プルバック

アキュムレーションやディストリビューションの後にブレークアウトが成功し、強いトレンド(マークアップ・マークダウン)が出ているのを確認したら、プルバックでエントリーを狙います。

プルバックとは押しや戻しのことです。

エントリーポイントの概念図ではこのような位置となります。

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エントリーポイントの考え方

エントリーポイントはラインが引ける位置となります。

私はLVNや軸ラインを重視します。

LVNや軸ラインは拒絶された価格帯です。

例えば、上昇トレンドで上げてくる途中で拒絶された位置は、プルバックでも拒絶される可能性が高いだろうということです。

拒絶されるということは、反転するか、ブレークアウトしていくかどちらかとなります。

猫が道路に飛び出したとき、車が来たことに気付くと、道路を急いで渡り切るか、急いで戻るかのどちらか、というのに似ています。

LVNとは猫にとっての道路みたいなものです。

上昇トレンドの値動きは一定のペース、出来高で上げるわけではありません。急激に上げたり、一時停止したり、少しの間小幅なレンジになったりします。

トレンドが始まってからの価格帯別出来高を見ると、ちょっとしたLVNやHVNができているのが分かると思います。

トレンド相場でプルバックエントリーを狙う場合のエントリーポイントはそのLVNとなります。

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上昇トレンドの場合、LVNでエントリーして高値の更新したら、次のレジスタンスラインなどで利食いを考えます。

下降トレンドの場合はLVNでエントリーして安値を更新したら、次のサポートラインなどで利食いを考えます。

これがトレンド相場においてのプルバックエントリーの基本的な考え方です。

プルバックエントリーのエントリーポイントとしてLVNをどのように使うかは、以下の動画の13:10あたりから解説しています。

価格帯別出来高の原則の記事も参考にしてください。

LVNが広い場合

勢いのあるブレークアウトの後などはLVNの価格帯が広い場合があります。

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そのような場合には、マルチタイムフレームピボットなど、信頼できる他の水平線との重複を重視してエントリーポイントを見極めます。

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月足ピボットと週足ピボットががLVNの価格帯の中にあります。

このような場合は、3種類の抵抗線要素が重複するエリアが良いのではないか、と考えることができます。

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月足ピボットと週足ピボットとLVNの重複エリアを少し超えたあたりで小さなピンバーが出ています。
アグレッシブに行くならこのローソク足の終値でエントリーします。

慎重に行くなら、一つあとの陰線の終値で空売りエントリーします。

LVNが広範囲にわたる場合には、このようにほかの要素との重複で判断するようにしています。

市場

FX、株、日経225ミニ先物

時間軸

全ての時間軸

相場環境チェックリスト

・チャートの左にアキュムレーションやディストリビューションのレンジがあり、そこからブレークアウトしてきた経緯
・今出ているトレンドにエクステンションの弱まりが明確には観測されていない
・トレンド方向への出来高に結果が出ている
・明確なキャラチェンジがまだ起きていない

現状のトレンドに変化の兆候が明確に出ていないことを確認します。
変化の兆候が見られる場合には、エントリーを見送るか、レンジ相場を想定したトレードに切り替えていきます。

トレード禁止チェックリスト

  • 大きな経済指標の直前(FOMCや雇用統計など)
  • 退屈な相場環境 → 値動きと出来高の両方が極端に小さい相場
  • ロスカット幅が広すぎる

主要な経済指標の直前のエントリーは避けています。

極端に値幅が狭く、活気のない相場でのトレードも避けています。

ロスカット幅が広すぎる場合には、次のエントリーチャンスを待ちます。

エントリーシグナル

プルバックエントリーにおけるエントリーシグナルは、LVNや軸ラインでの「だましのパターン」です。

背景に強いトレンドがあるのであれば、細かいことは大目に見てアグレッシブにエントリーを狙っていきます。

もちろん、ロスカットにかかることも多々あります。しかし上手な人は、長期的に見ると6勝4敗でリスクレワード比が2:1程度のトレード成績が期待できます。

だましのパターン

・サポートラインを下に抜けるがすぐに上げてしまう
・レジスランスラインを上に抜けるが、すぐに下げてしまう

といった、「だましのパターン」を見つけてエントリーするのが基本となります。

だましのパターンには

ピンバー
含み線
合成ピンバー
フクピンバー

などがあります。

これらのローソク足パターンが「注目しているラインを一旦抜けたけど、ラインの内側に戻ってしまった」という形でクローズしたら成り行きでエントリーします。

日本一即戦力なFXブログの記事では、
ピンバーなどのローソク足のブレークアウトでエントリーする方法を解説していました。

しかし最近では、ピンバーなどのエントリーシグナルのクローズで成り行きエントリーしています。そのほうがシンプルでトレードしやすいですし、長期的に見て結果に大した差はありません。

また、無料ブログでは反転パターンの形状に関して細かい規定も書いていますが、VCA1.0のレベルになると、それほど気にしません。なんとなく上記のような形になっていたらOKです。

エントリーシグナル以前の相場環境の読みやラインの精度に優位性を持っていますので、エントリーシグナルの細かいことは気にしません。

また、上記のような特別なローソク足のパターンになっていなくてもエントリーします。

「注目しているラインを抜けた後、ラインの外側が拒絶され、すぐにライン内側に戻ってしまう」という条件を満たすスイングリバーサルが起きた場合にもエントリーシグナルになります。

ラインの内側でスイングリバーサルのローソク足がクローズしたらエントリーします。

その際、ラインを抜けてからラインの内側に戻されるまでの時間は、ローソク足3~4本までとします。

あまり時間がかかるならNGです。もはやだましのパターンではないからです。

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これらのエントリーシグナルはどんな時間軸でトレードするにも同じです。
メイン時間軸のチャートでエントリーする場合も、下位足に降りて行ってエントリーする場合も同じです。

ロスカット注文のガイドライン

ロスカット注文のガイドラインを参照してください。

トレンド相場とはいえ、ロスカットになったら潔くあきらめることが重要です。そのことはレンジ逆張りでもトレンド相場のプルバックでもブレークアウトでも同じです。

トレンド相場だからといって、ずるずると難平買いを続けていると、救済されることのほうが多いですが、どこかで全財産を失うような状況に追い込まれます。

「6勝4敗でOK。というかそれ以上は無理」
と割り切って淡々とロスカットと利食いを繰り返していってください。

利食いのガイドライン

・買いポジションならバイイングクライマックス(極端な値幅を伴う陽線)の終値で利食い
・売りポジションならセリングクライマックス(極端な値幅を伴う陰線)の終値で利食い
・キャラチェンジが起きたら利食い
・スイングリバーサルで利食い
・次のレジサポで指値を使って利食い

等の考え方で利食いをします。

建玉法のガイドライン

2ユニット以上で一括エントリーし、2分割などで段階的に利食いします。

1ユニット目は次のレジサポで指値を使って利食いするなど、早めに利食います。

2ユニット目はクライマックスが起きるまで待ったりキャラチェンジが起きるまで待つなど、なるべく利益を伸ばすようにします。

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コメント

  1. Peso より:

    サンチャゴさん

    度々恐れ入ります。

    下から二つ目の、ピボットや、エントリーポイントを記しているチャートですが、確かにトレンド方向の、ダウンスイングだけを見ていると、エクステンションの弱まりもなく、直前のスイングには大きな出来高と結果も出ています。「相場環境チェックリスト」を問題なく満たしているのですが、それに対抗するアップスイングに関しては、考慮する必要はないのでしょうか?エントリーポイントの属するアップスイングは、その前と比べても明らかに結果も出来高も大きくなって、上方向の力が増したように見えます。この「プルバック」のセットアップでは、その点をあまり気にしないで良いということでしょうか?

    それに関連しますが、この戻しのスイングの大きさは、直前のダウンスイングの起点から測ると、薬半分くらいの大きさに見えます。巷に使われる、「半戻しは全戻し」或は、フィボナッチが、VCA1.0 で、言及されないのは、それ以前のスイング分析や、ローソク足言語によって、どれだけ戻るか等の解釈が既に組み込まれていると解釈していたのですが、上記のような状況でも、トレンド方向の強さが陰っていないことによって、「半戻しが全戻し」にならない可能性が低いという解釈が織り込まれているのでしょうか?

    フィボナッチをサンチャゴさんがどのように考えていらっしゃるかも、非常に興味があります。このコースの趣旨に外れないようでしたら、教えてくださいますか?

    最後に、「トレード禁止チェックリスト」の常連である、大きな経済指標の直前ですが、発表後はどうなのでしょうか?用いる時間軸によって話は違ってくるとは思うのですが、トレードに耐えるような落ち着きが戻ったと判断する、大まかな指針というのは、あるのでしょうか?

    宜しくお願いします。

    1. チームサンチャゴ より:

      >下から二つ目の、ピボットや、エントリーポイントを記しているチャートですが、確かにトレンド方向の、ダウンスイングだけを見ていると、エクステンションの弱まりもなく、直前のスイングには大きな出来高と結果も出ています。「相場環境チェックリスト」を問題なく満たしているのですが、それに対抗するアップスイングに関しては、考慮する必要はないのでしょうか?エントリーポイントの属するアップスイングは、その前と比べても明らかに結果も出来高も大きくなって、上方向の力が増したように見えます。この「プルバック」のセットアップでは、その点をあまり気にしないで良いということでしょうか?
      【回答】
      エントリーセットアップにつながった戻しは、レンジから下にブレークアウトしてから最初の戻しです。レンジの中の、ブレークアウト直前の小さなアップスイングとは比べなくても良いかなと思います。(もちろん、いろんな考え方はあると思います)

      >それに関連しますが、この戻しのスイングの大きさは、直前のダウンスイングの起点から測ると、薬半分くらいの大きさに見えます。巷に使われる、「半戻しは全戻し」或は、フィボナッチが、VCA1.0 で、言及されないのは、それ以前のスイング分析や、ローソク足言語によって、どれだけ戻るか等の解釈が既に組み込まれていると解釈していたのですが、上記のような状況でも、トレンド方向の強さが陰っていないことによって、「半戻しが全戻し」にならない可能性が低いという解釈が織り込まれているのでしょうか?
      フィボナッチをサンチャゴさんがどのように考えていらっしゃるかも、非常に興味があります。このコースの趣旨に外れないようでしたら、教えてくださいますか?
      【回答】
      私はフィボナッチではなく、LVNやMTFピボットを重視しますが、もちろん、半値戻しポイントを使うのも素晴らしいと思います。フィボナッチも引いてコンバージェンスを見るのは良いアイデアだと思います。ただ、あまりいろんなものを引きすぎると、あまりにごちゃごちゃするので、自分の信じるものをいくつかに絞り込めば良いと思います。

      フィボナッチですが、インターナルリトレースメントに関しては、どうでもよいかなと思います。というのも、382、500、682などありますが、要は「大体半値戻し前後」ということになりますので、半値戻しのラインを引いて、大体その辺を意識すればよいと思います。

      1218、1618、2618など、エクスターナルリトレースメントについては、上手く使えばかなり有効だと思います。

      >最後に、「トレード禁止チェックリスト」の常連である、大きな経済指標の直前ですが、発表後はどうなのでしょうか?用いる時間軸によって話は違ってくるとは思うのですが、トレードに耐えるような落ち着きが戻ったと判断する、大まかな指針というのは、あるのでしょうか?
      【回答】
      スプレッドが通常に戻ったら、落ち着きを取り戻したと判断しています。

  2. Peso より:

    いつもながら、非常に明瞭なございました。
    何度か読み返し、漸く、全体を、自分なりにまとめ始めることができそうな状態になってきました。ありがとうございました。

  3. Peso より:

    すみません、タイポです。

    いつもながら、非常に明瞭なございました 
    → いつもながら、非常に明瞭な回答、ありがとうございました

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