マーケットプロファイルや価格帯別出来高を使うのです。

マーケットプロファイルとは、価格帯別にチャートが過ごした時間を横方向に積み上げていくチャート表示方法です。

価格帯別出来高は、マーケットプロファイルと似ていますが、ある価格帯で過ごした時間ではなく、ある価格帯でできた出来高を集計します。

マーケットプロファイル → 価格帯別に過ごした時間を集計
価格帯別出来高     → 価格帯別に出来高を集計

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この画像は、一日ごとのマーケットプロファイルと価格帯別出来高を並べたものです。マーケットプロファイルが左、価格帯別出来高が右に並んでいます。

昔は時間を集計するものが主流だったそうですが、現在は出来高を集計する価格帯別出来高が主流です。

私も時間よりも出来高を重視しますので価格帯別出来高を使っています。

これをまとめてチャートの横に表示したものが、一般的に良く使われる価格帯別出来高です。

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こちらは、先ほどのチャートと違い、長期間の価格帯別出来高をチャートの右端にまとめて表示したものです。私はこちらのタイプを使っています。

山と谷

価格帯別出来高を表示すると、山になっている部分と、谷になっている部分がありますね。

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山になっている部分は、多く取引が成立し、出来高が増えた部分です。

この部分は多くの人が取引をしたわけですから、バリュー(適正価格)となった価格帯ということです。

この山になった部分をHVN(ハイ・ボリューム・ノード)と言います。

一方、谷になっている部分はどうでしょうか。

谷になっているということは、その部分が相場参加者に拒絶され、取引が非常に少なかったということです。

「この値段は違う」
「この値段では売れない」
「この値段では買いたくない」

大多数のトレーダーがそう思った値段です。

このように谷になっている部分をLVN(ロー・ボリューム・ノード)といいます。

HVN、LVNという言葉はまた使うことがあるので覚えておいてください。

HVNとLVNにはどんな性質があり、どのように使えばよいのでしょうか?

それは次の記事で解説します。

TradingView

価格帯別出来高やマーケットプロファイルは表示できるソフトが少ないので探すのに苦労します。

TradingViewを使えば簡単にFXやCFD、さらに米国株、米国先物などの詳細な価格帯別出来高を見ることができます。

東証の株や大証の日経225先物については、現在は対応するCFDのデータしか見れないのですが、近々正式な取引所のデータが採用される予定とTradingViewの担当者から聞いています。(TradingViewを急かすためにみんなでプッシュしましょう!)

TradingViewの使い方についてはこちらのページで詳しく解説しています。

このページのまとめ

大多数の買い手と売り手が合意して取引が行われた価格帯のことをバリューという。
バリューよりも高い値段はオーバーバリュー(割高)。
バリューよりも安い値段はアンダーバリュー(割安)。
バリューは価格帯別出来高を使うと簡単にわかる。
価格帯別出来高の山の部分をHVN(High Volume Node)という。HVNはバリュー(適正価格)だった位置。
価格帯別出来高の谷の部分をLVN(Low Volume Node)という。

相場とは?そして値動きが出る理由

相場とは何なのでしょうか。

チャートやテクニカル指標ばかり見ていると、相場とは何なのか?とうのがよくわからなくなってきます。

株、為替、先物、野菜、魚…
いろんなタイプの相場がありますが、相場とは何で、その目的は何でしょうか。

相場の目的

相場とは、商品やサービスなど何らかの価値を持った商品が取引きされる仕組みのことです。

それは場所である場合もありますし、バーチャルなインターネット上のシステムであることもあります。

魚市場や野菜の市場には実際人同士が直接売買する場所があります。そこで売った買ったのやり取りが実際に行われています。

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株の場合は実際に人同士が顔を合わせて売買をするのではなく、ネット回線を使った証券取引所のシステムを通じて取引を行います。同じ場所に実際に集まって取引するわけではありませんが、株の場合はインターネット上の特定の場所ですべての取引が取りまとめられています。

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FXの場合には、世界中の銀行などで同時進行で取引が行われているので、実際の場所もなければ、インターネット上の一つの場所ですべての取引が取りまとめられるわけではありません。インターネット上のいろんな場所で同時進行に世界中で取引が行われています。

為替市場

いろんな形の相場がありますが、相場のたった一つの目的は買い手と売り手を出会わせて、なるべく多くの取引を成立させることです。

取引が成立することにより、相場(マーケット)は手数料や場所代などを稼ぎます。ですから、取引所やFXの仕組みは、なるべく多くの取引が行われるように取引のシステムを改善していっています。

ここ10年ぐらいの間には、証券取引所はアルゴ、とくにHFTのによる取引をたくさん誘い込むために高速の取引ができるシステムを導入したり、呼び値の刻みを小さくしたりしています。

レンジを作ることが相場の目的

なるべくたくさんの取引を成立させることが相場の目的だといいました。

たくさんの取引が成立するとはどういうことでしょう?

買い手と売り手が同意するということです。

この値段なら買ってもいい
この値段なら売ってもいい

そのように買い手と売り手が同意したら、同じような価格帯で売りたい人と買いたい人が拮抗しますから、同じような価格帯で値動きが行ったり来たりしはじめ、そこでたくさんの取引が成立します。

そしてチャートの見た目としては、レンジ相場になります。
価格帯別出来高をみるとレンジ相場ではたくさんの出来高が累積しているのが分かります。

2016-04-20_11h25_57

この5分足チャートは全体的には上昇トレンドですが、赤丸で囲ったようなレンジ状態が起きる価格帯を探すために値が動いているといえます。

一般的には、勢いよく値動きが出ている状態が「良い」状態と言われます。
しかし勢い良く一方向に値が動いている状態は、レンジができる価格帯を探し求めてさまよっている状態で、相場の目的からは良い状態とは言えないのかもしれません。

レンジについて詳しくなれば、どちらの状態も取ることができます。

相場の仕組み

相場はどのような仕組みになっているのでしょうか。
相場というのは、要するにオークションです。

ヤフオク

たとえば、絵画のオークションを考えてみましょう。

オークションの目的は、売り手と買い手を出合わせ、最も高く買える人と売り手を出会わせることです。

誰よりも高い価格で入札すれば、その商品を落札することができます。

このようなオークションは一方通行のオークションです。それ以上の価格を提示する人がいなくなるまで入札金額が上がっていきます。売買が成立するまでは下がらず、一方通行で上がります。

そしてそれ以上の価格で入札する人がいなくなれば売買が成立し、落札となります。

我々が日々トレードする株式市場や為替の相場も、基本的には同じオークションなのですが、違う点があります。

それは、取引の対象となる商品(株や通貨や先物)には、同じものがたくさんあることです。そして同じ名前の物であれば、同じ価値を持っています。

たとえば、ソフトバンクの株式100株であれば、どの100株も同じ価値を持っています。

通貨でも、先物でも、同じ種類のものが同じ数量あれば、同じ価値を持っています。

株や先物やFXの相場は、一方通行ではなく、双方向のオークションです。
上がりもするし、下がりもします。

それは、売り手がたくさんいて、そして買い手もたくさんいるからです。

売り手が一人、買い手がたくさんいる絵画などのオークションとはそこが違います。

値動きが出る理由

株も先物もFXも値段が上がったり下がったりします。

相場の両方向オークションは、どのようにして上下に動くのでしょうか。

それは需要と供給に勢いの差が発生するからです。

需要と供給という言葉を使いましたが、

需要は買い手のことです。
供給は売り手のことです。

需要が多い = 買い手が多い
供給が多い = 売り手が多い

相場において値動きが発生する原理を考えてみましょう。

たとえば、ちょっと前に490円という値段をつけたなんらかの金融商品があったとします。

その金融商品の市場では、500円じゃないと売らないという人が1000人、と480円じゃないと買わないという人が1000人たとします。

そのままだと買い手と売り手の提示する価格が折り合わないので取引は成立しません。

2016-04-19_21h02_04

では、500円じゃないと売らないという人の数は1000人で先ほどと同じまま、一方で480円じゃないと買わないという人の数が3000人に増えたらどうでしょうか。

 

2016-04-19_21h03_21

買い手が3000人に増えたので、需要が増えたわけですが、これで価格が上がるでしょうか。

それだけでは価格は上がりません。
「今の価格よりも低い価格なら買う」という人の数が増えただけでは、取引は成立しないからです。

この状態だと、500円じゃないと売らないという人1000人
そして480円じゃないと買わないという3000人がにらみ合っているだけです。

こういう相場参加者を
消極的な買い手
消極的な売り手
といいます。

この状態で、「500円でもいいよ。買うよ」という人が1人でも現れたら、500円で取引が成立し、490円から500円に価格が上がります。

2016-04-19_21h05_44

ここで500円で買った人をアグレッシブな買い手といいます。

アグレッシブな買い手がたくさんいて、500円で売りたいという1000人分の売り注文を全部買いきれば、さらに価格が上がっていきます。

逆に、「480円でも売ってやる」という積極的な売り手がいきなり大量に現れたら、480円で買いたい人の買い注文が全部消化され、価格が下がるかもしれません。

何が言いたいかというと…

価格が上がるには、「今よりも安ければ買いたい」という消極的な買い手がたくさんいるだけでは不十分で、「今よりも高い値段でも積極的に買いたい」というアグレッシブな買い手の存在が必要だということです。

それと同じことで、今よりも価格が下がるには、「今よりも安い値段でも売りたい」というアグレッシブな売り手がたくさんいる必要があります。

ということで、
需要(買い)が多いから上がるというのは、正確に言うと、アグレッシブな需要(買い)が多いから上がるということです。
供給が多いから下がるというのは、アグレッシブな供給(売り)が多いから下がるということです。

とはいえ、消極的な売り手や消極的な買い手も重要です。

いくら「500円でも買う」というアグレッシブな買い手がたくさん現れても、500円なら売ってやるという消極的な売り手があまりにたくさんいたら、500円を突破することができず、アグレッシブな買い手がそのうちに息切れし、下がってしまうかもしれません。

大口トレーダーは買占めをしている段階では「消極的な買い手」として買いポジションを作り、買占めが終わったあと、つり上げを行う時にはアグレッシブな買い手になるのだと私は理解しています。

FXの方は、「FXには板情報がないからこんな解説意味ないだろ!」と思うかもしれません。

しかしFXでも本質は同じことです。我々一般トレーダーには見えないインターバンク市場では同じようなことが起きているはずです。

相場の正体が単なるチャートだと思わず、このように人間同士が売った買ったをやっている双方向オークションだということを理解しておきましょう。

このページのまとめ

・相場とは双方向のオークションである
・値動きが発生するためには必ずアグレッシブな参加者が必要
・消極的な参加者も重要な役割を果たしている

ということをここでは理解しておいてください。

次の動画からは「バリュー」について解説していきます。

トレードの達人になる前に「成功の達人」になる

このページはVCA1.0の特典、「本当に機能するトレードメンタル講座 実践編」の1回目です。

1回目は「成功の技術」について解説します。

トレードには直接関係ないようで、ものすごく大切なことで、これを知っていないとトレードでの成功はありえない、というほど重要です。

ですから、コースをスタートするに先立ってこの記事を投稿しました。

「成功の技術」って何?と思った方は、トレード手法のコースを始める前に、このページの「ワーク」をすべてやっておいてください。

ワークで使うPDFファイル


成功の技術

トレードでも人生の他の大切なことでも、何かを成し遂げようと思ったら、からなずマスターすべきノウハウがあります。

それは成功するための技術です。

一言で言うと、
夢を描き、夢を具体的な目標に変え、大きな目標をスモールステップに分割して確実に実現していく技術です。

このページを読んでいただき、途中に登場する、実際に取り組んでいただきたいワークをすべてやってみてください。

これをやるかどうかが、後々の結果を大きく左右するでしょう。

なぜそんな話を?

トレードで成功するには、3つの要素が必要です。

1.理にかなった優位性のあるトレード手法
2.トレードメンタル
3.継続する力

トレード手法が必要なのは誰でも知っています。
トレードメンタルが必要なのもわかっていらっしゃるでしょう。

しかし3つめの「継続する力」については、弱い方や全く意識していない方が多いのではないでしょうか。

いろんな人の話を聞いていると、なんとなくいい感じになっているんだけど、継続する力がなくて途中で投げ出してしまったという人が非常に多いです。

それで、いくつもの教材をハシゴしているということなんですね。

そんなわけで、モチベーションを維持するテクニックというお話しをさせていただきます。

人に結果を出してもらうというのは、非常に難しい部分があります。

たしかにトレード手法とトレードメンタルが良くなれば勝てるようになるのですが、モチベーションがないとできません。

勝てていない状態から、安定して勝てる状態になるには人生におけるいろんな面を見直していかなければならないので、モチベーションが必要なのです。

さらに、いったん安定して勝てるようになっても、それをずっと維持していくにはモチベーションの継続が必要になります。

成功の技術

成功は技術であり、そのやり方さえ分かっていれば、成功は真似することができます。

まず成功すると決める事から始まります。

成功の定義とはなんでしょうか。

成功とは、自分にとって価値のあるものを、未来に向かって目標として設定し、決められた期限までに、達成することです。

成功の達人

トレードの達人である前に、まずは成功の達人になってください。

成功の達人とは、自ら夢を描き、それを目標に変え、方法を考え、自分でやれる人。そして失敗しても人のせいにせず、自分で責任を取れる人。

このような人間のことを自立型人間と呼びます。

7つの習慣の1つめは「自立」です。自分で自分の行動の責任をとれないと、成長はありません。

松下幸之助は「雨がふっても自分のせい」といったそうです。

こんなふうに、失敗も成功も自分のせいにすることが重要だということがわかります。

トレードというのは、経営者の考え方が求められるビジネスです。

一つ一つのエントリーがプチ起業のようなものなので、日々延々と起業と売却や廃業を繰り返しているのですね。

そんなわけで、サラリーマン的な考え方からは学ぶことは少ないですが、起業家から学ぶことは多いと思います。

成功するための第一の原則

「成功すると決める」こと。

柔道オリンピック金メダリストの谷亮子さんが言っていたこと

「オリンピックで2連覇すると決める」

そう決めたら、一生懸命練習するのは当たり前になります。

金メダルとなると、遠い話題になってしまいますが、
我々トレーダーの場合、目指すところはオリンピック金メダルほど難しくありません。

トレーダーを目指すすべての人の中で上位5%程度に入ることです。

イメージ的にはどんな感じでしょう。
プロ野球選手になるというほどではなく、町の草野球チーム随一のスター選手になるという感じです。

野球人口20人に1人の実力者ですね。

それぐらいなら、「絶対になる」と決めて取り組んだら、なれないことはないと思いませんか?

トレードの場合、身体能力が求められるわけでもないので、実際なれます。

成功するための第2の原則

大きな成功は小さな成功の積み重ねである。

今日トレード手法を学んだからといって、あすから安定して勝てるトレーダーになるわけではありません。

小さなステップを繰り返していく必要があります。

例えば

教材の内容を一つマスターする
トレードメンタルの課題を一つする
トレード日誌を用意する
トレードプランを書いていくノートを用意する
トレード環境を用意する

こんなふうに、一つ一つのステップを超えていくことで、やがて大きな成功につながります。

スモールステップの原則というのがあり、トレードに限らずどんな分野においても、小さな成功の積み重ねの先にしか、大きな成功はありえないといわれています。

成功するための目標設定

成功の技術を身に付けた人は、何度でも、何をやっても成功することができると言われています。

逆に言うと、成功できない人は、何をやっても成功できない、といってもよいかもしれません。

「成功する」には、大きな夢を描いてその夢を具体的な目標に変え、目標に近づくための具体的な方法を考え、毎日やり続け、自分でやりきること。そして、最後まで自分で責任をとること。

良い技術、ノウハウを知ったら、迷わずに行動する事が大切です。

大きな夢を描く

セルフイメージを引き出し、高めること。

鮮明にイメージできることは必ず実現できます。
逆に、セルフイメージを超えて成功することは難しいです。

この段階ではなんでもいいので、なるべく大きな夢を描きましょう。

書いてイメージを強化する

夢は心の中で思っているだけではかないません。

成功の達人はみんな夢を紙に書き出しています。

書く事は思考の現れです。だからたくさん考えている人はたくさん書けます。

たくさん考えている人は気づく力が高まり、行動の質が高まり、そして成功に近づくことができます。

具体的に書いてみましょう1

あなたの夢を具体的に書いてみてください。
ダウンロードできるファイルPDFファイルがありますので、そちらを印刷して書き込んでいただくか、同じようなものをEverNoteなどで作って書いてみてください。

このとき、現実的かどうかは気にする必要ありません。ひらめくままに、わくわくするような大きな夢を書いてください。

具体的に書いてみよう2

夢を実現したときの自分はどんな姿か、書いてみてください。
例えば、高級車に乗っていて、景色の綺麗な場所の一軒家に住み、そこで仕事をしている。などなど

夢を目標に変える

夢を具体的な目標に変える必要があります。
夢と目標は違います。

夢を具体的な目標に変えれば、行動に移すことができます。

夢は、自分が心の底からワクワクするものなら、どんなものでもいいと思います。

しかし目標は確実に実現可能であり、自分の頑張りでコントロールできるものでなければなりません。

たとえば、A子さんと結婚して幸せな家庭を築くという夢があるとします。夢としてはそれでいいと思います。

しかしそれは実現可能かどうか全くわかりません。私はA子さんにとって生理的に受付ない程に嫌いなタイプかもしれません。

もしそうだとしたら、私がどんなに頑張っても、おそらくA子さんを振り向かせることは不可能でしょう。

もし目標を設定するとしたら、もっと自分でコントロールできるもので、且つ自分の頑張りしだいで確実に実現できるものにします。

例えばこんな感じの目標だとどうでしょうか。

・相手のためを思った行動をとれる人間になる
・経済的に豊かになる
・スタイリストを雇って身だしなみを整える
・ソーシャルマナーのコースを受けてマスターする

これだと、私の努力次第で必ず実現できます。

この目標を全部実現できたら、たとえA子が振り向かなくても、他のもっと素敵な女性が振り向いてくれるかもしれません。
(一応既婚なので、その必要はありません(笑))

トレードだとどうでしょうか。

「1年以内にトレード年収1億稼げるようになる」という夢を持つのは素晴らしいことです。
トレードの場合、いくら頑張っても振り向いてくれないということはありません。
しかしトレードでいくら稼げるか?というのはあなたのコントロールできる範囲を超えています。あなたがどれぐらいのリスクに耐えられる人間なのかは才能によって決まりますし、この先1年の相場環境が悪ければ大きく稼げないかもしれません。

ですから、金額的なことを目標にするのは現実的ではないのです。

それよりも、もっと確実に実現できることを目標にしましょう。

・トレードメンタルについて、自分が持っている感情についてすべてを知り、気付けるようになる
・トレードプランを管理する効率的な仕組みを作りマスターする
・トレード日誌の仕組みを作り、すべてのトレードを記録する習慣をつける
・ロスカット注文を必ず入れる習慣をつける
・相場の原理を知る
・相場の分析方法を習得する
・常に理にかなった行動をとれるようになる
・最低でも1つの信頼できるエントリーセットアップを習得する

このような目標なら、確実に実現できます。
そしてそれらがすべて実現すれば、結果としてあなたはトレードでお金を稼ぐことができるようになっています。

その先に、「トレードで年収1億円」というものが見えてくるかもしれないし、見えないかもしれません。
それでもあなたは、あなたの才能で行けるところまでいけます。

具体的に書いてみよう3

目標設定において大切なことは、実現可能なことであり、小さな成功体験を積み重ねていくことです。

具体的な目標とそれを実現させる日時を書いてください。

目標により得られる利益を事前に決めておく

やる気を維持・継続していくために、目標を達成した自分に対する「ごほうび」「目標により得られる利益」を事前に考えておくと効果的。

最も大切なのは心を満たす無形の目標です。無形の目標とは、人格目標・道徳目標のことです。

目標達成から得られる充実感、満足感、達成感、人間的成長によって得られる自信、周囲から認められることで得られる自己肯定感といったものです。

そうすれば、成功できる確率を高めることができます。

あとから解説しますが、4つの軸で「ごほうび」を考えます。
いろんな種類の「ご褒美」があります。

具体的に書いてみよう4

目標が達成できた時のごほうび、利益を4つの軸に分けて考えてみましょう。

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自分が得られる利益として、有形のもの、無形のもの。
そして社会や他者に与えることができる利益として、有形のもの、無形のもの。
この4つの軸に分けて得られる利益を考えておくことで、モチベーションを上げることができます。

とくに無形の利益はレベルが高く、モチベーションに対する影響力が強いです。
物やお金だけを目標にするのではなく、4つの軸をすべて考えておきましょう。

成功するためのテクニック

確実にイメージできる2週間先の目標設定から始めると効果的。

確実に達成できそうな目標に挑戦し、成功体験を繰り返すことで目標設定のコツと自信を少しずつ掴んでいく。

5年先や1年先にしか達成できそうにない大きな目標だけを持っていても、イメージしにくいので努力しにくいです。遠すぎる目標はそのうちに忘れてしまいます。

まずは2週間先の目標設定から始めてみましょう。その時に確実に実現できる目標設定をしましょう。

例えばあなたの1年後の目標が「安定して勝てるトレーダーになること」だったとします。
その目標は今のあなたにとっては遠すぎて、なにから手を付けてよいのかわからないかもしれません。

そんな時は、2週間後までに必ず達成できるもっと身近な目標設定をしましょう。

証券会社の口座を開設し、トレードソフトの基本的な使い方をマスターする
トレードプランを書き込む仕組みを用意する
トレード日誌を書き込むための仕組みを用意する
トレードの資金を貯める
パソコンの基本的な使い方をマスターする

など、トレーダーとして成功するために必ずやらなければならないことで、必ず達成できることがいくらでもあります。

具体的に書いてみよう5

ということで、2週間後に確実に達成できそうな目標を書いてください。

「確実に達成できそうな」ということが重要です。

達成できるか分からないことは書かないようにしましょう。確実に達成できそうなことです。

とにかく行動することと、成功体験を積み上げていくことが重要です。

そして目標達成までの正確な距離感がわかるようになりましょう。

2週間の目標設定と実現を繰り返すことで、どれぐらいの目標が2週間で達成できるのか
その距離感が分かるようになります。

具体的に書いてみよう6

2週間後に目標を達成した時の自分はどんな姿であり、どんな気分でしょう。具体的に書いてみてください。

2週間後にはこんな知識が身についている。こんなことができるようになっている。その結果として、こんな気分を味わっている。といったことを書いていってください。

それが多ければ多いほど、イメージが高まっている証拠です。できるだけ数多く書き出してみましょう。5個以上かけたら素晴らしいと思います。

成功のための準備と実践とは?

目標を達成するための方法を考え、自分でやり切り、そして最後まで自分で責任を取ることが絶対に重要です。

今日は飲み会が入ったからできなかったとか、それは自分の責任です。
飲み会を事前に予測し、早めに作業を前倒ししておくなどの必要があったのです。

具体的に書いてみよう7

2週間後の目標達成のためにやることを書いてください。

まずは、今考えられるベストな方法をできるだけ多数書いてみてください。

例えば、朝5時に起きて、仕事に行く前に作業をするとか、やれる方法をシミュレーションしていきます。

方法を考えるというのは、完璧な準備をしておくということです。

成功する人はみんな準備力が高いです。
完璧な準備で物事に臨み、持っている能力やエネルギーを最大限に発揮しています。

完璧な準備を行えば、「失敗するかもしれない」という不安が小さくなり、「できそうだ」という期待が高まって、やる気のスイッチが入ります。

完璧な準備というのは、目標達成の前に立ちふさがる未来の壁・問題を予測・予言し、解決策のミサイルをあらかじめ撃ち込んでおくことです。

具体的に書いてみよう8

2週間先の目標を立てる段階で、予想される問題点を洗い出し、解決策を見つけておきましょう。

2週間後の目標達成を目指すうえで、今「予想される問題点」を4つの観点それぞれについて洗い出しておきます。

・心

心に潜む悪魔が邪魔をしてくることが予測されます。どんな悪魔がいて、どんなことを言ってきそうか考えておきましょう。現れた時にそれに気付けばそれほど影響されずに済みます。

・技
パソコンの使い方がわからないなど、基本的な技術が足りなくて目標達成を邪魔することがあります

・体
体調面が整っていないとモチベーションが上がりません。

・生活
生活パターンのなかで、どうやって作業時間、勉強時間を確保するか?などの問題です。

具体的に書いてみよう9

8で書き出した問題点に対応させて、その解決策まで事前に考えておきます。

・心
・技
・体
・生活

対策を考えておけば、不安の気持ちが小さくなり、モチベーションが上がってきます。

ルーティーン目標と期日目標

期日目標
「いつまでにやる」と期限を決めて取り組む具体的な行動。

ルーティーン目標
「毎日やり続ける」具体的な行動。

ルーティン目標を習慣にすることで、目標の偏りや抜けを防ぐことができます。

繰り返しやり続けることが重要となります。初めから無理なことを目標にしてはいけません。
毎朝3時に起きるとか、それはちょっとキツイですよね。これまでよりも1時間早く起きるとか、できる範囲でということです。

ちょっと変えたら、大きく変わるものです。
確実に出来ることを目標にして、やりきっていたら、心が強くなってきて、自分が変わってきます。

ルーティン目標はいくつも思いつくと思います。
一気に全部できたらいいですが、そうもいきません。
優先順位を付けてください。このルーティン目標は一番重要というのがあるはずです。
その目標だけは絶対に優先的にやって、絶対に怠らないようにします。
もちろん、全部の目標を達成できるのがいちばんですけどね。

期日目標とは、いつまでにやると決めて取り組む目標です。

具体的に書いてみよう10

「いつまでにやる」と期限を決めて取り組む「期限目標」を書いてみてください。

出来るだけたくさん書いてください。

10個以上書けたなら素晴らしいです。あなたはやる気がありますよ。

具体的に書いてみよう11

毎日やる必要がある、あるいは毎日やると決めた「ルーティン目標」を書いてください。
家庭面、仕事面で5個以上書けたら素晴らしいです。

自分の目標に関することだけでなく、家族や社会のために毎日やるルーティーンも効果的だといわれています。
私は社会的にというのはなかなかできていませんが、家族のために毎日家事を手伝うというルーティーンを入れています。

成功のための心を作る

手入れを怠ると思いは枯れ、劣化します。
いつも失敗する人には3つのパターンがあり、それは以下のようなものです。

1.そもそも目標が無い人
2.目標を立てたのに、忘れてしまう人
3.目標を立てたのに、途中であきらめてしまう人

大きな目標とそのスモールステップを決め、結果を定期的に確認し、目標達成をあきらめないことが大切です。

解決策は?

対応策を幾重にも重ねましょう。

1.目につきやすいあらゆる場所に目標を書いた紙を貼り出しておく
2.人に自分の目標を伝えて、自分を追い込む(トレードのことは、軽はずみに人に言わないほうがいいかも)
3.成功したときのイメージを自分の頭の中で毎日イメージし、言葉に出す。自分の深層心理を説得するようなものです。
4.常に自分の最大の実力を発揮できるように、自分なりのルーティーンを決めておく。(毎日この順番でこれとこれをやるとか。あるいは、これとこれはやらないようにするとか)

具体的に書いてみよう11

自分のやる気を伝える言葉「決意表明」を紙に書き出してください。そして周囲の、あなたの信頼できる人に見てもらってください。あなたはもうそれを実現するしかなくなります。

日誌を書くと成功率が100倍になる

日誌は究極のスモールステップです。

6か月の計画を細分化したものが2週間の計画です。

それらに沿って行動できたか、毎日その一日を振り返ってみるのです。

毎日「できたこと」と「できなかったこと」を仕分けしたり、明日の目標を具体的に立てたり、モチベーションの燃料を補給するための物でなければなりません。

日誌には次のような効用があります

1.今日の仕分けと明日へのチャレンジ
2.モチベーションタンクに燃料を満たす
3.人生の質を高める
4.「心・技・体・生活」に注目し、この一日を確認・反省・改善します。
5.失敗しても切り捨てて次に進めます。切り替えができるのです。ですから何が起きても、プラスの気持ち一日を終えることができます

日誌とはトレード日誌ではありません。それとは別に、自分の夢に向かって毎日書いていく日記のようなものです。

反復して技術を定着させる

なにごとも1回では上手くいきません。目標設定や方法を考えるのも同じで、なんども間違えながらも軌道修正していくのが普通です。

1.大きな夢を描く
2.夢を具体的な目標に変える
3.目標達成のための方法を考え、「これでやれる」という自分への期待感を高めて、やる気にスイッチON
4.できることの継続とやり切りで心を強くする
5.考察と手入れで心を整理する
6.培った自分の強みを広め、周囲から認められる。そして自信を持つ
7.そして、自己実現した別の生き方、人生に到達する

とにかく、夢を描き、それを具体的な目標に変え、その目標をスモールステップに分けて着実にクリアしていく。
そのステップを何度も繰り返しながら、途中で失敗しては軌道修正を繰り返し、最終的には夢に到達することができます。

さいごに

いかがでしたか?

このようなノウハウは、トレードに限らず、人生で何をやるにしても大切なことなので、一番最初に解説しました。

この内容を「トレードに関係ない」と思わず、確実に人生に取り入れていただきたいと思います。

このページの内容は、この本を読んだ内容を私なりにまとめたものです。

「成功の技術」についてさらに勉強したい方はぜひ読んでみてください。