このページでは、トレードする株の銘柄や通貨ペアをどのような考え方で選べばよいのか、私なりの考え方を解説します。
最初に申し上げておくと、私は銘柄選びや通貨ペア選びのスペシャリストではありません。
私はどちらかというと、たまたま気に入った通貨ペアや銘柄を一途にトレードし続け、チャートリーディングやテープリーディングのスペシャリストになるタイプでした。
スキャルピングやデイトレードを中心としてトレードする場合、あまりたくさんのトレード対象があると集中力が削がれてしまって上手くいかなかったからです。
そんなわけで、今のところ私はたくさんの投資対象をいっぺんに分析して一番良いものを選んでトレードすることにそれほど長けているわけではありません。
それでも、自分がウォッチしている投資対象のなかでも一番有利なものをトレードしようとはしています。
その考え方をこの記事で解説したいと思います。
株のデイトレード銘柄の選び方
株のデイトレードでトレードする銘柄を選ぶ場合、テーマ株や話題になっている株を2~4つ選択してウォッチするのがおすすめです。
もちろん、頭のキレるトレーダーは数十銘柄のチャートをズラッと並べ、動意づいたものを片っ端からトレードする方法もあるでしょう。
しかしほとんどの人は、情報の多さに圧倒され、対応が後手後手に回ってしまうと思います。
ですから、それはあなたの処理能力次第ではありますが、安定して勝てるようになるまでは同時にウォッチする銘柄は2~4銘柄に絞る方がよいかもしれません。
どう絞ればよいでしょうか。
アセットアライブという便利なサイトがあります。
おそらく株の経験者の方はもうご存知ではないでしょうか。
このサイトではテーマ株や人気株が分かるようになっています。
トップページの注目銘柄ランキングを見てみましょう。

この中からいくつかピックアップしておくのは一番効率の良い方法だと思います。
ちなみに今日私は1位になっているCYBERDYNE(銘柄コード:7779)をウォッチしていて、今日もデイトレードで稼がせてもらいました。(以下サイバーダイン)
上がるか下がるかはわかりませんが、比較的活発にトレードされる可能性が高いのは確かです。
そういった注目されている銘柄や、自分の得意な銘柄の中から2~4銘柄をピックアップして日中のデイトレードでウォッチします。
私は東京時間ではデイトレードをしています。
日経225ミニ先物を基本のトレード対象としていて、日経225ミニ先物でエントリーチャンスが来た場合、ピックアップしているいくつかの株の値動きもチェックし、株のほうが有利だと判断したら、株のほうでエントリーします。
何を根拠に「有利」だと判断するかというと
・日足の分析による強弱
・日経225ミニ先物とのダイバージェンス
などを考慮します。
2016年5月26日にトレードしたサイバーダインの例を挙げて解説しましょう。
サイバーダインの日足を分析すると、株式市場全体よりも随分と強いのが分かります。
2016年の年始からの2016年6月までの値動きを比べると、事情がどうであれ、サイバーダインが強いことは明らかです。

(注)日経225ミニ先物は日本を代表する株225銘柄をまとめたような先物です。
サイバーダインが株式市場全体よりも圧倒的に強いので、買うなら日経225ミニ先物よりもサイバーダインのほうが有利かもしれないということが言えます。
このような上位足(日足)のトレンドの差があるので、基本的には日経225ミニ先物を対象としてデイトレードをするのですが、買いエントリーをするなら、強いほうのサイバーダインにするかもしれないという意識でウォッチします。
2016年5月25日、日経225ミニ先物の日足は長期的にはダウントレンドで朝一から弱かったので売り戦略でデイトレードをしていました。
その中で、少しの間は順張りの売りエントリーをしたくない局面が出てきました。日経225ミニ先物の1分足レベルの分析でキャラチェンジが起きたからです。
それでも、買いエントリーを狙うほどでもありません。下落に勢いがあるので、買いエントリーにはあまり自信を持てなかったのです。
そこで、日足で圧倒的に強いサイバーダインの買いを検討しました。

サイバーダインは朝一から日経225ミニ先物よりも弱く、ギャップダウンで始まりました。
そして最初の30分の下落までは日経225ミニ先物よりも下げました。
ところが9時50分ごろ、相場全体がその日の安値を試しに下落する動きのなかで変化が起こりました。
日経225ミニ先物が大きな出来高を伴って安値を下回ったにもかかわらず、サイバーダインは小さな出来高の下落にどどまり、安値を下回りませんでした。
日経225ミニ先物の出来高も、最初に安値を付けた時よりは出来高が少なくなっていますが、まだまだ大きな出来高が目立ちます。
一方でサイバーダインは明らかかに出来高が細っており、売り手が努力しなくなっていて、結果も伴わなくなっているのが明確でした。
これはサイバーダインが日経225ミニ先物(相場全体)に比べて急激に強くなってきたことを示します。
日経225ミニ先物の下値ブレークアウトが失敗に終わったことを確認し、すぐにサイバーダインを買いました。
このときに日経225ミニ先物を買いたくない理由は、安値を付けた陰線の出来高がとても大きかったので、まだ売りが強いと思ったからです。(案の定、そのあと再度安値をブレークしていきました)
サイバーダインを買った理由は、
・対日経225ダイバージェンス(日経225ミニ先物がキャラチェンジ後の下落で安値を割り込んだのに対し、サイバーダインは割り込まなかった)
・サイバーダインの下値試しでの出来高が急激に減ったこと
・サイバーダインの日足が圧倒的に強いこと
その後、日経225ミニ先物が上げずに再度ダウントレンドが再開するなかサイバーダインは順調に上げていきました。
これだけの上昇は予想外でした。日経225ミニ先物よりは上げるだろうと予測し、すこしデイトレードの買いで取れたらいいな程度に思っていました。
しかし結果的にはスイングトレードに移行しても良い程の上昇になりました。

いつもこんなに上手くいくわけではありません。これはできすぎのトレードです。もちろん、やることが裏目に出てしまうこともあります。強いと思っていた株が下げて日経225ミニ先物が上げるようなこともあるのです。
しかしトータルで見ると、このような考え方でトレードするほうが大きな利益を取りやすくなります。
常に自分にとって追い風が吹く可能性が高い銘柄を選んでトレードするということです。日経225ミニ先物だとそれほど利益が伸びないような相場でも、強い株を買って弱い株を空売りすることで利益をしっかりと伸ばせる場合があります。
空売りの場合の考え方は、買いの場合の裏返しです。
日経225ミニ先物で売りシグナルが出る局面で、より弱い株を空売りします。
日足を見て弱い銘柄をピックアップしておき、株式市場全体(日経225ミニ先物)で空売りを狙いたい局面で、弱い株においても良い感じの売りシグナルが出ていたら積極的に弱い株のほうを売っていきます。
この例はデイトレードですが、時間軸が長くなっても同じ考え方です。ウォッチできる銘柄の数が増えるだけです。
相場全体(日経225などのインデックス)で買いシグナルが出たタイミングで相場全体よりも強い株を買い、相場全体で売りシグナルが出たタイミングで相場全体よりも弱い株を売ります。
FXの通貨ペアの選び方
通貨ペアの選び方についてはメール講座でも解説しておりました。
通貨ペアの選び方 後編
(こちらのリンク先にはパスワードがかかっていません)
考え方は、先ほど解説した株の銘柄選びと似ています。
より強い通貨ペアで買いエントリーを狙い、弱い通貨ペアで空売りを狙います。
銘柄選びが必要な手法
レンジ逆張りの手法については、特に銘柄や通貨ペアを選別する必要はなく、自分の得意な銘柄をしっかりと分析してトレードしていれば十分だと思います。逆張りをするわけですから、その銘柄が相場全体にたいして強いのか弱いのかはそれほど重要ではありません。
銘柄選びや通貨ペア選びが特に必要なのは、ブレークアウト手法やトレンドのプルバックで仕掛けるような順張りの手法です。
ですから、順張りの手法を中心にトレードしていきたいと思っているトレーダーは、銘柄選びや通貨ペア選びの力を伸ばしていくことで、プラスαの成績が期待できると思います。
残念ながら、私はどちらかといえばレンジ逆張りが得意だったという経緯があるので、銘柄選びに関しては発展途上国状態です。銘柄/通貨ペア選びが今後の課題になっています。
PS:サンチャゴの課題
現段階での私にとっての最大の課題は、全市場の中から最適な投資対象を探せていないということです。
ですから、今後1年から2年の間にその点を大きく進化させたいと思っています。
現在私は仲間と一緒に、株の銘柄や通貨ペアをスクリーニングする方法を研究しています。
これまでとは違い、銘柄選びにコンピューターの力を借り、たくさんの投資対象の中からこれから伸びそうなものをピックアップする方法です。
アイデアはあるので、今後どのように進化させていけるかが楽しみです。
通貨ペアや株銘柄の選び方の解説は以上です。

いつも貴重なご講義有り難うございます。二つの疑問点についてご教示下さい。
1点目、VCA1.0で学んでいる手法は、そのまま日経225ミニ先物のトレードで使うことが 出来るのでしょうか、それとも何か違いが有るのでしょうか?
2点目、日経225ミニ先物の買いシグナルが出た時点で、株の方で強い株があれば買い、 日経225ミニ先物の売りシグナルが出た時点で、株の方で弱い株があれば売る、 という考え方で良いのでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
1.
はい、日経225ミニ先物にもそのまま応用できます。
2.
はい、その通りです。ただし、株のほうのチャート分析でもチャンスが来ている必要があります。
大変ためになっております。すばらしい内容で感謝しています。質問なのですが、このページの225ミニ先物チャートの判断基準を教えて下さい。ダインと比較しての1分足チャートの下の文章ですが、ダインを買う前の225ミニ先物の判断として9:50分頃の「225ミニ先物が出来高を伴って安値を下まわった、出来高も最初に安値を付けた時よりも少なくなっているがまだまだ大きな出来高が目立つ、日経225ミニ先物を買いたくない理由は、安値を付けた陰線の出来高がとても大きかったので、まだ売りが強いと思った。」とありますが、その時点で225ミニ先物は今はまだ買いたくないということですよね。そこでダインを買った理由として、「日経225ミニ先物の下値ブレークアウトが失敗に終わったことを確認し」とありますが、基本的に225ミニ先物はまだ買いたくないと思っている中で、どの瞬間に225ミニ先物の「下値ブレークが失敗した」と判断したのでしょうか。細かくてすみませんが、宜しくお願い致します。
日経225ミニ先物のブレークアウトが失敗したと判断したのは、大きな出来高を伴ってキャラチェンジのサポートラインをした抜けた直後にサポートラインの上に戻ってしまった時です。良いブレークアウトならもっと伸びていきます。サポートラインで逆張りした人とブレークアウトエントリーした人のどちらが「やっちまった」と感じているかを考えます。
ここで日経225ミニ先物を買うこともできますが、こう思いました「いったんはレンジになって少しは上げるだろうけれど、これは再ディストリビューションだと思うから、最終的には下げるだろう」と。ですから積極的に買いを狙いたいとは思いませんでした。少し上げるだろうけど、あまり買いたくないという中途半端な状況でした。
その時、日足レベルで圧倒的に強いけれど、朝一に弱かったサイバーダインが強まって来たのが分かったので、このタイミングで買うんならサイバーダインが良いと思いました。
そのような考え方です。
サンチャゴさん。いつもお世話になっております。
お陰様でドル円300PIPやポンドオージー600PIPなど今まで経験したことのない大勝利をおさめることが出来ています。しかしながら、勝ち癖がついておらず利食いが早いので、感情に流されず理論的なトレードが出来るようになればと思っています。
それでは質問なのですが、例えば円絡みのペアを複数監視していて、1つはレジサポでのダマシが起きエントリーチャンスがきているが、その他はレジサポに到達していないようなケースがあったとき、エントリーするかどうかの判断基準となるようなものはありますでしょうか?
300Pipsや600pipsの勝利、おめでとうございます。
VCA1.0がお役に立てて嬉しいです。
さて、通貨ペアの選び方についてのご質問ですね。
いろいろな考え方があると思います。
株にしても、FXにしても、買いを狙うなら強いものを、売りを狙うなら弱いものを、というのが基本的な考え方です。
円がらみの一つの通貨ペアがサポートラインまで下がってきてだましが起きた時、ほかの通貨ペアはサポートまで下がっていないとしたら、その通貨ペアは比較的弱いということが分かります。そういう状況で、円がらみの通貨ペアで買いを狙いたい(要するに円を売りたいということ)なら、ほかの通貨ペアを選択するほうが良いと思います。
株でも同じで、株式市場全体の上昇局面で買いを狙うなら、強いセクターの、その中でも強い銘柄を狙うほうが良い、というのが定説です。もちろん、その時にチャートを読んでその銘柄で買いのシグナルが出ていないといけないのは言うまでもありません。
結果的に、弱かった銘柄のほうが最後は上げた。ということもあるので悩ましいのですが、長い目で見ると、そういう考え方でトレードしたほうが良い結果になると思います。
サンチャゴさん。いつもお世話になっております。
ローソク足の言語やスイング分析のノウハウをご教授いただいたおかげでだいぶエントリーの精度があがってきました。本当にありがとうございます。
この記事と直接関係がなく申し訳ありませんが、通貨ペアの分析の仕方についてご意見をいただけますでしょうか。
例えばGBPJPYのような合成通貨で逆張りトレードする場合、
①1つのチャートの反転サインをみれば十分でしょうか?それとも
②GBPUSDとUSDJPYの2つをみて、GBPの上昇の兆候とJPYの下落の兆候の双方を確認すべきでしょうか?
①の場合、サインの信憑性が気になります。
②の場合、トレードチャンスの少なさが気になります。
宜しくお願い致します。
>①1つのチャートの反転サインをみれば十分でしょうか?それとも
>②GBPUSDとUSDJPYの2つをみて、GBPの上昇の兆候とJPYの下落の兆候の双方を確認すべきでしょうか?
どの通貨をトレードすべきか?を考える段階で、GBP関連の通貨ペアを見渡して、GBPの普遍的な強さが確認できたとします。
それで、どの通貨を相手にGBPを買うか?を問うことになるのですが、その時に、JPYの普遍的な弱さが見られたら、GBPJPYをロングするのは良い選択になると思います。
ですから、私の場合は、GBPJPYで逆張り買いをすると決めた後にGBPUSDとUSDJPYを両方分析する、というよりは、最初に通貨ペアを選ぶ段階で、様々なチャートを見ます。
一旦GBPJPYで逆張りの買いを狙うと決めたなら、そのチャートを集中して分析することがほとんどですね。
ただ、両方見るというのは、もっとレベルの高い、すばらしい方法かもしれません。
ご自分の感性を信じて、いろいろと試してみてください。
話は少しそれますが、短い時間軸だと、逆にGBPが弱くなりすぎ、そしてJPYが強くなりすぎたら、GBPJPYの逆張りロングを狙うということも、わりと多いです。
通貨には、貿易などで常に短期的な需要があると思うので、短期的に行き過ぎると、逆張りが決まりやすいと思うのです。
もちろん、キャラチェンジが起きて、出来高分析などでいい感じのセットアップが出ない限りは逆張りは絶対にしませんし、上位足でGBPJPYの強い(良い)ブレークアウトの相場環境なら逆張りはしません。
(これは一般的にはおきて破りで難しい方法かもしれないので、スルーしてください)
通貨ペアの強弱分析は奥が深く、日々研究です。
個別銘柄だと、銘柄を絞るのが大変で、いくつかの銘柄の分析が大変なため、おざなりになってしまうので、以前から日経先物225ミニをやりたいと思っています。
しかし、なかなか始められずにじまいでした。サンチャゴさんのレクチャーをうけて、ますますエントリー前の分析の重要さを認識したので、やはりここで始めなくては、と思います。
そこで質問ですが、クリック証券でやたらとCFD口座開設のキャンペーンをしていて、始めてそういう取引を知りました。
手数料がない、取引単位が225ミニより小さい、取引時間が長い、FXもやれる、ダウなどもやれる、等メリットが並んでいます。
サンチャゴさんは225ミニとCFDでの日経先物についてどのようにお考えですか。
CFDでは歩み値が見られないなら、不利ですよね。
(確認していないのですが。)
CFDのメリットは、小さなロットサイズからトレードできることです。
手数料が無料というのは、無視してください。
手数料が無料である代わりに、スプレッドが広くなっており、トータルの取引コストとしては、先物を取引するよりも高くなると思うからです。自分でCFDを実践して調査したわけではありませんが、普通に考えるとそうだと思います。
あと、海外の先物を取引できるのもメリットですね。
海外の証券会社に口座を作って取引するのは大変ですから。
取引の透明性と取引コストでは確実に先物や株の方が有利だと思います。
225ミニ先物ではサイズが大きすぎるけど225先物を取引したいのであれば、ありだと思います。
また、CFDでスキャルは無理で、ゆったりなデイトレードかスイング以上の時間軸限定だとも思います。
以上、CFDの専門家ではない私の意見なので、ご参考までに。
ありがとうございました。225ミニ先物でやろうと思います。
日経先物225ミニに興味を持っています。
サンチャゴさんが日経先物225ミニを取引される時は、Tradingviewのチャート(NY1!)を使っていらっしゃいますか?それとも、歩み値も見れるkabu stationでしょうか?
ちなみに、TradingviewにおいてNY1!の1分足を見るとローソク足の無い時間もあります。これはこういうものなのでしょうか、それとも追加データで「TFX- 東京金融取引所」を購入すると見れるものなのでしょうか?