バリュー(Value)という考え方を理解すると相場をもっと深く理解することができます。
バリューとは、
対象となる商品について相場参加者が感じている適正価格のことです。
これは普段の日常生活と全く同じ考え方です。
日常生活でも、私たちが物を買うときにはなるべく安く買いたいです。
物を売るときには、なるべく高く売りたいものです。
「なるべく安く」、「なるべく高く」というからには、基準となる適正な価格というのがあるはずです。
例えば食パンなら、150円~200円ぐらいが適正な価格でしょうか。
それ以上なら割高、それ以下なら割安、といった具合に考えることができます。
大切なのは、ここでいうバリュー(価値)とは、本来的な価値ということではなく「知覚的な価値」ということです。
知覚的とは、「多くの人がこれぐらいの価値でしょと思っている」ということです。
そのような価格帯のことをバリューと言います。
バリュー投資とは違う
「バリュー投資」という言葉がありますが、それとは全然意味合いが違います。
バリュー投資とは、株式の長期投資の考え方です。
対象となる会社の資産価値から1株あたりの価値を割り出し、その価格よりも今の株価が安かったら割安、というような考え方をする投資方法です。
例えば、ある会社の資産価値が100万円で、発行株数が100株なら、100万円 ÷ 100(株) = 1万円となります。
会社の資産価値から割り出した1株の価値は1万円だから、それよりも安ければ割安、高ければ割高、といった考え方です。
しかし実際の株式市場では、資産価値から割り出したバリュー(価値)などお構いなしに値が動きます。
我々のような短期トレーダーにとってのバリュー(価値)というのは、大多数の人が
「この株を買うならこれぐらいの値段なら買っていいかな」
「売るならこのくらいの株価なら売ってもいいかな」
と考え、たくさん売買が成立した価格です。
大多数の買い手と売り手がお互いに妥協して、たくさんの取引が成立した価格が相場参加者の間でのバリューということです。
割高と割安
商品が割高か割安かを見極めるには、適正価格を知っていなければはじまりません。
「これぐらいの価格が適正価格でしょ」という値段感覚を持っていたらいいのですが、そのような感覚を持ち合わせていなかったらどうすればよいでしょうか。
例えば、食パンい対する値段感覚を持っていない人が、食パンの適正価格を見極める方法を考えてみましょう。
「多くの人が取引をした価格が適正価格」という前提に基づいて考えると、食パンの販売量と価格の関係を調べればよさそうです。
どれぐらいの価格で、どれぐらいの販売量があったのかを調べ、グラフにしてみると良さそうですね。

150円~200円ぐらいの間で取引が行われていて、
大多数は170円~190円で売買されていることが分かりました。(てきとうです)
この情報から、食パンの適正価格は170円~190円程度。それよりも高ければ割高、安ければ割安と考えることができます。
ですから、150円で売っていたらそれはバーゲン価格ですし、200円で売っていたら、ちょっと高すぎるな、ということになります。
昨日まで180円で売られていたパンが今日210円の値札をつけていたら、「よっしゃ!ブレークアウトした。買うぞ!」となるでしょうか。
よっぽどの理由がない限りはならないですよね。
小麦の値段が高騰していて今後さらにパンが値上がりしていくなどの予測があるとか、食パンの買占めが行われている兆候があるなら話は別ですが、なんの根拠もなく「値段が上がったから買いたい」という人はいないと思います。
しかしFXや株の世界では、何の理由も根拠もなく、単にブレークアウトしたから買う人が多いように思います。
FXや株のバリューはどうやって調べる?
FXや株などの金融商品の適正価格を知るためにも、先ほど食パンに対してやったことと同じようなことをします。
マーケットプロファイルや価格帯別出来高を使うのです。
マーケットプロファイルとは、価格帯別にチャートが過ごした時間を横方向に積み上げていくチャート表示方法です。
価格帯別出来高は、マーケットプロファイルと似ていますが、ある価格帯で過ごした時間ではなく、ある価格帯でできた出来高を集計します。
マーケットプロファイル → 価格帯別に過ごした時間を集計
価格帯別出来高 → 価格帯別に出来高を集計

この画像は、一日ごとのマーケットプロファイルと価格帯別出来高を並べたものです。マーケットプロファイルが左、価格帯別出来高が右に並んでいます。
昔は時間を集計するものが主流だったそうですが、現在は出来高を集計する価格帯別出来高が主流です。
私も時間よりも出来高を重視しますので価格帯別出来高を使っています。
これをまとめてチャートの横に表示したものが、一般的に良く使われる価格帯別出来高です。

こちらは、先ほどのチャートと違い、長期間の価格帯別出来高をチャートの右端にまとめて表示したものです。私はこちらのタイプを使っています。
山と谷
価格帯別出来高を表示すると、山になっている部分と、谷になっている部分がありますね。

山になっている部分は、多く取引が成立し、出来高が増えた部分です。
この部分は多くの人が取引をしたわけですから、バリュー(適正価格)となった価格帯ということです。
この山になった部分をHVN(ハイ・ボリューム・ノード)と言います。
一方、谷になっている部分はどうでしょうか。
谷になっているということは、その部分が相場参加者に拒絶され、取引が非常に少なかったということです。
「この値段は違う」
「この値段では売れない」
「この値段では買いたくない」
大多数のトレーダーがそう思った値段です。
このように谷になっている部分をLVN(ロー・ボリューム・ノード)といいます。
HVN、LVNという言葉はまた使うことがあるので覚えておいてください。
HVNとLVNにはどんな性質があり、どのように使えばよいのでしょうか?
それは次の記事で解説します。
TradingView
価格帯別出来高やマーケットプロファイルは表示できるソフトが少ないので探すのに苦労します。
TradingViewを使えば簡単にFXやCFD、さらに米国株、米国先物などの詳細な価格帯別出来高を見ることができます。
東証の株や大証の日経225先物については、現在は対応するCFDのデータしか見れないのですが、近々正式な取引所のデータが採用される予定とTradingViewの担当者から聞いています。(TradingViewを急かすためにみんなでプッシュしましょう!)
TradingViewの使い方についてはこちらのページで詳しく解説しています。
このページのまとめ
大多数の買い手と売り手が合意して取引が行われた価格帯のことをバリューという。
バリューよりも高い値段はオーバーバリュー(割高)。
バリューよりも安い値段はアンダーバリュー(割安)。
バリューは価格帯別出来高を使うと簡単にわかる。
価格帯別出来高の山の部分をHVN(High Volume Node)という。HVNはバリュー(適正価格)だった位置。
価格帯別出来高の谷の部分をLVN(Low Volume Node)という。

こんな情報まで頂いていいのか、と思ってしまうくらい、有意義な内容だと思います。
マーケットプロファイルや価格帯別出来高の情報が、全世界の取引の一部だけを表示しているとしても、価格帯ごとの比率はそう変わらないでしょうから、とても有用性があると思います。この機能を持つチャートソフトが知れるだけでも、講義代の価値はあると思います。笑
こちらに質問してよろしいでしょうか。主にTradingViewについてです。
Q1.TradingViewの「Proプラス」で、「マーケットプロファイル+価格帯別出来高」が表示できるのでしょうか。
Q2.こちらは余談になるのですが、S&P500も監視する意味があると思っていて、日足未満のチャートが表示できず、もしご存知でしたら表示方法を教えていただけると嬉しいです。Pro以上でみれればいいのですが、その表記は無いようです。
よろしくお願いします。いつもありがとうございます。
>Q1.TradingViewの「Proプラス」で、「マーケットプロファイル+価格帯別出来高」が表示できるのでしょうか。
TradingViewでは、時間を集計するマーケットプロファイルは表示できません。3タイプの価格帯別出来高を表示できます。
その中の一つ、session volume は1日ごとの価格帯別出来高を表示できます。
詳しくはこちらをどうぞ。
TradingViewで価格帯別出来高を表示する方法~エントリーポイントの解説付き
>Q2. S&P500の日中足の表示方法は?
S&P500の日中足に関してはデータが有料になり、月間90$かかります。CMEの先物データはどこで購読しても同じようなものだと思います。
ちなみに米国株のデータは有料ですがNYSEとNASDAQ両方購読しても4$だったと思います。
S&P500は、株をトレードするなら、日足だけでも見ているほうが良いと私も思います。
興味深く拝読しています。
こちらとは直接関係ないのですが、TradingViewの有料プラン1カ月間無料お試しをやってみようとしたところブログのやり方とは異なっており、携帯番号を入れるのではなくクレジットカード番号を入力するように求められました。
またそこに書いてある文章に
Adding your credit card info will let your upgraded plan continue uninterrupted – if you choose not to cancel. We’ll charge 1 cent for verification, but nothing else will be charged at any point during your free trial. No risks, no obligations – you can cancel anytime!
You will not be charged for now, starting on 21 5月 2016 you will be billed $29.95 per month.
となっていたのですが、来月からProプラスは$29.95に値上がりするのでしょうか?
無料お試しに入ると、有料版の割引オファーがあると思います。
私はすでに有料メンバーなので、現状で新規募集の現状の詳細はわからないのですが、それほど変わっていないのではないかと思います。
クレジットカードの入力は必須でしたでしょうか。
私が申し込んだ時には携帯番号のみで大丈夫でした。
記事の内容を修正しないといけませんね。ご連絡ありがとうございます。
さっそくTradingViewをProにアップグレードしました。出来高プロファイルをインストールしてみると、チャートの見方が変わったような気がします。
日本の株価の価格帯別出来高をみるだけなら、例えば私がいつも使っている松井証券にもありますが、TradingViewにはもっと便利な何かがあるのでしょうか?FX向きと思いますが、株にも有効なんでしょうか?
他のチャートソフトで使える価格帯別出来高よりも使いやすいと私は感じています。
詳細はこちらのページを読んでみてください。
はい、株や先物でも有効です。(TradingViewは東証と大証のデータをまだ導入していません)
実際にはFXで使う人は少なく、株や先物において良く使われます。
<株や先物にでも有効ですだがTradingViewは東証と大証のデータをまだ導入していません>とのことですが、海外マーケットやFXにはいいようですが、現実的には日本株、日経225先物の価格帯別出来高は表示できないということですね。
カブドットコムなどの証券会社でも価格帯別出来高を表示することができますが、TradingViewほど詳細に表示することができません。
海外のソフトを使えば可能なのですが、コストが高く、設定がめちゃくちゃややこしいです。
TradingViewが日本の株と先物のデータを導入するまでは価格帯別出来高にこだわらず、チャートのみを使ったライン引きでトレードするのが良いと思います。
225先物に関してはTradingViewで表示できるCFDのデータでも、スイングトレードならとりあえずは十分かなと思います。
東証の株のCFDデータはいまいちなので使わないほうがいいと思います。
私はマネックストレーダーを使用していますが、価格帯出来高が表示できています。
それで時々疑問に思うのですが、どの程度の期間の価格帯出来高を集計すべきかということです。長ければ長いほどいいのか、そうではないのか、お時間あるときにご意見をいただければと思います。
ざっくりですが、デイトレードのラインを引く時だと最低でも100日分ぐらいは含めるかなと思います。
スキャルピングやデイトレードなどで強いトレンドが出ているときのプルバックのエントリーポイントを探る場合などは、その上昇が始まった位置からの価格帯別出来高を見ることもあります。それは、今現在の相場参加者の動向が知りたいからです。この動画の中でGBPJPYの1分足のトレンドを価格帯別出来高で見ていますが、あんな感じです。
ラインの引き方 前編 価格帯別出来高&MTFピボット
こちらの記事で解説しました。参考にしてください。
無料のお試しに申し込みましたが、他の方が書いたようにクレジットカードの情報を求められます。すべての情報を入れても次には進めません。動画の情報とかなり違っていますので、動画をアップデイトするかテキストでも結構ですので、お知らせ下さい。
ノートでなくデスクトップでやりましたら、クレジットの下の申し込みボタンが表示されました。解決です。
解決されたとのこと、良かったです。
時間に余裕があるときに最新の申し込み方法についての解説もしたいと思います。
Tradingviewでの、「出来高」と「価格帯別出来高」の定義が、今一つ、はっきりわかりません。「出来高」(TraidngviewではVOLというインジ)は、無料サイト内では、ティックボリュームであり、行われたトレードの回数をしめすもので、取引された取引量ではないが、プロキシーろして有用である、と説明されていたと思います。そのため、X軸に沿ってあらわされる出来高は、対応する時間間隔での、売りと買いの取引高の差し引きの数字を、色を変えて表しているものと理解しています。一方、「価格帯別出来高」(TraidngviewではVPVRというインジ)は、FXCMというブローカーのデータを用いて計算した取引量だ、とサイト内で言及されていたとおもいます。このような理解、つまり、出来高と価格別出来高は、本当は違うものを表している、という理解で良いのでしょうか?Tradingviewにメールで質問したところ、基本的なインジは、一般的な定義を使用している、とのことで、はっきりした返事はもらえませんでした。
すみません、5行目は以下のように訂正します。
誤)応する時間間隔での、売りと買いの取引高の差し引きの数字を
正)応する時間間隔での、売りと買いの取引回数の差し引きの数字を
私の知る限り、TradingViewの出来高インジも出来高プロファイルもFXCMの出来高だという認識です。
ただ、それはティックボリュームだったとしても同じようなものです。
株や先物でティックボリュームと出来高を並べて比べたことがありますが、9割以上同じような波形を描きます。
ですから私は出来高でもティックボリュームでも、数値を見てどうこう言うのではなく、「変化」を読むのであれば十分だと考えています。
もし正確な出来高でないと意味がない。と思われるのであれば、FXに関してはどこにも相場全体の正確な情報はありませんので、株や先物をトレードするようにすべきです。
もしくは、出来高の分析を省いてローソク足だけでトレードすることです。それでも十分に優位性のあるトレードをすることはできます。
>X軸に沿ってあらわされる出来高は、対応する時間間隔での、売りと買いの取引高の差し引きの数字を、色を変えて表しているものと理解しています。
いえ、そうではありません。出来高ヒストグラムにおける色の違いは、単純に陽線の出来高なら緑、陰線の出来高なら赤と表示されます。
出来高プロファイルに関しては、成り行き買いと成り行き売りの出来高によって色分けされています。
225はCGIを使用しています。
トレーディングビューは50%オフから25%オフに変更になったのでしょうか?
私はすでにTradingViewの既存ユーザーのため、新規ユーザー向けのプロモーションが現在どのようなっているかは把握できておりません。
プロモーションの内容は、時とともに変化しているかもしれません。
はじめまして。2か月ほど前より勉強させていただいております。
TradingView の割引価格提示について気づいたことがあります。
サンチャゴさんの記事を読むと最初から50%オフになるようでしたが、
数か月前の時点では、無料お試しで最初に提示された価格は25%オフ。
なかなか踏ん切りがつかずそのまま待っていると、1週間後だったかに30%オフになり、
もしやと思いさらに待ち続けると40%オフ、そして無料お試しの終わる数日前に50%オフになりました。
何日目で切り替わるかまで正しく把握していませんし、もしかするとログイン回数で変わるのかもしれません。
参考までに。
TradingViewに関する情報をいただき、ありがとうございます。
無料お試しをなるべく引っ張った方がよさそうですね。
4日前では40%オフで2日前には50%オフになりました。3日前はログインしていないのでどうだったかわかりません。
そのまま放っておくと、自動的に月額定価になるかもしれませんのでご注意ください。
お世話になります。
TradingViewの使い方など知りたいのですが、
先方のお問い合わせ窓口など探してもわかりませんでした。
どこが窓口なのかリンク先など教えていただけないでしょうか?
よろしくお願いします。