バリュートレード(レンジ逆張り)

トレンドがしばらく続いたあとにキャラチェンジが起きると、アキュムレーションやディストリビューションのレンジが形成され、その価格帯がバリューとなります。

そのような相場の性質を利用し、レンジ相場そのもので利益を上げようとするエントリーセットアップです。

LVN付近でエントリーしてHVNで利食いすることを、ブレークアウトが成功するまで繰り返します。

買いでも売りでも、売り買いをひっくり返しただけでルールは同じです。

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市場

FX、株、日経225ミニ先物

時間軸

全ての時間軸

相場環境チェックリスト

まずは必須の条件として、キャラチェンジが起きたということが必要です。

キャラチェンジとは
・上昇トレンド中でこれまでにない値幅のダウンスイング
・下降トレンド中でそれまでにない値幅のアップスイング
のことです。

また、キャラチェンジが起きる直前に以下のような相場環境があればさらに良いです。

  • バイイングクライマックス(とどめの上昇)やセリングクライマックス(とどめの下落)があった
  • 大口による吸収があった(極単に大きな出来高に結果が出ない)
  • エクステンションの弱まり(SHやSLをブレくしてからの伸びの弱まり)
  • 努力(出来高)の結果(値幅)が出なくなってきている

これらの相場環境は、メインの時間軸だけではなく、下位足の時間軸でも考慮します。
たとえば、下位足を使ってエントリーする場合は、下位足でキャラチェンジが起きるまで待ってからエントリーを狙います。

トレード禁止チェックリスト

  • 大きな経済指標の直前(FOMCや雇用統計など)
  • 退屈な相場環境 → 値動きと出来高の両方が極端に小さい相場
  • ロスカット幅が広すぎる

「ロスカット幅が広すぎる」について説明しておきます。
バリュートレードではポジションの半分をHVNかレンジの真ん中(キャラチェンジの値幅の真ん中)で利食いします。
その位置までのリスクレワード比が1:1以上ない場合にはエントリーを見送るようにしています。

その位置まで到達できる確率は60%以上はあるので、リスクレワード比が1:1でも期待値はプラスです。

エントリーシグナル

だましのパターン

・サポートラインを下に抜けるがすぐに上げてしまう
・レジスランスラインを上に抜けるが、すぐに下げてしまう

といった、「だましのパターン」を見つけてエントリーするのが基本となります。

だましのパターンには

ピンバー
含み線
合成ピンバー
フクピンバー

などがあります。
これらのローソク足パターンが完成し、終値が注目しているラインの内側(レンジの中)でクローズしたら成り行きでエントリーします。

無料ブログの記事では、買いのピンバーならピンバーの高値ブレークアウトでエントリーする方法、売りのピンバーならピンバーの安値ブレークアウトでエントリーする方法を解説していました。

しかし最近では、ピンバーなどのエントリーシグナルのクローズで成り行きエントリーしています。そのほうがシンプルでトレードしやすいですし、大した差はありません。

無料ブログの記事では、反転パターンの形状に関して細かい規定も書いていますが、VCA1.0のレベルになると、それほど気にしません。なんとなく上記のような形になっていたらOKです。

エントリーシグナル以前の相場環境の読みやラインの精度に優位性を持っていますので、エントリーシグナルの細かいことは気にしません。

また、上記のような特別なローソク足のパターンになっていなくてもエントリーします。

「注目しているラインを抜けた後、ラインの外側が拒絶され、すぐにライン内側に戻ってしまう」という条件を満たすスイングリバーサルが起きた場合にもエントリーシグナルになります。

ラインの内側でスイングリバーサルのローソク足がクローズしたらエントリーします。

その際、ラインを抜けてからラインの内側に戻されるまでの時間は、ローソク足3~4本までとします。

あまり時間がかかるならNGです。もはやだましのパターンではないからです。

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これらのエントリーシグナルはどんな時間軸でトレードするにも同じです。
メイン時間軸のチャートでエントリーする場合も、下位足に降りて行ってエントリーする場合も同じです。

戻りでエントリー

だましのパターンが起きた後、ふたたび高値/安値を試しに来ることがあります。

その時のローソク足の
・値幅が狭く
・出来高が過去に比べて明確に少ない
なら、その後エントリーの方向に強い値動きが出たらエントリーします。

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これは、
・売りなら需要が減少
・買いなら供給の減少
をシグナルとしてエントリーする方法です。

ロスカット注文のガイドライン

ロスカット注文のガイドラインを参照。

利食いのガイドライン

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ポジションの半分程度をHVNかキャラチェンジの値幅の真ん中で指値利食いします。
(最低でもリスクレワード比が1:1以上になるほうを選ぶ)

画像の場合は、1の「キャラチェンジの真ん中」ではリスクレワード比が悪いので、HVNを第一目標とします。

残りの半分程度はレンジの反対側のラインで利食いします。
レンジの上で空売りしたならレンジの下のほうで利食いし、レンジの下のほうで買ったならレンジの上のほうで利食いします。

このときに使う目標値は、LVNやキャラチェンジのライン、軸ラインなどを使って利食い目標とします。

上の画像の場合は、3か4で利食いします。

基本的には、レンジの端のほうでエントリーし、レンジの真ん中あたりで半分のポジションを利食いし、残りのポジションはレンジの反対側の端で利食いするという考え方です。

建玉法のガイドライン

2ユニット以上で一括エントリーし、2分割して利食いできるようにします。

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コメント

  1. riku より:

    サンチャゴさん

    いつも素晴らしい講義をありがとうございます。
    上位足と下位足の関係などについてお聞きしたいことがあります。

    ①下位足で引くラインについて
     下位足独自でLVNなどにラインを引くかと思いますが、上位足で引いたラインとの兼ね合いはどう考えるべきでしょうか?

    ②下位足でのサイクル分析について
     上位足とシンクロするように下位足でのエントリーを狙うについての質問です。例えば、上位足で上昇トレンドのプルバック中だとして、下位足ではマークダウン中の場合、下位足でキャラチェンジが起きるのを待って、レンジ安値で買いを狙うという感じになりますでしょうか?

    ③バリュートレードやブレークアウトの際に基準とするライン
     基準とするのはキャラチェンジのラインだけでしょうか?例えば、このラインのほかに、LVNや軸ラインなどが近くにある場合、どの時点でブレークアウトの判断をするのでしょうか?

    以上になります。
    よろしくお願い致します。

    1. チームサンチャゴ より:

      ご質問ありがとうございます。

      >①下位足で引くラインについて
       下位足独自でLVNなどにラインを引くかと思いますが、上位足で引いたラインとの兼ね合いはどう考えるべきでしょうか?
      上位足から下位足へと様々なラインを引いていきますが、それらのコンバージェンス(かぶる部分)を重視します。ラインをブレークアウトするにしても反転するにしても、いったんは抜けるのが基本の形だと考えています。下位足のレジスタンスラインを抜けたところに上位足のレジスタンスラインがあり、そこで反転のパターンがでると高確率で逆張りが成功します。

      >②下位足でのサイクル分析について
       上位足とシンクロするように下位足でのエントリーを狙うについての質問です。例えば、上位足で上昇トレンドのプルバック中だとして、下位足ではマークダウン中の場合、下位足でキャラチェンジが起きるのを待って、レンジ安値で買いを狙うという感じになりますでしょうか?
      はい、その通りです。レンジの安値で買えると価格的にはベストな位置でのエントリーになります。もう一つさらに良いエントリーポイントは、下位足でアキュムレーションが終了してマークアップが始まる時のブレークアウトで入れると、時間効率が最高に良いです。その2つのポイントが良いと思います。
      >③バリュートレードやブレークアウトの際に基準とするライン
       基準とするのはキャラチェンジのラインだけでしょうか?例えば、このラインのほかに、LVNや軸ラインなどが近くにある場合、どの時点でブレークアウトの判断をするのでしょうか?
      最初にキャラチェンジのラインが引けたあと、だましのブレークアウトが何度かあるとラインの位置は変わります。また、LVNやMTFピボットなどとのコンバージェンスを見るのも有効です。やはり多くの人が意識している価格帯を明確にブレークアウトすると、そこからの値幅の伸びが期待できます。

  2. sy より:

    だましのパターンの「これらのローソク足パターンが完成し、終値が注目しているラインの売り側でクローズしたら成り行きでエントリーします」とありますが、これは終値がラインのレンジ内側でクローズしたらということでしょうか?

    1. チームサンチャゴ より:

      大変申し訳ございません。タイプミスです。

      正しくは

      終値が注目しているラインの内側(レンジの中)でクローズしたら成り行きでエントリーします

      です。

      記事を修正いたしました。

  3. Peso より:

    サンチャゴさん

    「利食いのガイドライン」のチャートと説明ですが、左端のキャラチェンジで定義されるレンジの下限でのだましを、スイングリバーサルでエントリーされたことはわかるのですが、①の「キャラチェンジの真ん中」というのは、同じキャラチェンジではないのでしょうか?
    チャートを見ると明らかに、キャラチェンジのスイングの中心から下に引かれているように見えます。それとも、このチャートの上位足で引かれた、もっと手前のキャラチェンジの存在があって、その半値ということでしょうか?宜しくお願いします。

    1. チームサンチャゴ より:

      「キャラチェンジの真ん中」とは、画像の「キャラチェンジ」となっているスイングの真ん中あたりに引いたラインです。
      目分量で引いたので、若干下にずれていますね。申し訳ありません。

  4. maggy より:

    サンチャゴ様

    「戻りでエントリー」の項目のチャートに関する質問です。
    このチャートでは、レンジ中に再度試しに来る上昇が、極端に小さな出来高で、値幅も小さければ強い陰線で空売りを狙うことになっています。

    上昇トレンドの場合はどう考えればいいか教えてください。
    ① 上昇トレンドでキャラチェンジを認識していない状況で、プルバックから再度高値を試しに行く上昇の場合、極端に小さな出来高で、値幅も小さい場合も強い陰線で空売り狙いでよいでしょうか。
    ② ①と同じキャラチェンジを認識していない状況の再度試しの上昇で、極端に「大きな」出来高で、値幅が小さい場合も強い陰線で空売り狙いでよいでしょうか。(私としては、手前の(直近高値をつけた)上スイングと比べ、出来高が増えているのに高値を抜けず、値幅も小さいという状況であれば、売りでいいのか??と迷っています)

    御回答よろしくお願いします

    1. サンチャゴ より:

      > ① 上昇トレンドでキャラチェンジを認識していない状況で、プルバックから再度高値を試しに行く上昇の場合、極端に小さな出来高で、値幅も小さい場合も強い陰線で空売り狙いでよいでしょうか。
      【回答】
      上昇トレンドに逆張りする場合、基本的にはキャラチェンジを見てからが基本となります。
      稀にですが、上昇トレンドにおいて、レジスタンスライン付近で、上方向へのエクスパンション(直近スイングハイを抜けてからの伸び)が小さくなってきているなら、大きな出来高+大きな値幅の陰線出現で売りを狙うこともあります。
      ただ、やはり基本は、キャラチェンジを見てから、ディストリビューションのレンジ相場を見て、そこからエントリーを考えます。

      > ② ①と同じキャラチェンジを認識していない状況の再度試しの上昇で、極端に「大きな」出来高で、値幅が小さい場合も強い陰線で空売り狙いでよいでしょうか。(私としては、手前の(直近高値をつけた)上スイングと比べ、出来高が増えているのに高値を抜けず、値幅も小さいという状況であれば、売りでいいのか??と迷っています) 御回答よろしくお願いします

      【回答】
      これもやはり、キャラチェンジを見ていないと、売りにくいですね。
      キャラチェンジを見た後だとしても、出来高が大きくて小さな値幅の陽線、つまり、努力の結果が出なかった陽線が出たとしても、それだけですぐに売りを狙うことは無いです。
      下方向(売り方向)への強さを見てから、もしくは、下位足を使って丁寧にエントリーを狙うことになります。

  5. maggy より:

    自分の中で整理できました。
    御回答ありがとうございました。

  6. Akira より:

    サンチャゴさん質問があります。

    利食いの件ですが、真ん中で半分利食いをし、半分はラインの反対で利食いといことですが、

    レンジが縮小し、反対のラインまで行かないこともあると思いますが、その場合の対応はどう考えるのがよろしいでしょうか?

    放置して同値で逃げるのか、真ん中で利食いするのか。

    状況によって対応は変わると思いますが、ご教授ください

    1. サンチャゴ より:

      はい、半分利食いした後、レンジが収縮して利食いできない場合は、同値で逃げるで問題ないです。

      ただ、同値というのはあまり根拠のない位置なので、スイングリバーサルの考え方を使って、覚悟バーの安値を下回って終値を付けてしまったら利食い/損切りするというテクニックを使うことが多いです。

  7. Akira より:

    サンチャゴさんありがとうございます。

    確かにスイングリバーサルでの決済のほうが利にかなっていますね。
    もう一つ質問なのですが、ブレークアウトのエントリーについてなのですが、

     ブレークアウトの章で、「レジスタンスラインを上にブレークし、レンジの外でクローズする陽線のローソク足がクローズしたところで成り行きエントリーします。」

    とありますが、参考画像ではブレイク後の陽線でLはせずに、チャートの形成を見て覚悟バーでのロングとあります。
     しかし、ロスカット注文のガイドラインの章では、ラインブレーク後の陰線でSとあります。
     環境認識で抜けたら、戻りも付けないであろうから飛び乗りエントリーか、戻りをまってのエントリーかを決めているのでしょうか?
     

    1. サンチャゴ より:

      >環境認識で抜けたら、戻りも付けないであろうから飛び乗りエントリーか、戻りをまってのエントリーかを決めているのでしょうか?…

      はい、その時の雰囲気で決めるのはあります。
      ロスカット幅が大きくなる場合で、特に出来高の大きなローソク足でブレークアウトしたときなどは、結構大きな押しが起きることが多いので、枚数をかなり少なくしてロスカット幅をかなり広くとります。

      私にとって結果が一番良いのは、どれぐらいの押しが起きるのか様子を見て、戻しの第2派以降で出来高の小さな下落になったら買う、というパターンです。

      どうしても逃したくないときは、とりあえずブレークアウトのローソク足で最小ロット入れておいて、押し目のセットアップで乗せるようにします。

      参考になれば幸いです。

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