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歩み値に出てくる大口の注文に関する質問

質問

「相場とは?そして値動きが出る理由」の動画をみての質問です。

質問1
大口が買いポジションを作るとき、消極的参加者として買い板に少量の枚数を置きますよね。
(以下「大口少数買いポジ」)
それが他の参加者に食われるとは、
他の参加者が、「大口少数買いポジ」を「アグレッシブに売る」ということで正しいでしょうか

質問2
上記質問1を考慮し、アイスバーグは発生しているとすると
最後に大口自身がアグレッシブな参加者として「売り」ポジションの大量枚数を「買う」
とすれば、(以下大口大量買いポジ)
歩み値上では

売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ



買 大口大量買いポジ
のように「歩み値」上ではみえると考えてよろしいでしょうか

非常に基本的なことですいません。
よろしくお願いします。

回答

ご質問にお答えいたします。

質問1
大口が買いポジションを作るとき、消極的参加者として買い板に少量の枚数を置きますよね。
(以下「大口少数買いポジ」)
それが他の参加者に食われるとは、
他の参加者が、「大口少数買いポジ」を「アグレッシブに売る」ということで正しいでしょうか

>その通りです。
ただ、大口の消極的な買い注文は大きい場合も多々あります。
アイスバーグ注文も使うでしょうし、大きな買い注文を板に置いてあえてそこに食いつかせるというのもあるように思います。

質問2
上記質問1を考慮し、アイスバーグは発生しているとすると
最後に大口自身がアグレッシブな参加者として「売り」ポジションの大量枚数を「買う」
とすれば、(以下大口大量買いポジ)
歩み値上では

売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ



買 大口大量買いポジ
のように「歩み値」上ではみえると考えてよろしいでしょうか

>様々なケースがありますので一概には言えません。
あまり
売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ
売 大口少数買いポジ
の部分にこだわらないほうが良いと思います。(そういうときもありますが)

それよりも、大きな成り行き売り注文がドバっと出てきたのにそれより下には下がらなくなるパターンのほうが
分かりやすいですし、そのあとのインパクトも大きいように感じています。

重要な位置で大きな成り行き注文が出た後、どちらに進むかに注目するのがコツです。
スイングの分析 出来高分析編
の動画を参考にしてみてください。

「レンジで出来高が増加する」はただの持論では?

質問

動画のレンジ相場では出来高が増加するとありましたが、
ダウ理論だと出来高はトレンドと一緒に動くというのがあると思います。

ダウ理論では上昇や下落時に出来高が上昇するとの事だったので、
ちょっと疑問に思いました。

レンジ相場での出来高増加というのはサンチャゴさん独自の理論でしょうか?

それとも特殊な手法との組み合わせであったりとかするのでしょうか?

回答

レンジの部分で多くの出来高ができるというのは
わたしの持論ではなく事実なんです。

それは、ローソク足1本あたりの出来高が増えるということではなく
その価格帯で過ごす時間が長くなり、出来高も多くなるということです。

その様子はマーケットプロファイルや価格帯別出来高を見れば明らかです。

また、バイイングクライマックスやセリングクライマックスで出来高が増えますが
結局その価格帯はそのあとレンジ相場の一部になります。

株の証券会社のツールはどこがいい?

ご質問

今回、サンチャゴさんの配信を拝見していく上で、いろいろな板読み、歩み値、チャートなどあると思うのですが、証券会社によって、その画面というか機能がいろいろと違うと認識しております。

今現在、HYPER SBI 、スーパーはっちゅう君、Kabuステーション など、3社の証券会社に口座を開いているのですが、他にも証券口座を開設しておいたほうがいいのでしょうか??

配信が進むにつれ、この証券口座を開いといたほうがいいよ!ですとか、この証券会社の機能(大口の動向がわかりやすい)がいいよ! など、おすすめの証券口座があれば、ご教授していただければ、非常にありがたいです。

サイトのほうで書かれている、マネックス証券の出来高フィルター などがございますが、自分には必要かなと思っております。

回答

歩み値を使ったテープリーディングを行うのであれば

カブドットコムなど、歩み値フィルターの機能が付いた証券会社が良いと思います。

(マネックストレーダーは廃止になってしまいました)

通常のデイトレードでありば、ローソク足チャートと出来高ヒストグラムを重視するトレードになりますので、どこの証券会社のツールでも大丈夫です。

TradingViewが6月末に東証の正式データを採用します。

私はそのタイミングで株のチャートもすべてTradingViewに統一する予定です。

TradingViewは有料なので、最初のうちは証券会社の無料ツールでも大丈夫です。

利益が上がるようになってから有料版を使えばよいと思います。

注文を通す証券会社は手数料の安い証券会社を選ぶと良いと思います。

最近は取引量次第で手数料が無料になる証券会社が多いです。

松井証券の1日信用だと取引量に関わらず手数料が無料です。

スイングの分析3  スイングリバーサル編

スイングはどうやって定義する

スイングはどのように定義するのでしょうか。

スイングの分析1 基礎編では、ZigZagインジケーターを使う方法、そして裁量でパパッとジグザグを引いていく方法を解説しました。

事後的であれば、どんな方法でスイングを定義してもかまいません。そんなに深く考える必要はありません。

どこがスイングハイで、どこがスイングローだったのかが分かっているので、事後的にスイングを定義するのは簡単なのです。

でもリアルタイムに発生しているスイングの切り替わりを定義するのはそんなに簡単ではありません。

たとえば、アップスイングの途中である程度強い陰線/何本かの陰線が出たとします。そこでダウンスイングに切り替わったかどうか、どうやって判断すればよいのでしょうか。

それにはスイングリバーサルという考え方を使います。

スイングリバーサルが起きたら、現状のスイングは終了し新しいスイングが始まったということができます。もちろん間違えることもありますが、この方法が一番理に適っていて、高精度だと思います。

スイングリバーサルとは

では早速どうやるのか見ていきましょう。

まずは「覚悟バー」を認識します。

覚悟バーとは、その名のとおり「覚悟を持ったローソク足」の事です。

覚悟バーの特徴は

・比較的大きな値幅
・スイングの方向に覚悟をもって閉じている(目立つ髭になっていない)

2016-05-15_13h18_13

要するに、「比較的大きな値幅で、スイング方向にいい感じで閉じているローソク足」ということです。

特に、過去数本のローソク足の高値(アップスイングの場合)を抜け、上で閉じたようなローソク足は文句なしの「覚悟バー」です。

覚悟バーが出るたびに、そのローソク足をマークしていきます。(意識すればOK)

アップスイングからダウンスイングへのリバーサル(転換)だと

最後にできた覚悟バーの安値を下回ってクローズする陰線が出た場合、その瞬間にアップスイングからダウンスイングに転換したと判断します。

その時に最後の覚悟バーを下回ってクローズしたローソク足を反転バーや反転足といいます。

ダウンスイングからアップスイングへのリバーサル(転換)だと

最後にできた覚悟バーの高値を上回ってクローズする陽線が出た場合、その瞬間にダウンスイングからアップスイングに転換したと判断します。

その時に最後の覚悟バーを下回ってクローズしたローソク足を反転バーや反転足といいます。

反転バーは、新しく生まれたスイングの最初の覚悟バーとなります。

スイングリバーサルの使い道

4つの使い道がります。

・トレードの方向性を決めるために使う
・エントリーシグナルとして使う
・ストップ注文の位置として使う
・上位足の時間軸トレードへの切り替えに使う

エントリーシグナル

まず、エントリーシグナルとして使うことができます。

例えば、サポートライン付近で買いを狙っているとして、今そのライン付近まで下げてきました。

下げているわけなので、それはダウンスイングのはずです。

ダウンスイング中に買った場合、上手くいけば一番安い値段で買えるかもしれません。しかしまだ反転したという確認が取れていないのですから、エントリー直後にぶち抜かれる危険性も高くなります。

できることなら、ダウンスイングからアップスイングに転換したと確認できた瞬間に買うのがベストです。

下向きの「最後の覚悟バー」を上にブレークする「反転バー」がクローズした瞬間に買うのです。

これは上級者のプライスアクション手法と言ってもいいでしょう。

ピンバーや含み線などのような特別なプライスアクションシグナルを待ってエントリーするのもよい方法です。しかしいつもそのような特定のローソク足が出るわけではありません。

VCA1.0手法は、エントリーの瞬間におけるローソク足の形状を特に重視するわけではありません。もっと大きな視野の分析を重視します。

それは、

相場サイクル
バリュー
スイングの強弱分析

といったことです。

そのような分析が済ませている時点でエントリーの優位性は十分です。なにもエントリーの瞬間に特定の形状のローソク足だけを待つ必要はありません。

そこまでの分析をしておいて、最後の最後にローソク足がピンバーや含み線ではないからエントリーを見送るというのは馬鹿げています。

相場を徹底的に分析して有利なエントリーポイントまで引きつけたのであれば、エントリーシグナルとしては、「スイングが切り替わった」というスイングリバーサルのシグナルで十分なのです。

ストップ注文の位置に使う

買いエントリーすると、ストップ注文はどこに置けばよいでしょうか。

スイングローの下に置くのが一番一般的な方法です。

しかし、エントリーからスイングローまでの値幅が離れすぎている場合も多々あります。そんな時は、エントリーの根拠となった「反転バー」の安値のちょっと下に置くのが良い方法です。

一旦ポジションに利益が乗り始めたら、新たな覚悟バーが出るたびにその安値の少し下にストップ注文の位置を上げていくのもよい方法です。覚悟バーを使ってトレイリングストップを手動で行うのです。

2016-05-15_13h06_40

この方法を使うと、スイングの端から端まではとれませんが、多くの場合スイングの値幅の60~80%ぐらいを取ることができます。

トレードの方向性を決める

デイトレードをする際、多くの初心者はいきなり5分足を開いてパターンを読み取り、速攻でエントリーしようとします。

デイトレードなら、上位足である日足や4時間足などがどちら向きのスイングになっているかを認識しておくとよいです。

上位足のスイングがアップスイング中であれば、デイトレードでは買いを中心に狙っていきます。ダウンスイングなら、売りを中心に狙います。

もちろん、チャンスがあれば逆方向のエントリーも狙います。しかし上位足のスイング方向へのエントリーを重視します。

5分足のたった一つのスイングを取れば十分というタイプの短期トレードをするなら上位足はあまり関係ありません。

しかし、デイトレードで建てたポジションを、あわよくばスイングトレードのポジションに移行したと思っている野心的なトレーダーにとっては、上位足のスイングの方向にエントリーするか、上位足のスイングの方向が切り替わる直前を狙ってエントリーすることが重要になります。

上位足レベルのトレードに移行する

デイトレード建てたポジションの一部をスイングトレードに移行する、というスキルを身に付けることは次のレベルに行くために重要なステップになります。

しかし、どのような考え方でポジションを上位足に移行すればよいのでしょうか。

私の考え方はこうです。

まず、上位足について2つのことを分析します。

・相場サイクル
・スイングの方向

そして、次の2つのことを意識してデイトレードのエントリーを狙います。

上位足の相場サイクルのエントリーポイントでエントリーを狙う
・上位足のスイング方向、もしくは上位足のスイングが切り替わそうな時に先回りして新しいスイングの方向にエントリーを狙う

この2つのことを意識してエントリーしたデイトレードのポジションに利益が乗ってきたとき、その日の終わり(セッションの終わり)に日足(上位足)のローソク足をチェックします。

そのとき上位足が反転足や覚悟バーになっていたら、ポジションの一部をスイングトレードに切り替えて利益を伸ばします。

そしてそこからは、そのポジションをスイングトレードのポジションとして管理します。

このようにすることで、小さなリスクで大きな利益を取るチャンスが生まれます。そして上手くいけば、デイトレードをしているだけでは考えられないような利益、寝ている間に勝手に相場が稼いでくれる利益が転がり込んで来る可能性が開けます。

これはデイトレードやスキャルピングしかしないトレーダーには経験できないことです。

ジェシー・リバモアやBNFさんなど、とてつもない利益を上げた伝説レベルのトレーダーのトレードスタイルを調べてみてください。そういった伝説的トレーダーの多くは純粋なデイトレーダーではなく、デイトレードとスイングトレード、スイングトレードと長期投資の複合型トレーダーだと気付くはずです。

以上、スイングについて解説しました。

スイングの分析1 基礎編
スイングの分析2 出来高分析編
スイングの分析3 スイングリバーサル編

スイングの分析2 出来高分析編

スイングの分析1 基礎編ではスイングの強弱分析を行って近未来の値動きの方向性を予測する方法を解説しました。

スイング分析の要素は4つありました。

・値幅
・傾き
・エクステンションの伸び
・出来高分析

最初の3つは前回の動画で解説しました。

今回は出来高分析です。

現代版テープリーディング

私は10年以上にわたり、株と日経225先物のテープリーディング(歩み値の読解)を中心にトレードをしてきました。

私の出来高分析はテープリーディングの考えかたとほとんど同じです。

大きな出来高に注目します。

大きな出来高が出た方向についていけば良いのでしょうか?

じつはそうではありません。

大きな出来高の結果が出ている方向についていく必要があります。

小さな出来高

大きな出来高を分析することが一番重要ですが、小さな出来高も役に立ちます。

特に、大きな出来高ができたあとの小さな出来高はエントリーの判断に使えます。

大きな出来高でブレークアウトしたあと、プルバック(戻し)の出来高が小さければ、それはブレークアウトの継続が起きる可能性が高いことを示します。

なぜこの出来高の大きなローソク足を後後まで意識するのか?(質問への回答)

動画の中の28:50辺りで出来高の大きな陰線の価格帯を後後まで意識し、そして最終的に下にブレークしていくことを予測していました。

なぜこの出来高の大きな陰線を、そんなに重視するのでしょうか?

それは、このローソク足、というかこのダウンスイングが、ディストリビューション(売り抜けのレンジ)からマークダウン(ダウントレンド)へのキャラチェンジと考えることができるからです。

2016-07-28_17h17_38

出来高の大きなローソク足には常に意識しますが、このような重要な意味を持つポイントで現れた場合には特に意識します。そして、そのあとの小幅なレンジの頭を押さえて最終的に下へのブレークアウトが起きる可能性が高いことを予測することができます。

この記事の主題からは外れますが、レンジというのは、常に水平というわけではなく、この画像のように、若干右肩上がりだったり、逆に右肩下がりだったりもします。

ディストリビューションのレンジが常に水平のレンジで行われなければならない!と考えていると、この例のようなキャラチェンジには気付くことができないかもしれません。

レンジの理解は微妙なニュアンスがあって難しいのですが、これまでよりもさらに体系的にまとめ、分かりやすく伝える方法を模索しています。
。完成次第、新しい解説記事群を、追加特典としてアップしていきたいと思います。

スイングの分析1 基礎編

本編

補足説明

スイングとは?

相場の値動きは一直線には進みません。ジグザグに進みます。
そのジグザグの上げ下げのことをスイングという。

ジグザグの上げの波のことをアップスイング、
ジグザグの下げの波のことをダウンスイングといいます。

スイングはトレンドとは違います。
ほとんどの場合、上昇トレンドはアップスイングとダウンスイングの両方から構成されます。

また、ダウントレンドもアップスイングとダウンスイングの両方から構成されます。

このスイングというのはとても重要です。

なぜ重要か?

・スイングの強弱を使って値動きの強さを読み取り、その先の値動きの方向性を予測してエントリーの根拠に使える

・スイングの転換部分でエントリーするという意味で、エントリーシグナルにもなる

この2つの使い方ができるので、スイングについて理解することはとても重要です。

これから2つの記事に分けてスイングについて詳しく解説していきます。

スイングの分析1 基礎編では
事後的にスイングを読み取り、その強弱を分析することで近未来の値動きの方向性やキャラクターを予測する方法を解説します。

出来高分析編では、スイングの分析と出来高分析を融合する方法を解説します。出来高分析についても学ぶことができます。

スイングリバーサル編では、リアルタイムに展開している値動きを追跡し、スイングがアップスイングからダウンスイング、もしくはダウンスイングからアップスイングへと転換したと言える瞬間を見分ける方法を解説します。エントリーやストップ注文の置き方が上達します。

スイングを読む

スイングはどのように認識すればよいのでしょうか。

裁量トレーダーにとって一般的な方法は、チャートをパッと見てこれがアップスイング、これがダウンスイングと勝手に決めることです。

私はその方法でスイングを認識しています。

慣れていない方はZigZagインジケーターなどを使ってもよいでしょう。

TrasingViewやMT4には無料で使えるZigZagインジケーターがあります。

これらのインジケーターは、スイングの切れ目を独自のアルゴリズムで判断してジグザグのラインを引いてくれます。

どのようなアルゴリズム(ルール)でスイングのリバーサルを判断しているのか、私は詳しく知りませんが、一つだけ言えることは、インジケーターのパラメーターをいじって感度を高くするとジグザグが細かくなりすぎ、一方感度を鈍くすると、スイング転換をかなり遅れて判断するようになるということです。

自分にとって丁度良いと思える値にパラメーターを設定するようにしましょう。

強さの分析

スイングの強弱を分析するには、その要素を知る必要があります。

スイングの要素には以下のようなものがあります。

・値幅
・傾き
・エクステンションの伸び
・出来高分析

スイングにおける上記のような要素を見ることで強弱を分析します。

あるスイングの強弱を分析するには、比較する対象が必要です。

なにと比較すればよいでしょうか。

少し前のスイングと比較します。

・直近の同じ方向のスイング
・直近の逆行するスイング

今がアップスイングなら、そのアップスイングが始まる前のダウンスイング、そして一つ前のアップスイングと比較します。

あとは、「一つ前」とは限らず、少し前のスイング全般を見て、全体的な視野で見れるともっといいです。

最初のうちは「一つ前のスイング」に集中すると簡単にできると思います。

エクステンションの伸びについて

エクステンションの伸びとは、上昇スイングなら、直近の高値に対してブレークアウトがどれだけ伸びたか、のことです。

その伸び幅を前の伸び幅と比較することで今のスイングの強さ/弱さを分析します。

上方向への伸びが徐々に弱まってきているようだと、いずれ大きなダウンスイングが出るのではないか、ということが予測できます。

エクステンションの伸びが弱まってくると、それはトレンドが弱まってきている兆候のひとつとなります。

多くの場合、それだけを根拠に売ることはできませんが、根拠にはなるのです。

たとえば、それが複数のレジスタンスラインが重複する価格で起きたなら
そこはショートエントリーする価値があるかもしれません。

売りのシーケンスというのがあります。

1.エクステンションの伸びが弱まる       上げ方向に弱さの兆候
2.値幅と出来高の両方を伴う下げの波が出る   下げ方向に強さの兆候
3.そこからの戻りに値幅と出来高が伴わない   上げ方向に弱さの兆候

これらの3つのシーケンスがレジスタンスライン付近で出たところでエントリーするのは非常に優位性があります。

補足説明

海女さん理論

海に潜って貝を採る海女さんを例に挙げてイメージしてみましょう。
上昇トレンドに逆張りするのに役立つ考え方です。

下げのスイングは潜って貝を採っているところです
上げのスイングは空気を吸いに海面に上がってくるところです

潜る深さが普段よりも深くなり、そのあと海面になかなか上がってこれなかったらどうなるでしょうか?

ちょっとやばいな
ということになりますよね。

悲しい話になってしまいますので
現実の世界ではけっして起きてほしくないですが
溺れてしまって
深い深い海の底に沈んでしまいそうです。

上昇トレンドに逆張りする際には
このような状況が起きるまで待って逆張りする必要があるということを
覚えておいてください。

ローソク足単位のエクステンションの弱まり

エクステンションの弱まりとは
スイングハイを抜けた後の値幅の伸びが弱まってくる現象でした。

エクステンションの弱まりは、波単位だけではなく、ローソク足単位でも起こります。

それはどういうことかというと….

・連続するローソク足の上方向への伸びが小さくなる
・ローソク足の形において、上髭が多くなる 連続して上ひげになる

というようなことです。

これをどう使うかというと…
スイング分析を行い、スイング単位のエクステンションの弱まりを認識します。

そして、水平線やトレンドチャネルなどのレジスタンスラインでローソク足単位のエクステンションの弱まりが見られたらどうでしょうか。

それは複数の時間軸で同時にエクステンションの弱まりが見られたということになります。
弱さのコンフルエンスです。

コンフルエンスとは重複が起きたという意味です。

色んな事の重複、つまり…

高精度な水平線にあたっている
キャラチェンジの存在
スイング単位のエクステンション弱まり
ローソク足単位のエクステンション弱まり

こういったことの重複が起きたら、思い切ってエントリーすることに優位性があります。

勝率が80%とか90%でリスクレワード比3:1を安定して実現とかっていうのはちょっと難しいですが、勝率60%ぐらいでリスクレワード比2:1とか3:1ということであれば可能です。

キャラチェンジ 相場サイクルの切れ目を見分けるスキル

ここまでの解説で、あなたは高精度なラインを引くことができるようになりました。

次にあなたがマスターすべきことは、

相場における「キャラチェンジ」です。

確かリバモアさんだったと思いますが、こんなことを言っていました。

「トレーダーにとって最も大切なことは、相場におけるトレンドの変化を読み取ることだ」

キャラチェンジは、リバモアの言う「トレンドの変化を読み取る」とおなじことです。

私の手法において最も大切なことは、相場のキャラチェンジを読み取って最適なエントリー戦略を選択することです。

なんの根拠もなく、

「そこに高精度なラインがあるから、なんかわかんないけど逆張り」
「ラインを抜けたから、ここまで何が起きていたかは知らないけれど、とりあえず慌ててブレークアウトを狙ってみる」

といったトレードはしません。

そうではなく、以下のような考え方をします。

「さっきまでダウントレンドだったけれど、ライン付近でキャラチェンジが起きたから、ここからはレンジ相場向けの手法に切り替える。そのなかで、さっきまでのトレンドに対して逆張りの方向にもエントリーを狙おう。」

「しばらくレンジが続いたあとにキャラチェンジが起きた。ここからはブレークアウトエントリーやプルバックエントリーで順張りを狙おう。」

先ほどの「単純にラインまで来たから逆張り」や「ラインを抜けたからブレークアウト」とは全然違います。

このセクションの内容をしっかりと学び、練習してもらえばあなたもこのような判断ができるようになります。

相場サイクルとキャラチェンジ

4つの相場サイクルがあることを解説しました。

アキュムレーション
マークアップ
ディストリビューション
マークダウン

相場の変化を読み取るとは、これらのサイクルの切れ目に気付くことです。

しかし、各サイクルが終盤になったころに、今は○○のサイクルだ!
と言っても遅いです。

例えば、下値でレンジ相場が長い間続いた後、「あ、これはアキュムレーションのレンジ相場だ!」と気づいたとして、それは次のサイクルであるマークアップで順張りエントリーをするには良い情報ですが、アキュムレーション中の値動き自体を取るには少し遅すぎます。

そしてアキュムレーションやディストリビューション中の相場環境で使えるレンジ逆張りトレードのチャンスを逃してしまいます。

もちろん、レンジ相場をスルーしてもいいですが、レンジ相場になったことに気づけないということは、そこで間違った行動をとってしまいます。

人よりも早く相場サイクルの変化に気付くことで、「今やるべきこと」と「今やるべきでないこと」を知ることができるのです。

VCA1.0のエントリーポイントとキャラチェンジ

VCA1.0の簡易図で解説したエントリーポイントとキャラチェンジについて関係を見てみましょう。

2016-05-06_08h39_33

キャラチェンジには2つあります。

・トレンド相場からレンジ相場へのキャラチェンジ(ピンクの部分)
・レンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジ(水色の部分)

この2つに気付ける人は素晴らしいトレーダーになれます。

ダウントレンド→アキュムレーションへのキャラチェンジ

2016-05-06_20h04_38

ダウントレンドの状態からアキュムレーション(買占め)が始まったことを示すキャラチェンジとはどのようなものでしょうか。

キャラチェンジとは基本的には
強い下落の後に起きる、強い逆行する値動きのことです。

ダウントレンドなら、ダウントレンドのなかでそれまでに起きた上昇に比べ、明らかに違うレベルの上昇があれば、それはダウントレンド中のキャラチェンジということで、注目する必要があります。

しばらく下がったあと、グイっととどめの下げがあった後、反発が起きたような状況がキャラチェンジの典型的な形です。

2016-05-07_16h55_21

ダウントレンド中にキャラチェンジの上昇が起きたらそのあとはどうなるのでしょうか。

経験から言えるのは、そこから先は順調なトレンド相場がいったんは終了し、レンジ相場になる場合が多いということです。

ですので、キャラチェンジを見た後は

・分析に使うテクニカル指標を変更する
・トレンド相場向けのエントリー手法をストップし、レンジ相場向けのエントリー手法に切り替える
・ショートポジションの利食いを考える

このようなことが必要になります。

アキュムレーション(買占め)からアップトレンド(つり上げ)のキャラチェンジ

アキュムレーション(買占め)が終了すると、大口トレーダーによるつり上げが始まります。

このときもレンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジが起こります。

何が起きたらキャラチェンジなのか?

・レンジの中でこれまでにない強い上昇
・レジスタンスラインで出てくる売りの勢力を吸収して調子よく上げていく様子

これらがアキュムレーションが終わり、マークアップが始まるときのキャラチェンジとなります。

この(ブレークアウト直前の)キャラチェンジを見た時は、チャートのちょっと前(左側)にアキュムレーションのレンジがあり、レンジの中で下方向に3回程度の試しがあったなら、レジスタンスラインから上方向のブレークアウトには値幅の伸びが期待ができます。

マークアップ(つり上げ)からディストリビューション(売り抜け)のキャラチェンジ

大口がつり上げを行い、目標価格付近まで上がったら、今度は巨大な買いポジションンを売り抜けします(ディストリビューション)。

アキュムレーションの時の真逆になりますが、まずはバイイングクライマックスという出来高を伴う急激な上昇が起きます。そして反落します。

その反落の値幅が、それまでの上昇トレンド中に起きたどの下落よりも値幅が大きかった場合、その一連の動きはキャラチェンジだったととらえることができます。

2016-05-07_16h59_05

キャラチェンジがおきると、そのあとはディストリビューションのレンジ相場が予測さるので、高値と反落の安値にラインを引き、レンジ相場戦略に切り替えていきます。

ですから、そのあとは

・レンジ用のテクニカル指標に切り替える
・エントリー手法をレンジ相場向けのものに切り替える
・ロングポジションを利食いする

といったことが必要になります。

ディストリビューション(売り抜け)からマークダウン(叩き落し)へのキャラチェンジ

ロングポジションの売り抜けが終わったら、また下値で仕入れを行うためにマークダウン(叩き落し)が行われます。

もしくは上値でショートポジションを作っていて、下値で利食いするために叩き落すのかもしれません。

ディストリビューションはレンジ相場になっていますが、どのようなことが起きればレンジ相場が終わる兆候のなるのでしょうか。

・レンジの中でこれまでにない強い下落
・サポートラインで出てくる買いを吸収してすいすいと簡単に下げていく

これらがマークダウンが始まるときのキャラチェンジです。

その時、チャートの少し前(チャートの左側)にレンジ相場の中で上値を3回試したような値動きがあればサポートラインから下方向へのブレークアウトには値幅の伸びが期待できます。

2016-06-10_07h37_04

このキャラチェンジが起きた場合、ブレークアウトの売りや、プルバックの売りを狙っていきます。

まずはトレンドからレンジ相場へのキャラチェンジからマスター

レンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジは微妙なニュアンスの違いもあって難しいです。パターンは無数にあるといってもいいと思います。

一方、トレンドからレンジ相場へのキャラチェンジは簡単ですぐにでもマスターでき、それでいてとても役に立つスキルなので、必ず今すぐにマスターしましょう。

レンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジに関しては、長年の経験を積む中で少しずつ身についてきます。焦らずに進んでいっていただきたいと思います。

まとめ

相場で最も大切なことの一つは、トレンドの変化に気付くことです。

トレンドの変化に気付くとは、相場サイクルの切れ目に気付くということです。

今トレンド相場にあるなら、逆行する大きな値動きに注意を払いましょう。
もしそれが起きたら、それはトレンド相場がいったん終了し、レンジ相場になる可能性が高いことを意味します。

今レンジ相場にあるなら、レンジ相場のなかでこれまでに無い勢いの値動きに注意を払いましょう。
その値動きがライン付近で湧いてくる逆張りの勢力を吸収して進んでいくことができるなら、それは良いブレークアウトのサインになります。

トレンドライン(トレンドチャネル)の引き方

この記事ではトレンドラインについて解説します。

私は水平線を重視するタイプですが、トレンドラインも引きます。
そして、トレンドラインと水平線が重なるような場所を重視します。

トレンドラインには2つの引き方があり、その両方のテクニックを使ってラインの角度を値動きに合わせて微調整しながら引いていきます。

また、トレンドラインの引く際には、相場サイクルによって分けて引くという注意点もあります。

トレンドラインとは?

私にとってトレンドラインとは、トレンドチャネルの事です。

トレンドチャネルとはこういうやつです。

2016-05-04_21h55_05

下の1本だけを引いて、上のラインを引かないというのはちょっと無いかなと思います。
ですから、私の中で、トレンドライン = トレンドチャネル です。

この2本のラインの間を縫うようにトレンドが続くことを予測するために引くラインです。

トレンドラインの引き方

トレンドラインの引き方には2つの方法があります。

・普通の引き方
・リバーストレンドライン

どちらも簡単なので覚えてしまいましょう。

普通の引き方

一般的な引き方から行きましょう。

例えば上昇トレンドラインを引くなら、まずは2つの安値(スイングロー)を結んだラインを引きます。

2016-05-04_21h38_59

次に、1で引いたラインと並行のラインを2つの安値(スイングロー)の間にある高値(スイングハイ)を起点として引きます。

2016-05-04_21h40_10

これでトレンドラインが完成です。一般的にはこれをトレンドチャネルなどと呼びます。

この2本の間を縫うようにトレンドが継続すると予想することができます。(当たるか外れるかは別として)

リバーストレンドライン

リバーストレンドラインは、反対側から引くトレンドラインです。

「普通の引き方」においては、上昇トレンドチャネルのラインは下側のラインから引いていきます。

しかしリバーストレンドラインにおいては、上側のラインから引いていきます。

リバーストレンドラインの使い方としては、「普通の引き方」で引いたラインが機能しない場合、実際の値動きに合わせてトレンドチャネルの傾きを修正していく際に使います。
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基本的には、まずは「普通の引き方」で引いてみて様子を見ます。そしてその通りにいかないなら、実際の値動きに従ってリバーストレンドラインを使って修正していく。というった流れになります。

トレンドライン(トレンドチャネル)を引く際の注意点

トレンドライン(トレンドチャネル)を引く際に注意したいのは、必ずしも最安値や最高値を起点としてラインを引くわけではないということです。

相場には4つのサイクルがあると解説しました。

それぞれのサイクルによって相場で起きていることが違いますので、当然値動きのスピードも角度も全く違います。
アキュムレーション(買占め)やディストリビューション(売り抜け)においてはレンジ相場になりますし、マークアップやマークダウンではトレンド相場になります。

それらをひとまとめにしてトレンドライン(トレンドチャネル)を引こうとしても上手くいかないのは当然です。

ですから、例えば上昇トレンドが始まってトレンドラインを引く際には、必ずしもアキュムレーション(買占め)が行われていた部分での最安値を起点としてトレンドラインを引くわけではなく、実際のブレークアウトの値動きが出始めたあたりを起点としてトレンドラインを引き始めたほうが良いラインが引けるケースが多いです。

トレンドラインの引き方 まとめ

トレンドラインについてまとめました。

サンチャゴにとってのトレンドラインは、2本一組のトレンドチャネルのこと。

トレンドラインの引き方には2つの方法がある。

・普通の引き方
・リバーストレンドライン

まずは普通の引き方でトレンドラインを引き、実際の値動きにしたがってリバーストレンドラインを使ってトレンドラインを微調整していく。

トレンドラインンを引く際には、相場の4つのサイクルによって分けてラインを引いていくほうが上手く引けることが多い。

ラインの引き方 後編1 価格帯別出来高を使わない方法

価格帯別出来高を使わずに高精度な水平線を引く方法

Tradingviewの有料版を使いたくない場合や、価格帯別出来高が使えないチャートソフトを使う場合の水平線の引き方を解説します。

ここで解説する方法は、「ラインの引き方 前編 価格帯別出来高&MTFピボット」の記事で解説したうち、「LVN」を使う部分に差し替えると思ってください。

価格帯別出来高を使わない場合でも、「ラインの引き方 前編 価格帯別出来高&MTFピボット」で解説したのと同じようにマルチタイムフレーム分析をして、最後の仕上げにはマルチタイムフレームピボットを引きます。ただ、LVNの部分をこのページで解説する方法に入れ替えるだけだということです。

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どんなライン?

私自身も価格帯別出来高を使えない投資対象を分析する際にはこの方法で水平線を引いています。

どんな水平線を引くのでしょうか?

・高値と安値
・軸ライン
・マルチタイムフレームピボットライン

基本的には、価格帯別出来高を使う場合と全く同じ考え方です。

見える範囲でさっと高値と安値にラインを引く。これはOKでしょう。

次に軸ラインですが、これは私が適当に名付けた名前なので、覚える必要は無いかもしれませんが、ちょいちょいそんな呼び方をするかもしれないので知っておいてください。
軸ラインとは、要するに、過去に「反発」や「はじく」が起きた価格に引くラインのことです。

これは結果的に、価格帯別出来高を使う場合のLVNのラインとほぼ同じ位置に引くことになります。

軸ラインの引き方の基本は以下のようなものです。

1.反発
2.ズバッと抜ける
3.反対側から反発する

この3つが起きたポイントは簡単にわかると思います。

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こういったポイントに水平ラインを引いていきます。

レンジ相場の軸ライン

問題は、レンジ相場のごちゃごちゃした中での軸ラインです。

小さなレンジなら、レンジの上端と下端にラインを引いておけばよいでしょう。

しかし広大なレンジの場合、その真ん中あたりに意識されるポイントがあることが多いです。

その位置をピンポイントで見つける方法があります。

それは、大きな箱(レンジ)の中に小さな塊(小さなレンジ)がいくつも入っているのを意識することです。

そして大きな箱に右から銃で撃ち抜こうとした場合、簡単に貫通してしまうような位置に水平線を引くことです。そこが意識されるラインとなります。

そういうポイントは、結局のところ価格帯別出来高のLVNと同じ位置です。

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これを意識するのは、広大なレンジがある場合だけで大丈夫です。

このページのまとめ

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補足解説

2016-04-30_16h56_12

1.反発
2.ズバッと抜ける
3.反対側から反発する

が起きたポイントにラインを引くのですが、3の「反対側に反発」が起きていないような場所でも、1と2が起きたポイントにはラインを引きましょう。

ラインの引き方 前編 価格帯別出来高&MTFピボット

【このページにはこの動画以外にも補足説明の動画が複数ありますので、記事を読みながら順番に見ていただくことをお勧めします】

このページでは、「価格帯別出来高のLVN」と「マルチタイムフレームピボット」を使って最高に高精度な水平線を引く具体的な手順を詳細に解説します。

週の初めや一日の初めに、私自身が実際にやっている方法です。

このページで解説するノウハウは、それ単独でこの教材の価格以上の価値があるかもしれません。

水平線を重視する

ラインと一口に言っても、大きく分けると2種類あります。

水平線
トレンドライン

水平線は水平のライン
トレンドラインは斜めのラインです。

私が重視するのは水平線です。

もちろん、トレンドラインも引きます。しかしトレンドラインは斜めに引くラインですので、人によって引く位置がばらばらだと思いますし、引き始めのちょっとした角度の違いで、ラインの延長線上の位置は大きくずれてしまいます。

一方で水平線の場合は上手く引けるようになると、大口トレーダーが意識していることがほぼ確実なラインを引くことができ、人による位置的な誤差が小さいと考えます。

サンチャゴが重視している水平線の種類

水平線にもいろいろあります。

私が使うのは以下の3つです。

1.価格帯別出来高
2.チャートの値動きで引くライン
3.マルチタイムフレームピボット

この中で、私の中での重要度が増しているのが価格帯別出来高です。なぜか?とういのは、価格帯別出来高の原則の記事を読んでいただければ分かっていただけると思います。

チャートの値動きで引くラインについては、昔ながらの方法です。高値/安値に引くラインや、トレンドライン、そして私が「軸ライン」と呼んでいる「反発」「はじく」が起きたポイントに引くラインです。「昔ながら」とはいえ、ちゃんと引ける人は多くないかもしれません。

「軸ライン」は「反発」や「はじく」を意味するラインですので、価格帯別出来高とLVNとほとんど同じ位置を示すことがほとんどです。違いは、チャートのみから見つけるのが難しいということです。その方法は次回の「ラインの引き方 後編」で解説します。

マルチタイムフレームピボットを使う理由ですが、長年の経験から理由は分からないけれどピボットのラインで反応することが多いからです。

「日足や週足の4本値を使ってごちゃごちゃ計算しただけのピボットを重視するのは自分らしくないかな」という葛藤はあるのですが、とにかく反応することが多いので、使わないわけにはいかないといったところです。

FXではTradingViewのチャートが使えるので、1~3すべてを駆使してラインを引いています。
東証の株と大証の日経225先物に関しては、TradingViewがまだ対応していないので、2と3の方法で引いています。

近い将来は全てにおいて価格帯別出来高を使うようになる

株や225先物は価格帯別出来高を使える良い環境が整っていないので今のところはローソク足+マルチタイムフレームピボットでラインを引いていますが、TradingViewが東証データと大証データを導入した時点で私の分析はすべてこの価格帯別出来高を使った方法に統一される予定です。

水平線を引く手順

手順は以下のようなものになります。

1.上位足チャートを使い、価格帯別出来高のLVNにラインを引く
2.下位足(メインの時間軸)のチャートを開き、直近の価格帯別出来高を使ってLVNにラインを引く
3.下位足チャートにマルチタイムフレームピボットラインを引く(TradingViewの場合はマルチタイムフレームピボットインジを適用する)

以上の手順でライン引きはほぼ完璧です。

斜めのトレンドライン(トレンドチャネル)を引く場合もありますが、その方法は次のセクションで解説します。

1の手順は毎日行う必要はありません。
デイトレーダーなら、週に1回、もしくは大きく動いた次の日に見直すぐらいで十分です。

TradingViewを使うなら、慣れてくれば5分でできます。

では一つ一つの手順を詳しく見てみましょう。

1.上位足のLVNにラインを引く

上位足とは何だ?ということから始めると…

上位足とは、エントリーの時に使う時間足よりも上の時間軸のことです。

で、どの時間軸を上位足として使うのですか?
という質問をしたくなると思います。

しかしそれは一概には言えません。スイングトレーダーなら日足が良いと思います。デイトレーダーなら4時間足がお勧めですが、日足も見たほうが良いでしょう。

私はデイトレーダーとスイングトレーダーの中間ぐらいのトレーダーなので、両方を見ることが多いです。

どの時間軸チャートを上位足として使うか?の質問は、「どれぐらいさかのぼって見る必要があるのか?」
と同じ意味になるのですが、その答えは、「必要なだけさかのぼります」としか言えないのです。

たとえば、ポンド円を見てみましょう。
日足で見るとかなり強い下降トレンドが出ていています。

もしこの安値をまた抜けてくるとなると、その先の価格低別出来高には何も見えていません。未知の世界です。

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このような場合は、その位置の価格帯別出来高が見えるところまでチャートをさかのぼる必要があります。
2013年ごろまでさかのぼると、やっとこの位置のデータが表示され、その時のLVNやHVNが分かりました。

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これはあまりに昔のデータなので、それほど重要とは言えないかもしれません。しかし何も見えないよりはずっといいです。

もちろん、まだ到達したことのない未知の価格帯なら、それは仕方がありません。

未知の領域の価格帯別出来高は、それ以外の位置のラインを引く前に、週足などを使って広域を表示し、あらかじめ引いておきましょう。
「未知の領域」以外の価格帯別出来高に、あまり以前のデータまで混じってしまうと価格帯別出来高が濁ってしまい、わかりにくくなるからです。

どのような期間の価格帯別出来高を表示するか?についてコツがあります。

それはサイクルによって違います。

レンジの中にいる場合は、レンジが始まる前のトレンド状態まで含んで表示します。

レンジの部分と、レンジは始まる前のLVNの位置を知りたいからです。

強いトレンド(マークアップやマークダウンのサイクル)の場合は、そのトレンドが始まった辺りの位置、もしくは、そのトレンドが始まる前のレンジ相場を含む位置から表示します。

ダウントレンドであれば、ダウントレンドが始まる前の上値でのレンジ相場も含むと良いですよ、ということです。

それ以上前の価格帯別出来高まで含めると、余計なデータが混じってしまい、価格帯別出来高が濁ってしまうように思います。

下位足のLVNにラインを引く

下位足にも上位足と同じようにラインを引きます。
方法は簡単です。

単純に下位足(エントリーに使うチャート)に時間軸を下げ、そこに価格帯別出来高を表示し、直近の値動きの中で気になるLVNがあればラインを引いていきます。

このとき上位足のLVNとごっちゃにならないようにラインの色や種類を変えるなどの工夫をします。

TradingViewの場合にはラインによって表示する時間軸を指定することができるので便利です。

上位足で引いたラインは濃い青色で全ての時間軸チャートに同期する。
でも下位足で引くラインは水色で分足にしか表示しない。
といったようなことが可能です。

こうすることで上位足が、下位足で引いたマイナーなラインでごちゃごちゃになることを防ぐことができます。

このような気配りの行き届いた機能性の高さもTradingViewの魅力です。

TradingViewの価格帯別出来高の設定

このあとは実際にLVNのラインを引きながら解説していきますが、そのまえにTradingViewの価格帯別出来高の使い方について解説しておきます。
ここで解説するコツを使わず、普通に使おうとすると非常に面倒くさいです。
かならずここで解説するよな工夫をして、ライン引きの作業時間を短縮していくようにしましょう。

このセクションでは、以下のようなことを解説します。

・どの種類の価格帯別出来高?  Visual Range
・設定は?           時間軸によって目の細かさを変更する必要あり
・テンプレートに複数の設定を記憶させておく方法

どの種類の価格帯別出来高?表示方法は?

TradingViewには複数の種類の価格帯別出来高があります。

そのなかでも今回の方法で使うのはVisual Range というタイプのものです。

インジケーター – 「出来高プロファイル」-「Visual Range」

で表示することができます。

詳細はこちらのページを読んで理解してください。

動画でも解説しています。

これでVisual Rangeの価格帯別出来高を表示できるようになったと思います。

設定は?

価格帯別出来高の設定で重要なのは、目の細かさの設定です。

設定画面の「入力」タブ、「Rows Layout」で設定します。

「Tick Per Row」を選択し、なるべく目の細かい状態で見れるようにしています。
やはり詳細に見るほうがラインの精度も上がると思うのです。

最適な Row Size の設定はチャートの時間軸によって違います。

日足       100程度
その中間     50程度
5分足以下    10程度

このように、時間軸が大きくなるほど設定値を大きくする必要があります。

目の細かい状態で、長期間の価格帯別出来高を表示することはできないということです。

PCの性能や回線の速度が遅い人は、目を細かくすると読み込みに時間がかかるかもしれません。

みなさんの環境に合った設定を探ってください。

テンプレートを使う

時間軸によっていちいち設定を変更するのは面倒です。

そこで便利なのが「スタディーテンプレート」の機能です。

価格帯別出来高のパラメータを最適なものに設定し、その状態に名前を付けて保存しておき、あとから再利用することができます。

先ほど解説した時間軸による最適な設定をすべて別名で「スタディーテンプレート」に記憶させておけばよいのです。

その方法に関しては見てもらうのが一番早いので動画で解説します。

TradingViewの価格帯別出来高を使うコツを動画で解説

ここまでの解説で、価格帯別出来高を自由自在に操れる状態になったと思います。

TradingViewはこのように素晴らしい機能が満載ですので、ぜひいろいろな使い方をマスターしてください。

TradingView の使い方マスター講座

価格帯別出来高のラインを実際に引いてみよう

言葉で解説していてもわかりにくいと思いますので、動画を使って実際のチャートにラインを引いて解説していきましょう。

マルチタイムフレームピボットに関する参考資料

マルチタイムフレームピボットの詳細を解説

TradingViewの使い方を学びたい方へ

TradingViewの使い方を基礎から学びたい方はこちらのページを参考にしてください。

TradingView の使い方マスター講座

できるだけのことをやればよい

TradingView以外のチャートソフトではここまでのことはできないと思います。

その場合はできる範囲でやればよいと思います。

価格帯別出来高を使うトレーダーの多くは、単純に「過去100日分の価格帯別出来高を参考にする」といったシンプルな方法でラインを引いていますし、それでも機能すると思います。

無理して100%私のやり方をコピーしようとせず、ご自分の環境でできる範囲で私のやり方を取り入れていただけたらと思います。

TradingView以外でマルチタイムフレームピボットを使う方法

FXに関してはTradingViewを使うのが一番だと思います。無料版でもマルチタイムフレームピボットが使えると思います。

しかし日本株や日経225先物に関してはTradingViewが対応していないので、今のところ使えません。

日本株は私が以前作った「即戦力なピボット計算機」を使って計算するのが楽です。

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銘柄コードを入力してボタンを押すだけでマルチタイムフレームピボットの数値を取得できます。

取得した数値を使って、手動でお使いの証券会社のチャートにラインを引くのが一番簡単な方法だと思います。

ダウンロードはこちらのページから
ダウンロードパスワード:sokusenpivot

即戦力なピボット計算機の使い方

日経225先物に関しては、上記のツールでも正式データを取得することができません。
自分で4本値を調べて計算する必要があります。

ピボットの計算方法については、こちらのページを参考にしてください。

水平線の引き方 前編 価格帯別出来高&MTFピボット まとめ

このページでは、価格帯別出来高とマルチタイムフレームピボットを使って高精度なラインを引く手順を詳細に解説しました。

時間がかからず、しかも作業の難易度も低い。それなのに最強に高精度なラインを引ける方法です。

TradingViewのProプラスを使おうという方は、必ずマスターしてください。

このページで解説したノウハウは、それ単独でも教材の価格を超えるぐらいの内容かもしれません。VCA1.0メンバーだけの極秘ノウハウということでお願いします。

次回、ラインの引き方 後編 では、価格帯別出来高を使わない方法を解説します。
お楽しみに。