ここまでの解説で、あなたは高精度なラインを引くことができるようになりました。
次にあなたがマスターすべきことは、
相場における「キャラチェンジ」です。
確かリバモアさんだったと思いますが、こんなことを言っていました。
「トレーダーにとって最も大切なことは、相場におけるトレンドの変化を読み取ることだ」
キャラチェンジは、リバモアの言う「トレンドの変化を読み取る」とおなじことです。
私の手法において最も大切なことは、相場のキャラチェンジを読み取って最適なエントリー戦略を選択することです。
なんの根拠もなく、
「そこに高精度なラインがあるから、なんかわかんないけど逆張り」
「ラインを抜けたから、ここまで何が起きていたかは知らないけれど、とりあえず慌ててブレークアウトを狙ってみる」
といったトレードはしません。
そうではなく、以下のような考え方をします。
「さっきまでダウントレンドだったけれど、ライン付近でキャラチェンジが起きたから、ここからはレンジ相場向けの手法に切り替える。そのなかで、さっきまでのトレンドに対して逆張りの方向にもエントリーを狙おう。」
「しばらくレンジが続いたあとにキャラチェンジが起きた。ここからはブレークアウトエントリーやプルバックエントリーで順張りを狙おう。」
先ほどの「単純にラインまで来たから逆張り」や「ラインを抜けたからブレークアウト」とは全然違います。
このセクションの内容をしっかりと学び、練習してもらえばあなたもこのような判断ができるようになります。
相場サイクルとキャラチェンジ
4つの相場サイクルがあることを解説しました。
アキュムレーション
マークアップ
ディストリビューション
マークダウン
相場の変化を読み取るとは、これらのサイクルの切れ目に気付くことです。
しかし、各サイクルが終盤になったころに、今は○○のサイクルだ!
と言っても遅いです。
例えば、下値でレンジ相場が長い間続いた後、「あ、これはアキュムレーションのレンジ相場だ!」と気づいたとして、それは次のサイクルであるマークアップで順張りエントリーをするには良い情報ですが、アキュムレーション中の値動き自体を取るには少し遅すぎます。
そしてアキュムレーションやディストリビューション中の相場環境で使えるレンジ逆張りトレードのチャンスを逃してしまいます。
もちろん、レンジ相場をスルーしてもいいですが、レンジ相場になったことに気づけないということは、そこで間違った行動をとってしまいます。
人よりも早く相場サイクルの変化に気付くことで、「今やるべきこと」と「今やるべきでないこと」を知ることができるのです。
VCA1.0のエントリーポイントとキャラチェンジ
VCA1.0の簡易図で解説したエントリーポイントとキャラチェンジについて関係を見てみましょう。

キャラチェンジには2つあります。
・トレンド相場からレンジ相場へのキャラチェンジ(ピンクの部分)
・レンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジ(水色の部分)
この2つに気付ける人は素晴らしいトレーダーになれます。
ダウントレンド→アキュムレーションへのキャラチェンジ

ダウントレンドの状態からアキュムレーション(買占め)が始まったことを示すキャラチェンジとはどのようなものでしょうか。
キャラチェンジとは基本的には
強い下落の後に起きる、強い逆行する値動きのことです。
ダウントレンドなら、ダウントレンドのなかでそれまでに起きた上昇に比べ、明らかに違うレベルの上昇があれば、それはダウントレンド中のキャラチェンジということで、注目する必要があります。
しばらく下がったあと、グイっととどめの下げがあった後、反発が起きたような状況がキャラチェンジの典型的な形です。

ダウントレンド中にキャラチェンジの上昇が起きたらそのあとはどうなるのでしょうか。
経験から言えるのは、そこから先は順調なトレンド相場がいったんは終了し、レンジ相場になる場合が多いということです。
ですので、キャラチェンジを見た後は
・分析に使うテクニカル指標を変更する
・トレンド相場向けのエントリー手法をストップし、レンジ相場向けのエントリー手法に切り替える
・ショートポジションの利食いを考える
このようなことが必要になります。
アキュムレーション(買占め)からアップトレンド(つり上げ)のキャラチェンジ
アキュムレーション(買占め)が終了すると、大口トレーダーによるつり上げが始まります。
このときもレンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジが起こります。
何が起きたらキャラチェンジなのか?
・レンジの中でこれまでにない強い上昇
・レジスタンスラインで出てくる売りの勢力を吸収して調子よく上げていく様子
これらがアキュムレーションが終わり、マークアップが始まるときのキャラチェンジとなります。
この(ブレークアウト直前の)キャラチェンジを見た時は、チャートのちょっと前(左側)にアキュムレーションのレンジがあり、レンジの中で下方向に3回程度の試しがあったなら、レジスタンスラインから上方向のブレークアウトには値幅の伸びが期待ができます。
マークアップ(つり上げ)からディストリビューション(売り抜け)のキャラチェンジ
大口がつり上げを行い、目標価格付近まで上がったら、今度は巨大な買いポジションンを売り抜けします(ディストリビューション)。
アキュムレーションの時の真逆になりますが、まずはバイイングクライマックスという出来高を伴う急激な上昇が起きます。そして反落します。
その反落の値幅が、それまでの上昇トレンド中に起きたどの下落よりも値幅が大きかった場合、その一連の動きはキャラチェンジだったととらえることができます。

キャラチェンジがおきると、そのあとはディストリビューションのレンジ相場が予測さるので、高値と反落の安値にラインを引き、レンジ相場戦略に切り替えていきます。
ですから、そのあとは
・レンジ用のテクニカル指標に切り替える
・エントリー手法をレンジ相場向けのものに切り替える
・ロングポジションを利食いする
といったことが必要になります。
ディストリビューション(売り抜け)からマークダウン(叩き落し)へのキャラチェンジ
ロングポジションの売り抜けが終わったら、また下値で仕入れを行うためにマークダウン(叩き落し)が行われます。
もしくは上値でショートポジションを作っていて、下値で利食いするために叩き落すのかもしれません。
ディストリビューションはレンジ相場になっていますが、どのようなことが起きればレンジ相場が終わる兆候のなるのでしょうか。
・レンジの中でこれまでにない強い下落
・サポートラインで出てくる買いを吸収してすいすいと簡単に下げていく
これらがマークダウンが始まるときのキャラチェンジです。
その時、チャートの少し前(チャートの左側)にレンジ相場の中で上値を3回試したような値動きがあればサポートラインから下方向へのブレークアウトには値幅の伸びが期待できます。

このキャラチェンジが起きた場合、ブレークアウトの売りや、プルバックの売りを狙っていきます。
まずはトレンドからレンジ相場へのキャラチェンジからマスター
レンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジは微妙なニュアンスの違いもあって難しいです。パターンは無数にあるといってもいいと思います。
一方、トレンドからレンジ相場へのキャラチェンジは簡単ですぐにでもマスターでき、それでいてとても役に立つスキルなので、必ず今すぐにマスターしましょう。
レンジ相場からトレンド相場へのキャラチェンジに関しては、長年の経験を積む中で少しずつ身についてきます。焦らずに進んでいっていただきたいと思います。
まとめ
相場で最も大切なことの一つは、トレンドの変化に気付くことです。
トレンドの変化に気付くとは、相場サイクルの切れ目に気付くということです。
今トレンド相場にあるなら、逆行する大きな値動きに注意を払いましょう。
もしそれが起きたら、それはトレンド相場がいったん終了し、レンジ相場になる可能性が高いことを意味します。
今レンジ相場にあるなら、レンジ相場のなかでこれまでに無い勢いの値動きに注意を払いましょう。
その値動きがライン付近で湧いてくる逆張りの勢力を吸収して進んでいくことができるなら、それは良いブレークアウトのサインになります。

感動です。ありがとうございます。
群集よりも一歩先に「キャラチェンジ」を見抜くことが出来るんですね!
今回の「学び」は
「相場のキャラチェンジを読み取って最適なエントリー戦略を選択すること」
まずは基本となる「ダウントレンド→アキュムレーションへのキャラチェンジ」を身につけ
上位5%へ入れるよう努力いたします。
動画は何回も見て復習したいと思います。
ありがとうございます!
レンジにも種類があると思うのですが
これが三角保ちあいやフラッグならどうなりますか❓
レンジにはいろいろな種類があります。若干上昇しながらのレンジ、下落しながらのレンジ、三角持ち合いなど。
上昇しながらや下落しながらのレンジの場合もブレークアウトが失敗しやすい性質に変わりはありません。
三角持ち合いの場合、当然LVNなどの有利なエントリーポイントに出てきてすきを見せることが無いので、レンジ逆張りのエントリーすることはできません。三角持ち合いが続いた後、勢いよくブレークアウトしてくるところを順張りで狙うことになります。そこはレンジからトレンドへのキャラチェンジを意識します。
上記の、三角持ち合いから、勢いよく上にブレークするパターンですが、三角持ち合いにも
レンジの上限を一辺とするものと、下限を一辺とするものがあります。
この場合、レンジからトレンドへのキャラチェンジを考えてみると、
・レンジの中でこれまでにない強い上昇
・レジスタンスラインで出てくる売りの勢力を吸収して調子よく上げていく様子
という二点の内、下限を一辺とする三角の場合には、2点ともに観測可能と思うのですが、上限を三角として、先細る場合には、一番目の減少が出にくいのではないかと思われます。勿論、近隣の先細ったローソク足との、相対的な比較はできますが、全体の意からは、むしろ、レンジ全体から見た著しい大きさ、という意味でおっしゃっていると思います。一般に、このような三角持ち合いは、上ブレークと言われていますが、実際、そうでないことも見ています。確率的な観点で言えば、やはり、上ブレークであり、それは、上の、キャラチェンジの第一条件が不要になっている強さが内包されているからなのでしょうか?
後、第二条件ですが、これは、後出の出来高のわりに結果を出せていない(今の場合は下げ)ローソク足の複数の出現ということでよろしいでしょうか?
トレンドからレンジへのキャラチェンジよりも、逆のキャラチェンジの方がむつかしいというのは、第一条件が、相対的にはっきりしないからなのでしょうか?
宜しくお願いします。
三角持ち合いにおけるキャラチェンジを見つける際、三角のラインをブレークするまでに判断できるというわけではありません。
三角持ち合いでもキャラチェンジのラインは引けています。(水平のライン)
このラインに向けて上げていく値動きを見てキャラチェンジを判断します。
キャラチェンジのライン(高値)を抜けるまでエントリーしないわけではありませんが、三角持ち合いのラインを抜ける瞬間にエントリーというよりは、高値に向けての値動きを見て判断しています。
>後、第二条件ですが、これは、後出の出来高のわりに結果を出せていない(今の場合は下げ)ローソク足の複数の出現ということでよろしいでしょうか?
それもありますし、売りのシグナルが出たのに下げないというのも重要なサインです。
>トレンドからレンジへのキャラチェンジよりも、逆のキャラチェンジの方がむつかしいというのは、第一条件が、相対的にはっきりしないからなのでしょうか?
はい、その通りです。
今日も素晴らしい解説をありがとうございました。
実践で生かせるように、何度も復習をして、頭と体に叩き込みたいと思います。
このVCAの講座に参加して良かった、と毎回思います!
今回もかなり有益な情報ありがとうございました。
まずはトレンド~レンジのキャラチェンジを見抜ける
ようになりたいと思います。
一つ質問ですが、実際の相場では急騰の後レンジになり下降転換
のパターンにならず、再度上昇というパターンも見受けられます。
この場合レンジの出口が上に抜けるのか? 下にぬけるのか? の見分け方もあるのであればご教授いただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたします。
全ての方が共通して抱く疑問だと思います。
結論から言うと、絶対的な見分け方はありません。
最後にマークダウンかマークアップが始まるキャラチェンジの時に分かります。
しかしいくつかの判断材料があります。
1つは、レンジが始まるときのキャラチェンジの大きさです。出来高と値幅両方です。
上昇トレンドからのキャラチェンジのマグニチュードが大きければ、その時に私が考えるのは2つです。
1.ディストリビューションが始まったかな?
2.再アキュムレーションだとしても、上昇トレンドが再開するまでに時間がかかるだろうな。
この2つのうちのどちらかになる確率が7割~8割ぐらいはあると思います。
そしてそのうちのどちらかは、レンジ内での需要と供給を読んでいる中で、徐々に明らかになっていくことが多いです。
最後の瞬間までははっきりとはわかりません。
もちろん、まったく突拍子もない方向にブレークアウトしていくことも多々あります。
それは仕方がないです。
需要と供給は、出来高とローソク足の方向や値幅で読み取ります。
その辺りのことは、来週解説しますのでもう少しだけお待ちください。
indy927さんと同じくですが、ボックスがアキュミレーションなのか、中間持合いで再度トレンド方向に行くのか、その区別を悩んでいます。今現在もボックスのような動きですが、再度下なのか、それともアキュミレーションか、どのように判断すればいいのか悩んでしまいます。
お世話様です。
質問ですが、
仕掛けてくる大口トレーダーはどの時間足をみているのでしょうか…
それは、私にもわかりません。
ただ、最も強い勢力は日足や週足を分析しているのではないかと推測します。
トレンド相場からレンジ相場へのキャラチェンジで、キャラチェンジだと判定出来る最初の戻し幅でレンジ幅を想定すると思いますが、その後、その位置よりも少しズレたラインでレンジの上下を繰り返すようなら、レンジ幅自体もそれに合わせて修正したほうがよいのでしょうか?
はい、新しいラインを随時引いていってください。しかし最初のラインは最後まで意識される傾向があると思うので、残しておいたほうが良いと考えています。
時間軸は関係なくてもいいのでしょうか?
4Hで流れをみて30分足でもしくは
短期的なら5分足でも執行判断してもいいのでしょうか
時間軸に関しては、柔軟に対応していくのがベストだと思います。
生活の中でいつも同じ集中力、同じ時間でトレードできるわけではないので、その時にできることをやるという感じになっていきます。
その時に見やすい時間軸でトレードするのもよいでしょう。
4時間足を上位足として分析し、5分~30分足でエントリーを狙うのはいい感じだと思います。
お世話様になっております。雇用統計後のアキュミュレーション、その後のマークアップ、LVNやピボットにタッチ、比較的に大きい上げ(例えば、5月9日朝9:00の状況)したような状況下で、その後ディストリビューションのレンジ相場を予測するのか、マークアップの今後の継続を予測するのか、やはりもうちょっとウォッチしてプルバックを確認してからなのか。。さらにそれをどの足で見るのか、トレードのスパンによっても現状認識が変わってくるのでしょうが思ったより難しいです。
お世話になっております。
まさに私が一番知りたいことでした。
トレンド相場では勝てても、サイクルが変わるところで大きく負けてしまうということを繰り返しておりました。
早速トレードに活かせるようにしたいと思います。
ありがとうございます。
こんにちは、素晴らしい講習ありがとうございます。
一つ質問です。
キャラチェンジもそうですが、使われる言葉が一般的なものと違うと思うのですが、これはどこかで利用されるものなのでしょうか?
それともサンチャゴさんのオリジナルでしょうか?
お時間のある時に教えてくださいmmm
次回楽しみにしてりますw
オリジナルになります。
一般的なのと違いますかね。
ガラパゴス諸島状態かもしれません。
文中に
”これらがマークダウンが始まるときのキャラチェンジです。
その時、チャートの少し前(チャートの左側)に上値を3回ほど試したあとのレンジ相場があれば底から下方向へのブレークアウトには値幅の伸びが期待できます。”
とあるのですが、下に行こうとしているのに上値を3回試すとあります。
逆なような気がするのですが、具体的にチャートで教えていただけないでしょうか。
コンバージェンスの所で説明がでてきたので、ここで言おうとしている内容は理解出来ました。ブレイクアウトのポイントも底から下方向というのはボックスで囲われた最安値をブレイクという事ですね。正直図がないと分かりづらいです。
ご指摘ありがとうございます。
文章を少しわかりやすく修正し、ディストリビューションから下値をブレークアウトするキャラチェンジの部分にチャートのキャプチャ画像を追加いたしました。
サンチャゴさん
相場の動き全てを説明する、統一的な考え方、初めてみました。このように見ると、相場の動きの一つ一つに翻弄されずに、自分自身の相場での運命に、ずっとコントロールを有する気がします、ありがとうございました。
今、この4つのサイクルで、チャートを理解しようと、自分なりに、いろいろ線や、ボックスを引いているのですが、2,3質問があります。
1)相場の原理はどの時間足でも同じだと思うのですが、4つのサイクルがよりきれいに出るのは、やはり、長い足なのでしょうか?
例えば、ドル円日足では、下落チャネルがあり、4時間足では、そのチャネルの中で上下のトレンドを来る返していますが、方向転換点は、確かに、数本の先でできたレンジとは解釈できますが、日足のチャネルの幅、~6円、を動かすほどの量を大手が、買い占め或は売り抜けをできるほどの機会があったかと考えてみれば、あまりにレンジが小さい気がします。勿論、マークアップ、ダウンの過程で、再度、買い占め、売り抜けが起きていますが、極めて小さなsスイングも多々あります。これは、上位の日足が下落トレンドであり、大手の買い占め/売り抜けは、日足レベルの時間フレームで行われたため、既にマークアップ/ダウンに入っており、取引量も、日足のレンジよりずっと少ないため、下位足では、僅かな買い占め/売り抜けで、簡単にマークアップとダウンがひっくり返るように見えてしまうのでしょうか?
別の言い方をすれば、大手の買い占め/売り抜けと同じ時間フレームで見ないと、レンジのサイズ長さから、その後のマークアップの伸びを予想したり、といったことができない、ということでしょうか?
2)日足でも、実際に、ビデオで行われたような練習をすると、比較的大きなレンジの途中で、短期間、レンジの上下で、へばりついたような、小さなレンジが形成されることが何度もあります。そして、その後も、忙しくれbるを変えて、小さなレンジが出現します。
勿論、これは、レンジが途中でブレークし、すぐ上で止まり、新たなレンジを作り、その後、下にブレークしたものの、元のレンジに戻り、...という調子で繰り返せば、解釈することはできますが、それでは、4サイクルのシンプルな利点がなくなってしまうように思います。(例としては、ドル円、2015年8月24日から、2016年2月3日です。2015年8月25~28日の3つの連続した陽線をキャラチェンジとして解釈し、118.3~121.7のレンジを想定しました。困ったのは、11月9日~12月9日、1月7日~1月22日の上下に出ている部分の解釈です。)
或は、きれいに4サイクルで説明できるような地合いに、フォーカスするというのが正しいアプローチなのでしょうか?
宜しくお願いします。
>1)相場の原理はどの時間足でも同じだと思うのですが、4つのサイクルがよりきれいに出るのは、やはり、長い足なのでしょうか?
【回答】どの時間軸でもいろんな規模で相場のサイクルが繰り返されています。どの時間軸が一番?といのは分かりません。
このような考え方が生まれた20世紀初頭の米国株式相場では日足や週足の分析が前提とされていました。今でも日足中心に考える人が多いと思います。
>2)日足でも、実際に、ビデオで行われたような練習をすると、比較的大きなレンジの途中で、短期間、レンジの上下で、へばりついたような、小さなレンジが形成されることが何度もあります。そして、その後も、忙しくれbるを変えて、小さなレンジが出現します。
勿論、これは、レンジが途中でブレークし、すぐ上で止まり、新たなレンジを作り、その後、下にブレークしたものの、元のレンジに戻り、...という調子で繰り返せば、解釈することはできますが、それでは、4サイクルのシンプルな利点がなくなってしまうように思います。(例としては、ドル円、2015年8月24日から、2016年2月3日です。2015年8月25~28日の3つの連続した陽線をキャラチェンジとして解釈し、118.3~121.7のレンジを想定しました。困ったのは、11月9日~12月9日、1月7日~1月22日の上下に出ている部分の解釈です。)
或は、きれいに4サイクルで説明できるような地合いに、フォーカスするというのが正しいアプローチなのでしょうか?
【回答】相場の値動きの大部分は良く分かりません。分かりやすい相場環境にフォーカスするのが一番だと思います。
ドル円のレンジですが、サポートは116.06あたりに引くのが一般的かなと思います。
この辺りは日足レベルの大きなディストリビューションの中の上下動ですね。
もともと日足レベルのディストリビューションが始まったキャラチェンジの下落(2015年12月8日からのダウンスイング)の値幅とかぶります。
大きなディストリビューションの中の下で小さなアキュムレーション、そして上のほうでディストリビューションが行われていると理解してはいかがでしょうか。
大きなディストリビューションのレンジの中なので、小さなレンジからブレークアウトしても大きくは伸びずに上と下でレンジ相場が繰り返されている感じです。
その中で大口が売り抜けたり、ショートポジションを作ったりが行われていたということだと思います。
ご丁寧な返答ありがとうございました、大変、勉強になりました。
お世話になっております。株、先物などで下降トレンド中に「窓」を開けて高く寄り付いた、上昇トレンド中に「窓」を開けて安く寄り付いた等、窓開けの時のキャラチェンジの考え方について少し解説いただけますでしょうか。宜しくお願い致します。
ギャップダウンが起きた場合、前日の終値からの値幅をローソク足の値幅ととらえます。そしてそのダウンスイングの値幅が大きいようであれば、キャラチェンジとみなします。
ギャップアップの場合も同じように考えます。
例えば、日足でとらえたキャラチェンジに基づいて定義したレンジの中に、4時間足、30分足のレベルでのキャラチェンジが出現することは、「コンバージェンス」の際に、丁寧にご説明くださったように、よくあることであり、トレーダーにとって確信を深めるという意にで、良いことであることは理解しています。
今回の、レンジからトレンドのブレークのキャラチェンジを考えた場合、理論的には、日足の足が、2条件を満たすまで待つということもありでしょうし、下位足で2条件が満たされた時点で、よりよいリスク・リワード比を求めてエントリーすることもありかと思います。時間軸の違うレンジの上下限は、必ずしも、上位足の上下限の近くにあるとは限らない、という事実をもってしても、先走ってエントリーする事の、統計的是非の判断に苦しみます。
レンジ→トレンドへのケースはむつかしいとのことなので、いろいろむつかしい要素が関連しているとは思うのですが、ご意見いただければ助かります。
上位足でレンジ→トレンドへのキャラチェンジが起きていると判断したら
下位足でその方向へのエントリーを狙うわけですが、下位足は下位足で優位性のあるエントリーをして、上手くいけば上位足のポジションに発展させると考えてみてください。
上位足がブレークアウト、下位足はプルバック
上位足がブレークアウト、下位足はレンジ逆張り(下値でのだまし)
上位足がブレークアウト、下位足もブレークアウト(下位足のレンジのブレークアウト)
といった組み合わせの考え方でトレードし、上位足のブレークアウトのポジションに発展させようとします。
私はそのような考え方でマルチタイムフレームトレードをしています。
サンチャゴさん、度々恐れ入ります。
ビデオを見直すと、理解が深まると共に、新たな質問が生まれてしまいます。
おっしゃる通り、トレンドからレンジへの転換は、キャラチェンジを見つけることで、他の人より早く、レンジへの対処ができ、上下限への逆張りを開始することができます。非常に基本的な事なのですが、質問は、その後、レンジがいつまで続くかわからない状態で、どのようにトレードしていくのかということです。レンジも見る時間足にもよりますが、短いものもあれば、長いもののあり、特に、レンジからトレンドへの転換が、難しいという条件下、毎回、上下限に近づくたびに、スイング、ローソク足の勢いの衰えを計り、後出するスイングリバーサルの出現で、エントリーしていくことを続けるのでしょうか?(その場合、早く転換を知るために、下位足を使うのだと思うのですが、正しいですか?)これを繰り返し、抵抗なく多く上げ(下げ)、その後の反対の動きに結果がないことを出来高とローソク足の幅、覚悟等で判断して、変化が出てきたら、ブレークを疑い、ブレークへの順張りに賭ける、という手順で良いのでしょうか?
宜しくお願いします。
はい、その通りです。
・キャラチェンジの規模が大きければ大きい程、レンジの期間が長く続く(規模とは値幅と出来高)
・上下3回程度の試しが起きた後はブレークアウトの環境が整ってきていると考える。
というのが一つの目安になっています。
サンチャゴさん
お世話になります。
非常に有益なコンテンツをご提供して下さり感謝しています。
現在、この動画まで視聴しましたが、EU離脱騒動後の現在のGBPJPYやEURJPYはキャラチェンジしているとみていますがサンチャゴさんはどのような見解でしょうか。
日足の戻りとしては小さめですが。。
デイトレードの時間軸においてはキャラチェンジが起きていますが、
日足レベルではまだキャラチェンジは起きていません。
それまでの戻しと比べてひときわ大きな戻しが出たらキャラチェンジとみなします。
他にはない斬新な内容で、この先の展開にもワクワクと期待しております。
さて、他の方からも似たような質問がありますが、私からももう少し深堀させてください。
より具体的に示す方が共有しやすいと思いますので、私のトレードのやり方をずばり示しながらの質問とさせていただきますね。
●デイトレード限定
●時間軸は、長期を1時間足、短期を5分足(環境認識に4時間足と日足)
●リワードは1.5倍(原則エグジットまでのPIPSは10~20と小さ目)
としております。
色々な考え方がありますが、上記が私の【性格】に合っているからです。
さて、大口の買い占め等々、非常に心揺さぶれる内容なのですが、実は一昨日位から本日現在において【ゴールド/米ドル】にて、1時間足を見ると上昇トレンドからキャラチェンジ、そして現在は買い占め/売り抜けと見られるレンジ相場に突入しております。
余りにもドンピシャなチャートとなっておりますので「おっ!」と思ったのですが、しかしながら日足で見ますと当然ながら別の形として認識してしまう状態です。また、王道の移動平均線やダウ理論から1時間足を判断しますと、短期・中期・長期MAが上向きに集中しており、絶好の買い場を示しています。
移動平均やダウは無視するとして、大口の4つのサイクルを考えるとき、大口のスケール感的に、1時間足でのレンジを買い占め/売り抜け、トレンドをマークアップ/マークダウンと考えることは正しいのでしょうか?
それとも1時間足では、大口トレーダーのスケール感的に4つのサイクルを当てはめても信憑性に欠けるのでしょうか?
ご教授いただきたく宜しくお願いします。
補足です。
何が言いたいかと言いますと、1時間足でも大口の4つのサイクルが機能する場合と、機能する場合とでは現在のゴールド/米ドルに対するトレードが正反対になるという事です。
①1時間足でも機能場合 ⇒ 移動平均やダウ理論を無視して、レンジ上限で逆張り(売り)。
②1時間足では機能しない場合 ⇒ 移動平均やダウ理論に沿って順張り(買い)。
もちろん、マーケットである以上、4つのサイクル理論自体が絶対に機能するしないというお話ではない事は理解しておりますが、4つのサイクルを手法と考える時の指針として、1時間足によるトレンドやレンジを当てはめることが妥当なのかどうか?を教えていただきたいのです。
非常に悩ましいのです。。
全ての時間軸において、買い/売り両方のサイドに有力な大口トレーダーが参加していると思います。どちら側が正しいということではなく、彼らはトレードマネジメントが上手いので、どちらも長期的には勝っているのでしょう。
我々も、自分が描いたシナリオに従って、最善を尽くすだけです。
トレードにおいては、常に悩ましい選択に迫られます。特に、複数のトレード手法を同時に適用しようとすると。
HATTA様の時間軸が1H-5Mであるなら、1時間足でキャラチェンジが起きたら、しばらくはその値幅の両端で逆張りを狙い、レンジブレークアウトが起きたら順張りでトレードするだけです。
10~20Pipsをとるだけなら、日足のトレンドや、自分の手法と関係のないテクニカル指標に惑わされるのではなく、目の前のキャラチェンジやトレンドを見るほうが効率が良いです。
なにをどう分析しようが、リスクレワード比で2倍程度以上を狙うなら、勝率は6割程度に落ち着きます。ですから、余計なことは考えず、自分の手法にとって重要なことだけをしっかり考え、賭けてみるだけです。
私はそんな考え方で、割り切っています。
サンチャゴさん 参加して良かったです!! ありがとうございます。
サンチャゴさん、上記回答のうち、需給と供給を読む、の記載部分がよく理解できておりません。上辺と下辺がほぼ水平のレンジを想定した場合、どのようにして現在のレンジ内で行われているのが買い占めなのか、それとも売り抜けなのかを判断するのでしょうか。
お忙しいなか恐縮ながらお答えいただけるとありがたく存じます。
上記回答部分:
そしてそのうちのどちらかは、レンジ内での需要と供給を読んでいる中で、徐々に明らかになっていくことが多いです。
最後の瞬間までははっきりとはわかりません。
もちろん、まったく突拍子もない方向にブレークアウトしていくことも多々あります。
それは仕方がないです。
需要と供給は、出来高とローソク足の方向や値幅で読み取ります。
その辺りのことは、来週解説しますのでもう少しだけお待ちください。
ご質問をさせていただいた理由としては、
上辺と下辺を行ったり来たりするレンジ内だと上昇と下降はほぼ同じ割合なるので、出来高とローソク足や値幅で、買い占めか売り抜けかを判断するのは難しいと考えたからです。
これも、トレードにおけるほかの全ての問題と同じで、たった一つの明快な答えは存在しません。
いろいろな手がかりを集めて、少しでも正解率を上げようとします。
ディストリビューションと判断する手がかりとして使えるものとしましては
・もともとのアキュムレーションのレンジの規模や期間にたいして、十分な上昇トレンドがあったか?(大口は買い占めた後、利食い目標までつり上げたか?)
・クライマックス的な上昇があったか?
・供給(売りの出来高)がレンジの中でしつこく出てくるか?
3つめの手掛かりは、ちょっと高度な考え方です。
要するに、キャラチェンジの下落においては、大きな出来高が出ますよね。
その下落の出来高が、レンジの中でしつこく繰り返されるか?ということです。
売りの出来高がいつまでも大きいのであれば、大口が売り抜けている。しかも急いで売り抜けているのでは?ということになり、これはディストリビューションでしょということになります。
逆に、レンジの中で、下げの出来高が小さくなっていくなら、出てくる売り物が吸収されつくし、そのうちに上にブレークアウトしていくだろうといことになります。
相場とは難しいもので、そういった手がかりを否定して、予測とは逆にズバッと抜けていくこともあります。それでも、そういうことを知っていることで、勝率を上げることができます。
よく理解できました。
3つめは確かに難しそうですが、手掛かりが増えたことで勝率アップに繋がりそうです。ご回答、ありがとうございました。
レンジ内において、上昇の出来高が多い場合は買い占め、下落の出来高が多い場合は売り抜け、の可能性が高い、と割り切って考えてもよさそうですか。
おたずねします。
「短い期間で一気に上げ幅をつくる」のではなく、大底からの反転で見られる「小さなローソクがチマチマと微妙に上昇しながら堅実に並ぶ」というのもキャラチェンジと考えるのは無理がありますか。
それもありだと思います。
堅実に陽線が並ぶということは1つ上の時間軸ではしっかりとした陽線になっているでしょうから。
ただ、その後上に跳ねないなら、結局はキャラチェンジとは言えないかなと思います。
やはり、私は値幅を重視して見ていますね。
そうですね。拡大解釈すると狙いが定まりませんね。
たしかに、大口がいつも成功するわけではないので、ハンバな仕事なら失速することもあるでしょうし。
気合い入れて勝負している大口ならそれが値幅に反映しますよね。
おたずねしてよかったです。ありがとうございました。
もうひとつおたずねします。
高値圏から半値戻しくらいのさほど下げていない位置で、かなり長い期間のレンジの場合、明確な区切りなく、ディストリビューション → アキュムレーションがなされているのでは!?
同一の大口でなくても、いわゆる「手替わり」という事もあるのでは!?
と思ったりするのですが、いかがでしょうか。
仮にあるとして、むずかしい局面なので見送るのが正解と思いますけどw
はい、分かりにくい局面はたくさんあります。
実際は値動きのほとんどは意味不明だったりします。
大きなだましのパターンが出た時や、強いブレークアウトが始まったときに、チャートを振り返って、これはアキュムレーションしてたんじゃないか?という感じで後付けで判断し、そのパターンの信憑性を確認することが多いです。
なるほどです。
例に挙げられているチャートは典型的例ですね。
緩やかな右肩上がりのディストリビューションもあるし、新興みたいな出来高によってはサイクルがきれいに出ない銘柄もありますよね。(自分は株で個別銘柄をやってます)
これまでレクチャーしていただいたサンチャゴさんの知恵を総動員して(優先順もキッチリいかして)チャートを読み解く。
これを繰り返すことで、自分の感性、感度に応じた目線、眼ヂカラが付いてくるんですね。
そして、できうる限りの検証ののち、最も有利なエントリーをする。
VCAは、基本を理解習得して「自分なりのエントリーセットアップを作る」というのが最終目標だと受け止めました。
これまで株で出した損失もさることながら(^^ゞ 株の勉強に費やした費用がまったく回収できていないことをずーっとくやしく情けなく感じていました。
最後の最後にサンチャゴさんにたどり着いた、すごく希望が見えてきました。
ご縁に感謝。ありがとうございます。
これは素晴らしい、私はこれまでラインを三度引きなおしたら、という条件で相場環境の変化を見ていましたが、かなりやられ続けていました。このキャラチェンジの項は、今までに学んだ他の教材や経験からは見つけられなかった部分なので、参加した意味がありました。